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(新装版)インプットとアウトプットとは つまり消化器だ

豪球がびゅんびゅんと飛び交うポルトで、ここ最近は思うようにヒットが打てないまま、季節は一巡、早いもので4月。まだまだ自分の中の壁すら越えていないのに、「壁打ち相手」を探すなんて時期尚早。今もこうして河川敷高架下で、自分の力がそのまま跳ね返る球についていくので精一杯だ。摂取したものの咀嚼が追いつかず、口をずっともぐもぐさせている。現象の意味を言葉にする為には私の経験があまりにも足りなくて、言語野はいつにも増して暴走している。なんだかむずがゆくてとりあえずペンをとる。でも筆は進まなくて、ストーブの熱はあつくて、切って寒くて、つけて暑くて、あゝと床に寝転がって朝がくる。「やらなくてはいけないこと」と「やりたいこと」に頭が溺れる苦しい季節。でも、春はおしなべて私にやさしい。あれはあれでよかったのだ、それはそうあるべきだったんだと、毎年同じように咲いて散る花が教えてくれる。

私が去年の春、菊池Pに嬉々として提出した
「人間の成長とはすなはち消化器系説」を、
一年かけて深めた成果をここに発表します。
これはシェアハウスヤネウラのみくるさんとの文芸ユニット「排泄運動」の設立の概念に大きく関わってくるのだけれど
情報のインプットとアウトプットは人間の消化器官のメカニズム、
つまり咀嚼、消化、排泄であるという仮説で
この循環を整えると、私たちは持続可能性をもって幸せでいられるのではないか?という生き方の提案です。


①ぱくぱく
・好き嫌いなく食べましょう
・満腹は量より質。偏りなく食べましょう。ジャンクなものもたまには○
食べすぎ→消化不良
食べなさすぎ→栄養失調
 
②もぐもぐ
・よく噛みましょう。うまいもまずいも酸っぱいも、味わい尽くして、味がなくなるまで噛みしめよう
味わわずにすぐに飲み込むとのどにつまるよ。
噛まなさすぎ→消化不良・嘔吐・誤嚥

③消化・吸収
・体に必要なものは取り込まれ、いらないものは排出の準備をします
・早さは人それぞれ。時の流れに身を委ねましょう

④蓄積
・走り続けるための筋肉になります。

⑤排泄
・最後が一番重要。こっそり潔く水に流しましょう。
・良質な排泄物は後世に及んで良質な堆肥になるかも。
それが続けば良質な土壌をうむかも。
出さない・出せない→便秘

ここで大事なのは、
排泄物そのもの、すなわち「アウトプットしたもの」に価値があるわけではなく、
日々消化吸収していく個人=「たえずインプットとアウトプットを続ける私たち」そのものに価値を認めてくれた人に排泄を通して還元しあう関係。これこそが、一人一人の成長を可能にするのではないか。

いち資本主義の落ちこぼれとして私が思うことには、絵も言葉も、記号も音も歌も全部排泄。脳内からだしてスッキリするならそれは排泄。循環の中で産み落とされた私たちは、自身も循環する個体。何主義だろうが何派だろうが何教徒だろうが、同じ場所でめぐりあえる地点がきっとあるはず。

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