マガジンのカバー画像

オリジナル創作絵本  「てんしのはな」

22
天使のリリーと黒猫ファーゴの物語。             よかったら感想等お願いします。
運営しているクリエイター

記事一覧

プロローグ01

プロローグ01



ちじょうでは クリスマスのころ・・・。

てんしのリリーは 8さいの たんじょうびを むかえているところでした。
 
ママからの プレゼント。
いつもの おもちゃ ではなく それは ちいさな めがでた なえの うえきばち。

「これはね、 だいだい うけつがれてきた はなの なえで 
ママも おなじように こどものころに このはなを さかせたのよ。
そのはなから とれた タネを ママが だいじ

もっとみる
プロローグ02

プロローグ02



ママは つづけて いいました。
「ふつうの はなは みずを たくさんあげて そだつけれど 
このはなは あなたの たいせつに おもう きもちを えいように するから みずを あげなくても せいちょう するのよ。」

「たいせつに おもう きもち?」
いままで リリーが たいせつにしてきた キャンディーや ゆびわ。

それよりも もっと もっと この なえを たいせつにおもうこと。

それが い

もっとみる
プロローグ03

プロローグ03



「いちにんまえの てんしに なったらママや おとな みたいに きれいな てんしの わっか が、わたしにも もらえるのかな?」

そう おもうとリリーは うれしくなりました。

ちじょうは クリスマス。
いまなら てんしは じゆうに おりられます。
リリーは あすのあさ ちじょうに おりることにきめました。

プロローグ04

プロローグ04



しゅっぱつの あさ。

たいせつな なえをもった リリーは ちじょうへの いりぐちに むかいました。

そこには あめ でもないのに かさを さしている くろねこが いっぴき。

プロローグ05

プロローグ05



ふしぎに おもった リリーは くろねこに いいました。

「くろねこさん あなたも ちじょうに いきたいの? 
わたしと いっしょなら ちじょうに おりられるよ。」

「ファ~ゴ!」

くろねこは へんてこな なきごえを だしました。
くろねこさんの なまえなの?

「わたしは リリー よろしくね!」

1月 ~地上へ~

1月 ~地上へ~



しろい くもの いりぐちを ぬけたら
そのさきには キラキラと ひかる かいだん!

ちじょうに おりるのが はじめてのリリー。
はなしや ほん でしか しらない せかい。

どんなところなのかな?
 
リズムよく かいだんを おりる。
ひたすら おりる・・・。
 
かいだんを ひとつ おりるたびに きたいと ふあんが いったり きたり!

むねの ドキドキ とまらない!

そのあとを ピョン

もっとみる
2月 ~ゆきのあめだま~

2月 ~ゆきのあめだま~



ちじょうに おりてきて さいしょに
ひろがってきたのは まっしろな せかい!

ママが いってた ゆきが いっぱい!
フワフワの わたあめや マシュマロ みたい。
だけど ふれると とっても つめたい。 

キラキラと ひかった ゆきの おはなも みつけた。
まるで おいしそうな ゆきの あめだま。

わたしの はなも しろいのかな?
それとも あか や あお?

ファーゴは そんな はなより

もっとみる
3月 ~やさしいえがお~

3月 ~やさしいえがお~



ふゆの おわりと はるの はじまり。

しろい ゆきの じゅうたんも
すこしずつ だけど みどりいろに もようがえ

みずうみの こおりも とけだして 
はるいろの おとが きこえるよ。
 
そんな やわらかな ひざしの なか。
まだ とけないで のこっている ゆきのなかから

「ぼくは ここだよ!」

と、いいたげに 
やさしい えがおを みせている 
きんいろに かがやく はなを みつけた

もっとみる
4月 ~そそいで、そそいで~

4月 ~そそいで、そそいで~



みわたすかぎり チューリップばたけ。
いろんな いろが いっぱいに ひろがってる。

ちょうちょも このけしきが すきなんだ。
うれしそうに ひらひら おさんぽ。 

そんな あたたかさに みちた このばしょに
なえを うえることに きめました。

ここなら さみしく ないよね?

みずは あげなくても だいじょうぶ って 
ママに いわれてるけど ジョーロで すこし あげました。
 
わたし

もっとみる
5月 ~みどりのせかい~

5月 ~みどりのせかい~



こもれびが あふれる みどりの せかい。

しんこきゅう すると
しんせんな くうきの においが する。
とても きもちのよい においが する。

たんぽぽを つんで わっかを つくった。
ひのひかりが ときどき あたって 
まるで てんしの わっか みたい!

ファーゴにも くびかざりを プレゼント。
さいしょは いやがって 
はずそうと していたけれど
いつのまにか それを じっと 
みつ

もっとみる
6月 ~こころのあめ~

6月 ~こころのあめ~



あめは きらい。
そとで じゆうに あそべないから。

そんな けしきを ながめていると
しらないあいだに わたしの ココロにも
あめが ふってくる。
さみしさが しとしと あふれてくる。

だけど そんな あめの なか、
げんきに さいてる あじさいを みていたら
ふしぎと うれしい きもちになる。

あめは きらい。
だけど あめの なかにも 
うれしさ や たのしさ がある。

わたしが

もっとみる
7月 ~ねがいごと~

7月 ~ねがいごと~



たなばた。
よぞらを ながれる あまのがわ。

ひとつ ひとつが てを とりあって
いっしょうけんめい かがやいて
あの おおきな かわを つくってる。

おほしさまが なかったら この よぞらも
きっと さみしいよね?

わたしも あの おほしさまに まけないくらい
じぶんの ほしを かがやかせたい!
 
まずは わたしの はなを さかせること。
あまのがわに そっと おねがい。

ファーゴ

もっとみる
8月 ~ほしのはなたば~

8月 ~ほしのはなたば~



そらに むかって めいっぱい 
えがおを さかせる おおきな ひまわり。

たくましく のびた そのすがたは
どんなに おちこんでいたって
わたしに げんきを あたえてくれる。
まるで たいよう みたい。

わたしも ひまわりの ように
みんなに げんきを あたえられる
りっぱな てんしに なれるといいな。

でも ファーゴは そのしたに さく
かわいい ほしの かたちした
ペンタスの はなに

もっとみる
9月 ~じぶんのために~

9月 ~じぶんのために~



じゅうごや。
まんまる おつきさま。
つきの あかりで すすきは こがねいろ。

おつきさまには うさぎが すんでいて
おもちを ついているんだって。
いっしょうけんめい 
まいにち、まいにち ひたすら ついて。

きょうのひの ために。
じぶんの ために。

がんばって ついた おもち。 
だんごにして おいしそうに たべている。
そのおいしさは うさぎだけが しっている。

そのはなしを 

もっとみる