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<SKI GEAR 2021/22> センター幅で決めるスキーの選び方

滑るシチュエーションで異なるセンター幅

 スキーを選ぶ場合、まず何を基準に選べばいいのでしょうか。いちばん簡単なのが、カテゴリーで選ぶことです。カテゴリーとは、そのスキーがどんなシチュエーションで、どんな滑りをするスキーヤーを対象に開発されたモデルなのかということ。スキーは大きく分けて、レースでタイムを競うための競技用モデル、一般ゲレンデを楽しむためのモデル、ゲレンデやゲレンデ外を問わずどんな斜面でも滑れるオールマウンテンモデル、ゲレンデ外の深雪を滑走するためのパウダーモデルなどに分けられます。

 これらのカテゴリーごとの特徴を表しているのがセンター幅です。昔のスキーは、センター幅が60㎜台と細かったのですが、現在は滑るシチュエーションに合わせて、様々なセンター幅のモデルがラインナップされています。
 例えば、競技用モデルは65〜70㎜、一般ゲレンデ用モデルは70〜80㎜、オールマウンテンモデルは80〜100㎜、パウダーモデルが100〜110㎜以上、といった感じ。ただし、個々のモデルの特徴もあるので、この分け方に該当しないモデルもあります。あくまでもひとつの目安として覚えておいてください。

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上写真/上級者向けに開発されたヘッドのスーパーシェイプシリーズ。センター幅66㎜から84㎜までのモデルをラインナップ。左から3番目のスーパーシェイプE-ラリーが78㎜、左から2番目のスーパーシェイプE-タイタンが84㎜とやや太めになっています。

ヘッド スーパーシェイプシリーズの詳しい情報はこちら↓

一般ゲレンデ用としてベストな選択はセンター75㎜!?

 一般ゲレンデ用モデルは70〜80㎜と10㎜の幅がありますが、なかでも上級者向けモデルは、全般的に幅が狭いのが特徴で、およそ70㎜が平均値。競技用がベースのモデルでは60㎜台もあります。
 一般スキーヤー向けのゲレンデ用で増加傾向にあるのがセンター75㎜前後のモデルです。幅が広くなることのメリットは、まず安定感が高くなること。そして、雪面から受ける浮力が大きくなり、新雪や湿雪などの柔らかい雪質で滑りやすくなることなどが挙げられます。
 つまり75㎜という幅は、ハイシーズンのグルーミングバーンでしっかりとグリップ力を発揮するとともに、降り積もったばかりのゲレンデの未圧雪の新雪や、湿り気の多い雪、荒れたバーン、春のザラメなど、雪質を問わず高いコントロール力を発揮。シーズンを通してオールラウンドに楽しめる幅だと言えるでしょう。

 幅が広くなることのデメリットとして考えられるのが、切り替えが遅くなること。しかし一般向けモデルでは、レーサーやエキスパートレベルの速い切り替えは求められていないので、一般レベルの早い切り替えなら十分可能。グリップ力も十分あり軽快に滑ることもできます。
 また、幅が広くなることで「操作が難しくなるのでは」、と思う人もいるかもしれませんが、75㎜程度なら、そんな心配は無用。違和感なく操作することができるはずです。

 このように、75㎜前後というセンター幅は、エッジグリップ力、軽快な滑り、雪質への対応力を、うまくバランスをとった幅だといえます。ゲレンデメインで、ワンシーズンを一台のスキーで楽しむ場合は、ベストな選択のひとつだと言えるでしょう。
 現在、センター幅が75㎜前後のスキーは、上級者向けモデルから初級者向けモデルまで数多くラインナップされています。自分にどのモデルが合っているかは、実際に試乗して試してみるのがベストな方法。試乗できない場合は、信頼のおけるショップのスタッフなどに聞いてみるのがいいでしょう。

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上写真/センター72㎜から76㎜まで5モデルをラインナップしたフォルクルのディーコンブラックシリーズ。前後のロッカー形状が自在な操作性を生み出す新感覚スキー

ディーコンブラックシリーズの詳しい情報はこちら↓

色々なシチュエーションを滑りたいなら80㎜以上

 センター幅が80㎜より太くなると、より新雪や湿雪、悪雪への対応力が高くなります。80㎜台になると、滑るフィールドがゲレンデオンリーだったのがサイドカントリー(ゲレンデ脇の新雪)や、スキー場内のオフピステなどにも広がっていきます。さらに90㎜以上になると、バックカントリーのパウダースノーなどで高い浮力を発揮し、100〜110㎜以上になるとパウダー専用モデルになります。
 スキーは、センター幅が広くなるにつれ、必然的にスキー自体の重量が増えてしまいます。しかしながら昨今のテクノロジーの進化は著しく、軽量メタル素材のチタン、カーボン素材を巧みに加工し、非常に軽量のモデルを生み出しています。
 最新の幅が広いスキーは、高い浮力を発揮するだけでなく、エッジグリップ力も十分あり、操作性にも優れているモデルが増えています。

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上写真/左端がエランのリップスティック106ブラックエディション、左から2台目がリップスティック96ブラックエディション。カーボン素材を使用することにより軽量化を実現すると共にパワフルで安定感のあるターンが可能

エラン リップスティック ブラックエディションの詳しい情報はこちら↓


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