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限界独身オタク男性がSIGMA fp用に小型ジンバルのCRANE M2 Sを買った話

ぬるぬる動いてかわいい
でも正直この規模のジンバルはどれも立ち位置が微妙かも

ジンバルって何?

この動画を見て貰えば大体わかると思う。

見てわかる通り、動画撮影時のブレを物理的に抑えるツール。加速度センサーが傾きを検知して、それぞれの軸に内蔵されているモータが補正する仕組み。

動画の後半ではカメラの向きを180度反転させて、自撮りモードにしていたりする。この機種ではできないけど、カメラの各種検出機能と連動させて自動追尾させられたりもする。

映画、ドラマ、テレビ番組の撮影に使われて……いるかどうかは知らないけど、結婚式だと式場のスタッフさんが動画撮影に使ってたりする。後はYoutuberもよく使ってる、ここ10年くらいで広まった機材。

CRANE M2 Sってどういうモデル?

概要

僕が今回買ったのはZHIYUN (ジウン) というメーカーのCRANE M2 Sというモデル。
公式の商品ページはこちら

ZHIYUNは様々なジンバルを作っているメーカーで、このCRANE M2 Sというのはミラーレス一眼が乗せられるモデルとしては最も小型なものになる。
元々はCRANE M2というモデルで、それが改良されてSが付いた。このM2をほんのちょっとパワーアップさせたモデルとして、M3というのも存在している。

ミラーレス一眼以外にも、スマホやGoProなんかも搭載できたりする。もっと大型のジンバルになるとそれに見合うカメラしか乗せられなくなるので、色んなカメラで動画を撮る人には便利かも。ただしその分大型のカメラは厳しくて、レンズにも制約がかなり出る。基本的にはAPS-Cセンサーのカメラを想定していて、フルサイズセンサーのカメラはまず無理。SIGMA fpでかなりギリギリ……。

大きさ

寸法的なところは公式で確認して貰うとして、Switchのプロコンや自分の手と一緒に写した写真をぺたり。

大きさの参考にして貰えそうなものがこれしか無かった
手で持つとこんな感じ

これを大きいと思うか小さいと思うかは人それぞれだと思うけど、スマホやコンデジ等ではなく、一眼カメラが乗るジンバルとしては非常にコンパクトなはず。それゆえ不便な点もあるけどそれはまた後ほど。

ぱっと見コンパクトだけど、形状が複雑なせいでいざカバンに入れようとするとめちゃくちゃ大きく感じる、そんな感じのサイズ(?)。

機能

基本的な補正モードやジョイスティックによる操作、背面にあるトリガーボタンでのモード切替など、ジンバルとして一般的な機能はちゃんと網羅してる。自撮りモードもあったりするけど僕は使わない……。

面白い機能として、輝度の調整が可能な撮影用ライトがある。

うおっ!まぶしっ!

輝度最低でも結構明るい。実際に使うかは分からないけど、こういうちょっとしたおまけ機能があるのは嬉しい。

そのほか、対応していればジンバルからカメラへ電源供給が出来たり、録画の開始終了と行った簡単な操作が出来たりする。

とまあそれなりに多機能ではあると思うけど、残念ながらほとんど使いこなせていない。そもそもジンバルで動画を撮る機会が全然無いからしょうがなくもあるんだけど……。もっとあれこれ動画を撮って操作に慣れないとね。

使ってみて良かったところ

コンパクトさ

上の方で「カバンに入れようとするとめちゃくちゃ大きく感じる」と書いたけど、そもそも別で専用のカバンを用意しなくても持ち運べるという時点でジンバルとしては非常にコンパクト。
ふらっと出かける時にカバンに放り込んで……ができるほどコンパクトではないけれど、ちょっとした旅行に行く時にカバンやキャリーケースに気軽に入れられるサイズなのは非常に良い。このサイズでなければ主目的が撮影でない限り、外に持ち出せなかったと思う。使用頻度を上げるという意味でコンパクトさは正義……。

普段持ち歩く時の図(大嘘)

バッテリーの持ち

めっちゃ長時間使える。カメラへの電源供給も想定してる以上当然っちゃ当然かもしれないけど……。具体的に言うと6時間以上は平気で使える。これだけ持ちが良いとバッテリー残量を意識すること無く使えるからノンストレスで最高。
一泊二日や二泊三日とかの旅行でも、ちょこちょこ撮影するくらいなら宿での充電すら要らないかも。
仮にバッテリーをかなり消費したとしても、PDに対応してるので充電が早く終わるのもありがたい。

軸ロックがある

最近のジンバルでは当然かもしれないけど、電源OFF時にプラプラ動いてしまう軸を固定するための軸ロック機能がめっちゃ良い。これが無いジンバルとかもう考えられないわ……。まあ今どきのジンバルなら軸ロックができないってことはほとんど無いのかな?

軸ロックがよくわからないという人はこの動画を見ればよくわかると思う。

使ってみて良くなかったところ

両手で持ちづらい

大きさのところでも貼ったこの写真を見ればわかるが、コンパクトさ故に両手で持てるだけの大きさが無い。

コンパクトさ故に……

立たせて置くための三脚足が付属するため、それを取り付けて折りたためば持ち手を延長させることができるが、所詮折りたたみ式の三脚足なので心もとない。
ガッツリ両手で構えたい時はしっかりとしたグリップを用意するか、他の大型ジンバルを買うかする必要がある。

折りたたみ三脚でグリップを延長した図

片手で持つには重い

1つ目の「両手で持ちづらい」とそのまま関連する話になるが、SIGMA fpを搭載すると、片手で持つのが辛い重さになってしまう。
別に両手で持てばいい話ではあるが、fpの貧弱なAFに頼らずにMFでピントを合わせてる時や、撮影しながら何かをしたい時など、片手でジンバルを構えるシチュエーションは結構多かったので時々腕が辛くなってしまった。

これはジンバルの重さだけの問題ではなく乗せているカメラの重さも関係するので、もっと小型で軽量のカメラやスマホ等を乗せた場合はそんなに気にならないかもしれない。

そもそも筋肉つければいいのでは?

ちなみに、実際の重量は以下の通り。
 ジンバル本体の重量:549g
 カメラ本体の重量:422g (バッテリー、SDカード込み)
 レンズの重量:215g (45mm F2.8の重さ)
 合計:1,186g

カメラを付けたり外したりするのが面倒

動画を撮るためにカメラをジンバルに取り付ける、動画を撮り終えたのでジンバルからカメラを取り外す。これらの作業が思いの外面倒だった。
ただこれは自分の都合の面が大きいので、普通は気にならないかもしれない。

カメラをジンバルに取り付ける際はこのようなプレートをカメラに取り付けて、このプレートをジンバルにハメ込むという形になる。なので、このプレートをカメラにつけっぱなしにしておけば付け外しは凄く楽になるわけだけど……プレート分の厚みが増えることでカメラがバッグに入らなくなってしまうので、付けっぱなしにすることができない。

カメラ取り付け用プレート
これをカメラに付けっぱなしにできればジンバルへの取り付けが楽になるんだけど……
このプレートをこうやってジンバルに取り付ける

また、ジンバルにカメラを乗せる時はバランス取りというのをする必要があり、これも面倒くさい。要は、カメラの重心にジンバルの軸が来るように搭載位置を微調整する作業で、これを行わないとモータの負荷が増えてバッテリーの減りが早まったり、最悪の場合はモータの出力が足りずにカメラが傾いてしまったりする。
とは言え、毎回同じ位置にカメラを取り付けられる構造になっているため、(カメラやレンズを変えない限りは)付け外しの度にバランスを取る必要はなくなるのだが……(次項に続く

バランスを取った後は折りたためない

残念なことに、SIGMA fpに合わせてバランスを取ると、伸びたアームが干渉してコンパクトな状態にたたむことができなくなってしまう。以下の動画を参照のこと。

ジンバルからカメラを外す時は当然ジンバルが不要になるタイミングで、不要になるということはカバンに仕舞いたい状況ということなのでジンバルをたたむ必要があり、結果として付け外しの度にバランス取りが必要な状態になってしまう。

あくまでSIGMA fpを乗せる場合の話なのでスマホやアクションカメラ、あるいは軽量なコンデジ等を乗せる場合は問題ないかもしれない。でも僕と同じようにSIGMA fpを乗せようと考えてる場合や、APS-Cのミラーレス一眼を乗せようと考えてる人はこうなる可能性を考えておいたほうがいいかも。

ストラップ穴が小さい

そこまで気にすることでも無いかもしれないけど、本体下部のストラップ穴が小さくてPeak designのアンカーが通せなかった。結局適当なリングを入れて、そこにアンカーを通すことになった。まあ対処できたのでヨシ!

ここにアンカーの紐を通せなかったので、金属リングを取り付けた

収納バッグが付属しない

パッケージがそのまま保管用の箱として使えるけど、持ち歩く用の収納バッグが付属しないのが不便。メインのバッグには入れたくない時もあるので、何らかの収納バッグが付属してくれると嬉しかった。まあその場合は値段も上がると思うけど……。

特に不満がなく、特に言及しようとも思わなかったところ

ジンバルとしての性能

重さに耐えられずに傾いてしまったり、バランスが取れずにガタガタ振動したりということもなく、普通に使えた。不満に思うことはなく、期待した通りの働きだったので特に良かったと言及するまでもなく。

カメラとの連携機能

カメラとジンバルをUSB接続することでカメラへの給電ができたり、録画の開始/停止等のカメラ操作ができたりするが、SIGMA fpはいずれにも対応していなかったため使うことはなかった。元々期待してなかった上に使ってもいないので特に言及せず。

本体の質感

めっちゃいい!というわけではないが、そこそこいい感じの質感かなと思った。値段なり?とは言え、他に触ったことがあるジンバルは1つだけだし、この辺の感覚は人によって結構異なるはずなので言及せず。気になる人は実店舗で扱ってるところを探して触って。

終わりに(あるいは、立ち位置が微妙とは?)

良いところも悪いところも、結局このサイズ感に起因している。持ち運んで気軽に撮るには大きすぎるし、きちんとした作品作りに使うには小さい。

バッグの隙間に放り込んでちょっとした時に動画撮影したいならスマホやアクションカメラを乗せられる小型のジンバルや、ジンバルと一体化したカメラを使えばいいし、しっかりした映像作品を作りたいならもっと大型のジンバルを使えばホールド性も上がるし、もっと重いカメラやレンズも使える。

つまるところ、立ち位置が中途半端になってしまっているということ。まあ、「僕にとっては」ではあるけど……。

このサイズのジンバルがベストマッチする人も居ると思う。例えば旅先の動画をミラーレス一眼の高品質な絵で撮りたいけど荷物は可能な限り小さく軽くしたい、という人や、人を撮るから相手に威圧感を与えないようにするために小型のものが欲しいという人、狭い場所や人が多い場所で使うから取り回しやすいものが欲しい、他にもできるだけ安価なジンバルが欲しいみたいな人には合ってると思う。

ジンバルに限った話では無いけれど、自分がやりたいこと、自分に必要なものがどういうものなのかをよく考えた上で選んで欲しい。

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