歌会について簡単まとめ
最近、短歌をしていない友人を歌会に誘いました。こういうことこれからもあるかな、と思ったので、「歌会ってどんなことするのか」について、簡単にまとめてみました。
初めて参加する人は、太字を読めばとりあえずどうにかなると思います。
歌会とは
参加者が自作の短歌を持ち寄って読み合う批評会です。いろいろなスタイルのものがありますが、ここでは
・少人数
・無記名
・選あり
・短歌非公開(多くの歌会が非公開であり、重要です)
という、もっとも多くひらかれている歌会を例にとって説明します。
歌会前の流れ
主催者は、日時・場所・定員などを決めて、参加者を募集します。
参加者は、締切までに短歌を主催者宛に送ります。
送る方法は、メールなど、非公開の方法を使います。
締切後、主催者は全員の短歌をランダムに並べ替え、当日に向けてプリントを作ります。
プリントには、下記を入れます。
・○○歌会
・短歌(無記名)
・参加者名
このプリントは歌会によって、前もって非公開の方法で共有する場合もあれば、当日いきなり参加者に見てもらう場合もあります。
主催者は、選のルールを前もって考えておきます。参加者で共有しておいてもよいでしょう。
主催者は、評する順番(得票の多い短歌から、など)も考えておきます。
歌会当日の流れ
会議室などに集合します。プリントを配ります。
ここで10分くらい、プリントを読む時間を取るのが一般的ですが、前もって全員が読んできているなら、いきなり歌会を始めてもかまいません。
・自己紹介(名前・所属・短歌歴・告知など)
ひとりずつ自己紹介をします。
・選(せん)
歌会では「選」をすることがあります。
参加者が自分が良いと思った短歌に票を入れることです。ただし、自分の短歌には票を入れません。
選には、ひとり一票というシンプルなやり方以外にも、歌会によってさまざまなスタイルがあります。たとえば、ひとり3ポイント持っていて好きなように振り分けるという歌会もあります。
司会は、票をどう入れるか、参加者に聞いて記録します。
・評(ひょう)
選の集計が終わったら、司会の指示で、短歌ごとに評を始めます。
評する短歌の順番は、歌会によってまちまちです。単にプリントに載っている順番で評することもあれば、得票が多い(少ない)方から評することもあります。
誰が最初に評をするかというと、選がある歌会では、多くの場合「その短歌に票を入れた人」から、評をしていきます。
最初に評をする人は、短歌を朗読してから評をします。
「私は、この短歌のここが面白いと思いました」
「私は、この短歌はこういう出来事だと思いました」
「私は、この短歌のここがわかりませんでした」
などを語り合います。
もし司会が、自分の短歌のときに自分に評を求めたらどうすればいいか。
あたかも人の短歌のようなふりをして評をしましょう。
・全部の短歌の評が終わったら
司会の指示にしたがい、短歌の作者を発表します。
たとえば、「①の短歌の作者の方」「はい、○○です」という具合です。
このあと、作者に少し質問する時間をもうけることもあります。
(この、評の後の流れを「解題(かいだい)」と呼ぶ傾向がありますが、誤用の可能性があり、ここでは避けます)
※注意事項
・他の参加者の短歌を公開してはいけない
多くの歌会は非公開を前提にしています。作者が自分で公開したり、公開を承諾したりしない限り、歌会に出された短歌を参加者以外に伝えてはいけません。
・むやみやたらと否定しない
これは中本個人の意見で、違う前提の歌会もあるとは思います。
私の考えでは、せっかく作られた短歌を全面否定しても、参加者に利益がありません。歌会は批判をしてもいいところですが、互いの短歌を楽しみ、短歌をより良くするための場所であることを忘れないようにしましょう。
※歌会でよく使われることば
詠草(えいそう)……歌会に出された短歌のこと。
特選(とくせん)・並選(なみせん)……二首以上を選ぶタイプの選で、「いちばんいい」のが「特選」、「いちばんではないがいい」のが「並選」。
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