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春先の肌荒れ、花粉皮膚炎かも?!

暖かくなって花粉が飛んでいますね。。。
花粉症にはツラい時期です。
例年、抗ヒスタミン薬の内服と毎日の鼻うがいで乗り切っています。

専門分野ではないので詳しくは語りませんが、鼻うがいをするようになって鼻から喉にかけての不快な症状が随分と楽になりました。
少なくとも私にとっては、花粉の季節には欠かせない習慣となっています。

花粉症で一番多いのは眼と鼻の症状ですが、意外と知られていないのが花粉皮膚炎です。
この時期になると顔が痒い赤いヒリヒリ…という経験はありませんか?
実は花粉症の人の約2割が花粉による肌荒れを経験しているともいわれています。

花粉アレルギー(+)の人が、飛んでいる花粉の抗原が皮膚に付着して皮膚に炎症を起こすことを花粉皮膚炎と呼びます。
日本ではスギ花粉のアレルギーが非常に多いので、スギ花粉による花粉皮膚炎が当然最も多いことになります。

花粉皮膚炎には、2つのタイプがあるとされます。
①アトピー性皮膚炎がベースにある人が、花粉により皮膚症状が悪化する
②アトピー性皮膚炎のない人が、花粉により皮膚症状を起こす

まず①のパターン。
アトピー性皮膚炎を特殊な病気のように思っている方も多いのですが、実際はアトピー性皮膚炎の体質を持つ人は20-30代の成人では10%程度もいます。
アトピー性皮膚炎は大人になると症状がとても軽くなる人が多いので、自分がアトピー性皮膚炎だったことを知らない(覚えていない)、すでに治ったと感じている、という人が多いだけで実は珍しい皮膚疾患ではありません。
治ったと感じている(=皮膚症状が現在はほぼない)人が花粉の時期だけ発症する、というパターンが結構あると考えられます。

そして②
女性に多いとされます。顔(特に目の周り)は皮膚が薄く肌のバリア機能が低下しやすいため、肌が花粉に反応しやすく花粉皮膚炎の症状が出やすい部位です。
女性に多い理由として、メイクやクレンジングなどによる肌のバリア機能の低下が考えられます。

本来スギ花粉は粒子の大きさの関係で、肌のバリア機能を通過しない、つまり皮膚の内部までは入っていかないそうです。
花粉皮膚炎の部分の皮膚では肌のバリア機能が低下していると言えます。

アトピー性皮膚炎は、そもそも肌のバリア機能が低下しやすい肌質です。
アトピー性皮膚炎でない人でも、メイクやスキンケア特にクレンジングによる肌への摩擦、そして今年は毎日のマスク着用の刺激、これらにより肌のバリア機能が低下している部分に花粉が付着して花粉皮膚炎の症状を起こす、というわけです。

花粉へのアレルギーそのものは簡単には治せなくても、肌のバリア機能を向上させることで、花粉皮膚炎の症状を軽くすることができそうです。
バリア機能の回復には、洗い過ぎなどによる乾燥を避ける、きちんと保湿する、そしてとにかく肌を擦らない。
これらの正しいスキンケアを地味に続けることで、少しずつ肌のバリア機能は回復して丈夫な肌へと近づきます。

帰宅後に早めに洗顔するのも大事なポイントです!
自分にとってのアレルギーの原因物質を肌に長時間つけっぱなしにしておくのはNG!

そして今すでに赤み痒みヒリヒリなどしっかり症状が出てしまっている人。
まずは皮膚科を受診して治療しましょう。
炎症が長引くと、色素沈着などが長引いてしまいます。

この季節にだけ顔が痒くなる・肌が荒れるという方、ぜひスキンケアを見直して、来シーズンには花粉攻撃に負けない肌を手に入れましょう。

【参考にさせていただいた文献】
日本医科大 佐伯秀久先生 「花粉症の皮膚症状とその治療」
Phama Medica Vol.38(4), 2020
東京医科歯科大 横関博雄先生 「スギ花粉の経皮感作による皮膚炎の病態と治療」
皮膚の科学 Vol.14(増23), 2015

興味を持ってくださった方はこちらもご覧いただけたら嬉しいです!

マイナビウーマン記事
「花粉で肌荒れが起こる!? ぶつぶつ・かゆみなどの予防と対策」横井彩
https://woman.mynavi.jp/article/201217-14/


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