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週数で定義や対応が変わる!          もしも死産になってしまったら


今回はちょっと悲しいお話。

もちろん誰が亡くなっても悲しい事ではありますが、
生まれてくる事を心待ちにしていた赤ちゃんをお腹の中で失ってしまう…
その悲しみは想像を遥かに超えますよね。

SKK中の人の親友も、少し前に妊娠4ヵ月を超えたところで突然
死産になってしまうという事がありました。

流産や死産、悲しい事ですが決して珍しい話でもないそうです。
そして、生まれてくる前に亡くなってしまった子たちは
その週数によって定義や対応が変わってくるのです。

今回は、そんな死産になってしまった場合のお話です!




死産の定義


死産とは、赤ちゃんを死亡した状態で出産することを言います。

ただ、この死亡した状態で出産するということは週数によって
捉え方が異なるようです。

日本産婦人科学会は、妊娠22週未満を流産、22週以降を死産と
していますが、日本の法律上は、
妊娠12週以降の亡くなった赤ちゃんの出産 を死産と定義しています。

赤ちゃんが死産になってしまった場合、法律上いろいろな手続きを
しなければならないのですが、その手続きが週数によって変わります。




死産の際の届け出は?


妊娠12週以降の死産になってしまった赤ちゃんも、法律上
火葬(または埋葬)しなければならないと決まっています。

その火葬をするにあたり、各役所で死胎火葬許可証を交付してもらい、
それを火葬場に提出する必要があります。

一般的に、日本で人が亡くなった際には「死亡届」を提出して
「火葬許可証」を交付して貰うのと同様に、
死産の場合も届け出が必要になります。

◆妊娠12週から22週までの死産の場合


妊娠12週から22週までの間で赤ちゃんを死産した場合には、
「死産届」の提出が必要になります。

届出人の住民票のある自治体、もしくは死産した病院がある自治体の
役場のみ提出ができ、
原則死産から7日以内に提出することになっています。

死産届は、死産を診断した病院で「死産証書」(または死胎検案書)と
ともに受け取ります。

◆妊娠22週以降の死産の場合


妊娠22週以降の赤ちゃんの場合は、「母胎外での生存が可能」と見なされ、
亡くなった赤ちゃんを出産するのではなく「新生児の早産」と解釈され、
出生後すぐに赤ちゃんが亡くなったものとされています。

そのため、「死産届」ではなく「死亡届」を提出しなければならず、
同時に「出生届」も提出する必要があるのです。

出生届を提出するという事は、もちろん命名もしなければなりません。
そして戸籍にも記載されます。

おなかの中の赤ちゃんを失っただけでも悲しいのに、
そこから僅か1週間の間に命名して届け出を提出する…
酷すぎる決まりだと思ってしまいましたが、現在の日本の法律上
この作業が必要になってくるそうです。



死産の際のご火葬は?


前述した通り、死産であっても火葬をしなければりません。

一般的にはお葬式をされない方が多いですが、
身内のみの家族葬でお葬式を執り行う方もいます。

お葬式を執り行う場合もご火葬のみの場合でも、
ご火葬の際には小ぶりなお棺に体を納め、火葬場にて火葬します。

通常は葬儀社に依頼し、お棺なども手配しますが、
場合によっては病院でお棺を用意して貰えることもあるそうです。

■ 遺骨はどうするの?


前提として、赤ちゃんなどの小さな骨の場合、
ご火葬時にお骨が残らないケースも少なくありません。

火葬炉は非常に高温になるため、故人様が子供の場合などは
朝1番の火葬が原則という火葬場も多くあります。
それでもお骨が残らないという場合もあります。

死産の場合のご火葬はかなりの高度な技術が必要だそうで、
熟練の火葬士でもキレイに遺骨を残せないこともあるそうです。

※東京都の四ツ木斎場では、赤ちゃん専用の火葬炉「小型炉」があります。

火葬後のお骨は、法律上埋葬しなければなりません。

菩提寺が既にある場合は菩提寺に納骨しますが、
自治体や民間企業が管理しているお墓納骨堂
合同墓地などに埋葬します。

一部を残して手元供養にしたり、アクセサリーとして身に着けたり、
海などに散骨される方も多いです。

■ 安置が必要なケースもあります


一般的に、人が亡くなってから24時間はご火葬が出来ず、ご安置する
ことが法律で定められていますが、
死産の場合も妊娠24週以降の場合、火葬前に24時間の安置が必要となる
ので注意が必要です。




元気に生まれてきてくれることを心待ちにしている中
突然の死産は、言葉にできないほどの悲しみだと思います。

法律上の必要な手続きとは言え、もう少し改正しても良いのでは…
と個人的には思ってしまいますが、
例えお腹の命とはいえ、1人の人間として同じように扱われる
という事なのかもしれません。

生まれてくるはずだった命はかけがえのないものですが、
お母さんもまたかけがえのない存在です。

死産を経験された方々が、赤ちゃんのおみおくりを経て
いつかまた前を向いて歩きだせると良いなと思いました。





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