フィギュアスケート韓国のすてき衣装屋さん特集その1〜キム・イェリム、ユ・ヨン、ウィ・ソヨンほか〜
モントリオールワールドが中止になってしまいました(号泣)
虚無感に襲われながら、そういやnoteの記事公開してないな…と思い出したので、仕上げてアップすることに。
この記事は2019年の11月〜2020年1月くらいにちょこちょこと書きためたやつなので、そんなテンションです。
韓国女子選手の衣装ステキですよね〜。
毎シーズン韓国女子の新しい衣装を見るのは楽しみのひとつです。
キム・ヨナが台頭する以前は「韓国にはスケート衣装を作れる店が一軒しかない」と言われていましたが、そんな時代はもう昔のこと。
現在では、ほとんどの選手が国内で美しい衣装を作っています。
北米・ロシア・日本とはまた一味違った、ちょっとアジアチックでデコラティブな衣装の楽園。
その衣装屋さんをご紹介します。
掲載写真について
韓国は会場での撮影がOKで、たくさんの写真や動画がアップされます。
その中でも個人の掲載自由とされている『QueenYuna0905@QueenYuna_shc』さん、『김민철@leaninseeker』さん、の写真を使っています。なんて美しい写真たち!ありがとうございます。
※スケ速はライブドアブログもnoteも商業化していません。よく誤解されますが、アフィリエイトもやっていません。個人使用です。
1.「edgeplus」 ステキ衣装の総本山
『edgeplus』はユ・ヨン、イェリムなど韓国トップ選手の衣装をジュニア時代から作っていた衣装屋さん。
数年前まではジュニアやノービスの可愛らしい衣装が多かったですが、最近は選手の成長にともないシニア世代の衣装を多く手がけるようになって、より洗練された印象です。
今季JGPFに出たイ・ヘインの衣装も担当。
(FS「ファイアーダンス」の写真はinstagramに載っていませんが、店のNaverには掲載されています)
特徴はなんといってもビジュー使いの美しさで「韓国衣装はストーンワークが綺麗」という認識をこのお店が引っ張っている感があります。
色が違うビジューで深みや華やかさを出すのが巧み。
着るとスタイルがよく見えるグラデーションの入れ方もとっても上手。
流行のスカート位置とウエストマークなどスケート界のトレンドも抑えてもいます。
キム・ハヌルのような小柄な選手にも、とっても似合う美しい衣装を毎年作っているのは実力の現れではないでしょうか。
デザイナーさんは建国大学の被服科を卒業し、2007年〜2010年頃は婦人服のデザイナーをしていたそう。
貸衣装も行っていてジュニアの衣装だと1回5000円前後で借りることができるようです。
韓国の大会を見ていて綺麗な衣装だな〜と思うと大抵『edgeplus』なことが多くて、今後も目が離せない注目の衣装屋さんです。
edgeplus
Naver cafe(閲覧には会員登録とカフェへの加入が必要)
2.「안규미 ahn geu mi」キム・ヨナの衣装で一躍有名に
キム・ヨナの衣装で有名な『ahn geu mi』さんは、今季イェリム、ウィ・ソヨンの衣装を作っています。
イェリムの衣装は以前はedgeplusが作っていたのですが、昨季から謎の衣装屋さんに変わりました。
とんでもなく素敵なのに誰が作ったか解らない衣装・・・。
いまの時代SNSが発展して、トップ選手の衣装はだいたい誰が作ったか解るものですが、韓国の一部の衣装はほんとに誰が作ったかブラックホールに吸い込まれたように解らないことがありました。
謎の衣装屋さん、きっと『ahn geu mi』さんだろうなあ…でもSNS更新しない方だから、解らんなあ…。
と、3年ぐらいずっと思っていましたが、何かあったのか今季ちょこちょことSNSを更新してくれるようになりました!ばんざーい!
以前作った衣装もぜひ全部アップしていただきたい!
私的今季ナンバーワン衣装、イェリムSP「ブラックスワン」、黒鳥という狂気に侵食されていく主人公のようなおどろおどろしさ。
首から背、右半身の禍々しいまでの装飾に対して、官能的なまでに美しく翻るスカートにアン・ギュミさんらしさが溢れています。
そう!彼女の衣装ってスカートが素晴らしいんです。
ご本人も以前インタビューで薄布を何枚も重ねて作るスカートにこだわりを持っているとおっしゃっていました。でしょうね!
初戦だったロンバルディアでは腕に羽もついて、より映画のようです。
JGPクールシュヴェルで2位になったウィ・ソヨンのSP「グリーン・ディステニー」はため息が出るような美しさ。
FS「アメリ」。
アン・ギュミさんの衣装も繊細なビジューワークが賞賛されますが、インタビューによると染めにこだわりを持っていて、オリジナルで色を作っているそう。
ヴァンパイアキスの衣装も吸血鬼の冷たさをブルーとグレーで表現したとか。
そしてソチ五輪の黄色い衣装も何度も試行錯誤を重ねたすえの色で「ヨナグリーン」と名付けていたそう(黄色く見えるけど実際はオリーブグリーンにゴールドのレースらしい)。
また、『無縫製(シームレス)』の技術を研究してフィギュアスケート界ではいち早く10年前から取り入れていたそう。
縫い目による選手へのストレスを軽減し、より自然なラインになるとか。
私個人としてこの方の衣装で好きなところは、思いもよらないイマジネーションに溢れているところ。
シンプルな衣装もとても上手な方ですが、プログラムの世界を深くする創意に溢れた衣装はどのデザイナーさんとも違う面白さがあります。
元々は社交ダンスのデザイナーで、ソウルの江南に店舗も持っているアン・ギュミさん。
2007年にひょんなことからチェ・ジウンの衣装を作ったことがきっかけで(かなりセンセーショナルな出来だったとか)、それまで北米やロシアの衣装屋さん頼みだった韓国選手たちから注文がくるようになったそう。
キム・ヨナから依頼が来たきっかけもカク・ミンジョンがアン・ギュミさんの衣装を着ていたのを見てだとか。
デニス・テンが平昌五輪に着た衣装はこちらで作っていたそう。
縫製がいつものカザフスタンのデザイナーさんとは違う感じでしたし、あの頃テン君はずっと韓国に滞在してましたから納得でした。亡くなった当時、追悼のコメントをされていました。
今季ユ・ヨンの青いFS「エビータ」の衣装も、この方だと予想しているのですが、どうでしょう?
안규미 ahn geu mi
web site
参考記事1 参考記事2 参考記事3
〜そのほか〜
キム・イェリムの今季EX「One Day I'll Fly Away」の赤い衣装は、新体操の衣装を作っているデザイナー『eun sun Yoon』さんが手がけています。
↓デザイナーさんのインスタには制作過程も載っている模様。
ほんとに韓国はいま若手のデザイナーさんが沢山いますね〜。
続きはその2で。
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