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クリモワ&ポノマレンコ「G線上のアリア」はじつは練習着だった!?じゃあ本当の衣装はどういうの?
いきなり衣装の話じゃないんですが、
私がアイスダンスに嵌ったきっかけは、小さい頃に見たクリポノの「G線上のアリア」でした。
親がスケートが好きで、幼い私はよく付き合って見ていたんですが、アルベールビル五輪のクリポノのFDは
なんか解らんけど、いま自分はとんでもないものを見てる〜〜!!!!
という衝撃を受けたのを今でも覚えています。
解説の五十嵐文男さんが声を震わせながら
「もう解説のしようがないですね…すばらしいですよ…!」
「本当ににここまで芸術的なものがアイスダンスにあるのか」
と感極まっていたのも
「テレビの人も感動して震えてる……!!すげー!!!」
と興奮に拍車をかけました。
(当時の五十嵐さんが解説していた動画)
アイスダンスって、スケートって、ルールも何も解らない子供まで感動させる何かとんでもないパワーがあるんだ。
という刷り込みが今でもフィギュアスケートを好きな真ん中にあります。
そして赤い髪をふり乱し、黒のパンツにひらひら衣装のクリモワの姿が鮮烈に残っているんです。
この衣装、実はトレーニング用のものだった
この衣装を手がけたのは、ロシアの有名衣装デザイナー『Natasha Bolshakova』さん。
クリモワ&ポノマレンコ、
グリシュク&プラトフ、
アニシナ&ペーゼラ、デロベル&シェーンフェルダー、イリーナ・スルツカヤ…数々の五輪メダル衣装を作った超人です。
↓そのBolshakovaさん、instagramに「G線上のアリア」の衣装について興味深いエピソードを載せていました。
当初はトレーニング用に作られていましたが、選手たちとコーチのタチアナ・タラソワが、この衣装を着てパフォーマンスをすることを決めました。今となっては、このプログラムの衣装が違っていたなんて考えられない。
えええ〜〜〜!!練習着だったの!?
という衝撃。
タラソワのことだから革新的なデュシネーズに対抗するため、深慮遠謀があって、このシンプルパンツスタイルにしたんだと思っていました!
練習用だからか、ベースは極限までシンプルですよね。そこがプログラムと相まってモダンで素晴らしい芸術性を高めています。
練習してて、
「あれ?これシンプルで良くね?プログラムに合ってね?」
ってなったんでしょうか。
これがセレンディピティってやつですか?
う〜〜ん神々しい。
じゃあ本番用に作られていたのは、どんな衣装だったの?
と思うんですけれど、
それはこちら↓
なんとオレンジと青です!
Bolshakovaさんのfacebookによると、本番がトレーニング着になったので、こっちはGalaの衣装になったそう。
GalaではG線の続きのようなポーズから「トスカ」を滑っています。
そしてこの衣装で「G線上のアリア」の前半パートだけ1992年のワールドEXで滑っているんです!!!うおおお!!!!見たい!!!!
↓↓↓↓↓↓
(動画の埋め込みがおかしい方はリンク先で)→https://www.youtube.com/watch?v=rHHUjx4MPHw
これは、これで……ありーーー!!!!!!!
なんか…男女感増してる…!!!!
五輪の黒グレーバージョンは個人的に『滅びゆくソビエトに向けた壮大な葬送曲』『生と死に翻弄される二人』なイメージでしたが、こっちは『男女の愛の物語』に見えます。
(しかしポノマレンコのマントは格好いいけど邪魔そうwこのマントがクリモワのひらひらに変わったのかなあ?)
衣装でこんなに変わるとは…!
衣装の力ってやっぱすげー!!
↑Bolshakovaさんのinstagramによると、この衣装はまだ振付を見ていない段階で音楽だけを聞いて振付師の考えを予想してデザインしたとのこと。へ〜。
それでここまで世界観を作っちゃうんだから、デザイナーさんのイマジネーションて素晴らしいですね。
パンツスタイルだからこそのリフトかなって思ってたけど、ドレスでも絵になるな〜。
まとめ&デザイナーさん紹介
どっちの衣装での演技も見て、個人的には黒グレーバージョンが大正解だったな。あの衣装だったからこその芸術性と荘厳さだったなって思います。
練習着をチョイスしたタラソワと選手に拍手喝采です。
みなさんはどっちが良かったですか?
このデザイナーの「Natasha Bolshakova」さん。
3年まえくらいにTwitterで紹介した時はロシア語のfacebookしかやっていなかったのですが、1、2年前くらいにinstagramを始めてfacebookで書いていた衣装エピソードを英語にして移植してくれてるので、当時の衣装が好きだった人は読むと楽しいと思います。
ジュベールの衣装の裏話とか面白かったです。
(facebookでは他のデザイナーさんへの文句とかはっちゃけてて、でもそれはinstagramへは移植されてないので自重してるんだなwって)
ポポモズのカルメン衣装はロシア「Наталия Большакова」ボリシャコワさん。有名デザイナーさんで、クリポノ、グリプラ、アニペー、デロションの名作衣装を多数作っている。4枚目の仮面手袋を提案したのもこの方だそう。→続くhttps://t.co/XnmCG0zA7U pic.twitter.com/h4NwzNl9B9
— スケ速 (@skatesoku) October 24, 2017
ダンス中心だがシングルでもイーラ、ジュベール、アブトの印象的な衣装も。さらにシンクロ競技(水泳)ではロシア代表の美しい水着を長年手がけている。我々は夏冬五輪でどれだけこの方の衣装を見ているのか…恐しい人である。
— スケ速 (@skatesoku) October 24, 2017
FBでは衣装解説もしてくれていて面白い。 pic.twitter.com/Z5UZfybi2r
主な衣装
— スケ速 (@skatesoku) October 24, 2017
イーラ:フラメンコ、トスカ
ジュベ: エンシェントランド
アブト:ラフマ
クリポノ:ポルカ、G線
グリプラ:ロックFD
アニペー:ロミジュリ、カルミナ、仮面の男ほか
デロション:フリーダ、手袋芸ほか
ドムシャバ:スパルタカス
最近はザホゲレ、ステブキのシンプル衣装も pic.twitter.com/41qCLANKor
↓アーティスティックスイミングのファンの方の評。
フィギュアの衣装製作で有名なナターリヤ・ボリシャコワは、近年ロシアシンクロの全種目で水着を手掛けている。演技中に水着が見える時間と面積は少ないので、効果的デザインが必要。全面的に信頼を寄せてくれるシンクロとの仕事はやりやすいとのこと。https://t.co/0aLJq6ciT6
— ロシア・ウクライナのアーティスティックスイミング (@RukrSynchro) July 22, 2017
現在はフィギュアよりもシンクロの衣装製作中心のナターリヤ・ボリシャコワはインタビューやFBの書き込みを見るにとても素敵な方。あくまで主役は選手なので、「その衣装素敵」と言われるより「その衣装のあなた素敵」と選手が言われないといけない。https://t.co/0aLJq6ciT6
— ロシア・ウクライナのアーティスティックスイミング (@RukrSynchro) July 22, 2017
「人形」「恐竜」「人魚」「祈り」「アマゾネス」など多くのロシアのシンクロの作品の衣装がボリシャコワによるもの。今回のシャーマンも、おそらくそう。06年チームFRの「シェヘラザード」と雰囲気が似ているので、おそらくあの時から製作していたのでは。ジュニア代表の衣装も手掛けている。
— ロシア・ウクライナのアーティスティックスイミング (@RukrSynchro) July 22, 2017
LIFEによる長編インタビュー:
2020年の最新インタビュー:
※Fs Gossipsによる英訳
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