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家族を思う。


ドライブ・マイ・カー を観てきた!

妻を亡くした男がドライバーと出会い、喪失と悲しみを抱えながらも真実を求め、今を生きていく話。


すごい良かった!

映画を観た、っていう充実感が半端なくあった。朝観たのにまだ余韻。。


三浦透子さん演じるドライバーのみさきが、母を地滑りによる倒壊で亡くしていて。

14の頃から無免で母を送迎したり、母からは、運転が少しでも荒いと後ろから蹴られたり、家では精神が荒れて怒ることが多く、その後、母に必ず現れる8歳設定の別人格「さち」。さちは、みさきにとって数少ない友人のようだった。

家が半倒壊したとき、みさきは自力で這い出てくるが中に母が居るのを知ってるにも関わらず、半倒壊した家を眺めていた。何故か自分も分からないが助けず、その後、倒壊し母は亡くなった。

みさきは私が母を殺したんだ、と言う。


主人公の家福は妻の音を亡くす。妻は多数の男と関係を持ったりと秘密を抱えていた。ある日の朝、妻から、帰ったら話せる?、と言われる。妻の秘密を知っていた家福は、話をすれば今までの関係が崩れ、今までの2人ではいられなくなることを恐れた。車を何時間も走らせ、帰宅したのは夜中。妻はくも膜下出血により倒れており、亡くなった。

家福は、あの時もう少し早く帰っていれば…、俺が妻を殺したんだ。と後悔する。


オチというか、簡単に言えば、2人が、家福が出した答えは、生きるということ。残されたものは、生きる。


演出も演技も全部良くって、最高でしたわ。胸がいっぱいになったし、最後に見えた微かだけど確かな光!



去年は、劇場版 きのう何食べた? を、好きすぎて2回観たのだけど、これもまた良すぎて良すぎて。



というか観終わって、というか観てる最中からだけど、観ることで自分が救われた気持ちになることと悲しい気持ちになることがあるのね。


ドラマ版の話も混ざりますが、何食べのシロさんの両親はシロさんがゲイということを知っていて。シロさんは結婚をしないこと、シロさん家はひとりっ子であるから、もう孫の顔も見れないこと、故に近所の子どもを可愛がる(これはシロさん目線)事に決めたこと。

ケンジは、姉達が結婚もしてるし実家近くに住んでいるから、母のことは安心していられるし、家族もわだかまりなく理解がある。だが、父は昔暴力が酷く浮気をして失踪しており(離婚はしてなかった)、たまに届く生活保護の扶養照会で生きていることを知る。(映画では、父は亡くなる)


家族の話になれば、私はどうも弱い…


結婚もしてないし、恋人もいないし、子どももいない。母は亡くなっているから、家族に孫の顔を見せなければ…なんて悩みはきっとこれからもない。はず。シロさんが両親にその時が来たら…葬儀代は全部俺が出す、というシーンがあるが、母がいないので介護だとか葬儀だとかの心配もない。

変な言い方、この辺ラクなのだ。


だが父はいる。どこかに、、と言いたいけど、離婚していないからケンジのように私のとこにも、数年に一度 父の生活保護扶養照会が届く。父の住所が介護施設に変わってることを知る。私は父を扶養しない。ケンジのように断っている。


ドライブ・マイ・カーのみさきの母との関係は少し私と似ていた。小さな頃から母の世話のようなものをしていたこと、精神異常、ヒステリック後の母の幼児化。



母が亡くなる時のことが頭にこびり付いている。

今まで散々 あんたに殺される!とヒステリックに言われてたけど、ひどく優しい日だった。それが逆に辛い。病気は持っていたけどその日は元気だった。急に具合が悪くなった。夜中3時、救急車を呼んだ。心臓マッサージをした。もう会話もできない。そのまま死んだ。

自分がもう少し早く起きて救急車を呼んでいたら?もしかして、ぐったりした時少し体を動かしたから、心臓マッサージをしたから、内出血が酷くなって多量になった?

家福さんとみさきのような取り返しのつかない気持ちで

あんなに毎日のように、あんたに殺されるなんて言われていたから、余計自分はもう母を殺したような気持ちでいる。

でもみさきのように、少し解放された気持ちを持ち合わせている。この矛盾が辛い。


でもその後のみさきと家福さんの言葉たちと最後のユナと家福さんの演劇シーンで、ちょっとだけ気持ちが救われたような気持ちもある。私たちは生きましょうね、って。

ずっと引きずるというか、抱え続けること、でも家福さんは2年、みさきは5年も誰にもいえず抱えていたんだもの。それで自分が4年半考えていた事が決しておかしな事じゃないって思った。



人間は難しいよ。信じたり、嘘をついたりつかれたり。信じることで傷つくけど信じないと傷つくし、言葉で伝わることもあるけど言語ではないものでしか伝わらないこともあるし、でもみさきのようにもうそのまま受け止めるしかないのかな。そういう人だった、矛盾があるけどそれは矛盾でなくて全部ひっくるめてその人だった、それが真実って。多分すぐにはダメだろうなー。


私はシロさんとケンジのような関係が素敵だなぁと思う。お互いを支えて補いあって必要としあって信頼して なにより大好きと思いあってる。2人は親も大切に想うけど、親と同等に、いや、親よりも家族であると想いあってる。

自分の気持ちを解消させたい、克服させたい為にではないけど、家族っていいねって思えたらとも思う。恋人てだけでなくて、誰かとルームシェアであったり、ペットとかの生き物であったり、どんな形の家族でもいい。

両親や兄弟とは違う、新しいものと出会えたらまた違う家族と呼べるものができるなら家族も悪くないって思えるのかもしれない。



色々なことあるけど、とにかく生きましょうね。だね。

 


いい映画だった!   



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