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限界独身オタク男性がロータスの初代エリーゼを買った話

エリーゼってまさしく限界独身オタク男性のためにあるようなクルマだと思ってたのに、意外とオーナーに既婚者が居て納得行かない。

ロータス・エリーゼ(初代)とは

エリーゼがどんなクルマなのかの説明項のため、既に知ってる人は読み飛ばして欲しい。

文章は読み飛ばしていいけど写真は見てって

私と同世代(2022年2月現在31歳)の人だとクルマ好きでも知らない人が居て当然なくらい知名度が低いが、私の親世代(60~70歳くらい?)の人にとっては「サーキットの狼」の主人公が乗ってたクルマのメーカーとして非常に知名度が高い、ロータスという会社が1995年に発表した超ライトウェイトスポーツカーがエリーゼというクルマ。

ちなみに、我々世代では知名度が低いと言ったが、誰もがどこかで一度くらいは見たことがあるであろうこのクルマも実はロータスという会社が作ったもの。

今は権利を譲渡されたケータハムという会社が作っている。権利絡みで色々あったので他にもバーキンとかドンカーブートとかいう会社で作られたものもある。写真のこれはバーキン製。

それはさておき、エリーゼがどんなクルマだったかと言うと、上で書いた通り超ライトウェイトなクルマで、その重量はなんと690kg!(※初期モデルの重量)
現在の軽自動車は勿論、当時の軽自動車よりも軽量だった。私が前に乗っていたスズキの旧規格の軽自動車であるカプチーノは、車重700kgであり、それよりも軽い普通自動車、ということになる。

そんな軽量な車体に1800ccのエンジンを横置きでリアミッドに搭載し、2シーターで、屋根も開くオープンカーというのがエリーゼだ。

幌屋根はオープンカーの証

どうしてここまで軽く作れたかと言うと、その秘密はシャーシとボディにある。エリーゼのメインフレームは全てアルミで構成されており、その上溶接ではなく接着剤で固定されている。この接着剤は航空機にも使用される強力なもので、接着剤よりも先にアルミの方が破断するレベルだとかなんとか。
更にバスタブの様な形状(通称バスタブフレーム)にすることで、フレーム単体重量がたったの68kgなのにも関わらず、強靭な剛性を確保している。なお乗員の乗降性が犠牲になった模様。

フレームがバスタブの様な形状をしているので、それこそバスタブに入る時の様にこのクソ高いサイドシルを乗り越えないと乗り降りが出来ない。

そんな軽量フレームに被せるボディはオールFRP製。剛性はフレームで確保してボディは本当に被せてるだけと言った感じなので、ボディというよりはカウルと言った方が近いかもしれない。四輪バイクかな?
搭載するエンジンも補機類込みで100kgを切る超軽量なローバー製18Kシリーズ。これで軽く仕上がらないわけがない。

ローバー製エンジン。赤色のプラグホールカバーがかっこいい。

ボディサイズは
  全長:3734mm
  全幅:1703mm
  全高:1148mm
となっているが、初代エリーゼに関しては登録時の測定誤差で5ナンバーになる場合があったらしい。いやあったらしいというか私の車両は5ナンバーなのだが。
非常にコンパクトだが、今まで旧規格の軽自動車に乗っていた身からすると狭い道や狭い駐車場では若干持て余し気味……。

ホイールベースは2300mmで、カプチーノと比べると流石に長いけどスポーツカーとして見ると短い方。フィアットやアバルトの現行チンクエチェントが同じ2300mmだと考えるとやっぱり短い。

軽量化のためなのか、設計上の制約なのか、はたまた運転フィーリングのためなのか、以下に並べた快適装備や安全装備が省かれている。
 ・パワーステアリング
 ・パワーウィンドウ
 ・クーラー
 ・ABS
 ・エアバッグ
 ・ブレーキの倍力装置

内装も簡素オブ簡素で、基本的にはバスタブフレームそのまま。ダッシュボードにはグローブボックスもなく、ドリンクホルダーだって当然の様に無し。
吸音材だってあるわけないので、車両のあちこちで鳴っている様々な音を余すことなく味わえる。

運転席側はフルバケシートが入ってるのでともかくとして、助手席の純正シートは笑っちゃうほど薄く、申し訳程度のクッションが詰められている程度。リクライニングしないどころか前後の位置調整すら存在しない。

薄っぺらいシートだけどこれでも運転席のフルバケよりマシ

全体的に乗員の快適性を考えられていないが、実際に乗ってみると思ってたよりも遥かに快適だった。こういうクルマに興味を持つ人なら余裕で耐えられるレベルでしょう……。

何故エリーゼを買おうと思ったか

車重が軽量だったから。買おうと思ったきっかけは本当にそれだけだった。

前に乗っていたカプチーノの何度目かの車検で、ドラシャのブーツだかなんかが破けていて交換したのだが、その時に「次壊れたら部品が出ないかも」と言われたのをきっかけに、次に乗るクルマのことを考える様になった。当時の私は運転の楽しさというものが車重によって決まると信じていたため、部品が出る出来るだけ最近のクルマで、カプチーノ並とまでは言わなくても出来るだけ軽量なモデルを探したが……NDロードスターが1000kgで軽いだの、86が1200kgで軽いだの、そんな情報しか出てこなかった。

ちなみにNDロードスターは友人が所有していたので運転させて貰ったことがある。オープンカーとしての出来が非常に良かったが、求めてたクルマでは無かった。実はNAも運転したことがあるが、こちらも同様

そんな中目についたのがエリーゼというクルマで、調べてみるとどうやら凄く軽いクルマらしいことが分かった。初代モデルはカプチーノとほぼ同じ車重、重くなった現行モデルでも900kgを下回るグレードがあるなど、まさに自分が求めてるものにピッタリだった。

初代エリーゼを購入した経緯

こりゃいいや!と思って値段を調べてみると、なんと新車で600万超え。中古でも安くて400万後半と、当時年収が300万円前後だった身からすると到底無理な価格だった。
それでも日々節約して暮らし、何年も掛けて貯金をすれば400万円くらいだったらどうにかこうにか買えるんじゃないかと考え、今後走行距離が伸びた個体が400万前後で販売されることに期待して貯金を始めた。

とは言え年収300万だと流石に厳しかったため、転職して年収を100万円ほどアップさせて上がった分を全部貯金に回して、「後2年もしたら400万貯まるな~」とかのほほんと考えていたらまさかのエリーゼ生産終了が発表。何年か前から次期モデルが出るとの噂が流れていたので、そっちへ移行するのかなと思っていたらまさかの後継モデル無し……。

それがキッカケで価格がどんどん高騰していき、相場が100万円ほど上がったところで現行モデルの購入を諦めた。

「貯金してる間にGRヤリスとかGR86とか出てきたし、NDロードスターだって良いし新型Zも控えてるし、エリーゼは諦めて国産車買うか!」とか言って迷走してた時期もあったが、結局エリーゼのことが諦めきれなかった。
そこで、現行型ほど価格が高騰していない2代目(以下S2)エリーゼに狙いを定めた。こちらは状態にもよるが350万円くらいから存在していたため、どうにか買えそうだったのだ。なぜ最初からS2にしなかったのかと言うと、若干古かった(2003年~2011年)からと、見た目が現行の3代目(以下S3)と比べると好みじゃなかったからである。

そんなわけで、付き合いのある地元のクルマ屋にS2エリーゼの調達を依頼しつつも、自分でカーセンサーやらを巡回して良さげな個体を探す日々を送っていたが、中々良さげなものが出てこない。そんなある日、クルマ屋から「初代エリーゼなら良さそうなのが調達出来そうですけどどうします?」と連絡があった。後述するが、初代エリーゼには色々と心配な点があるのもあって若干悩んだが、S2よりも価格が安かったのとやはり歴代最軽量という魅力に負けて購入意思を伝えるに至った。「部品が出る出来るだけ最近のクルマで」という当初の目的を失った瞬間である。一応、「サードパーティ製のパーツが沢山あるからまだまだ維持出来る」という言い訳は用意してあったが……。

そうして購入した車両がこのエリーゼ……とはならなかった。タッチの差で、他の人(他の店?)に買われてしまったのだ。それはもうめちゃくちゃ悔しかった。もうすっかり買えた気になって色々と妄想したりしていたので、たっぷり2週間は引きずった。

まあそんなこんなで初代エリーゼを探す日々が始まったわけだが、これが中々見つからない。ちょっと前までゴロゴロしていた気がするのに、価格高騰に合わせて買われていったのか全然見つからない。たまに出てきても無駄に(?)状態が良い個体ばかりで、どれも完全に予算オーバー。しまいにはホンダエンジンに載せ替えられた700万円の個体まで出てくる始末。2ヶ月ほど探しても買えそうな個体が見つからなかったので、こりゃいよいよ諦めなきゃダメかなあ……と思っていたところ、クルマ屋から連絡が。

「走行距離が15万キロ近い個体が調達出来そうですけどどうします?」

15万キロ!?流石の走行距離にビビったが、冷静に考えると意外とアリなのではと思った。そもそも初代エリーゼというのは故障が多いことで有名なクルマなのだが、各種対策部品も出ていて、交換されている個体も多い。15万キロも走っているということは大概のトラブルは出尽くしているはず。純正部品への交換だとまた再発する恐れがあるが、15万キロも走ってきた車両に対策部品を入れない可能性は低い。そして普通のモノコックボディのクルマは15万キロも走るとボディがヤレて剛性がヨレヨレになってしまうが(13万キロ走ったカプチーノはヨレヨレだった)アルミのバスタブシャーシであるエリーゼは比較的ヤレづらく、剛性を保っているはず。どうせ20年以上前の車両なんだから走行距離が短くてもなんかしらのトラブルは出るわけで……。下手に数万キロの車両を買うよりも幸せになれるのでは?と思ったのだ。

全て予想(あるいは妄想)でしか無かったが、そう的外れでも無いのでは?と思って購入の意志をクルマ屋に伝えた。今度こそ無事に購入できて手元に届いたわけだが、これが大正解だったことが分かった。

購入した個体について

なぜこの個体が大正解だったのか?という話をする前に、購入した車両のスペックを書いていきたい。

基本情報

写真だと15万キロ走ったクルマには見えないな……
  • 年式:2000年製

  • 走行距離:92,626マイル(149,128km)

  • グレード:Sport 160

  • ボディカラー:シルバー(再塗装)

  • 右ハンドル

カスタム内容

OMPステアリングの黄色いラインがにくい。あとシフトノブが何故かラリーアート

手を入れてある箇所が多過ぎる上に把握出来ていないものもあるため、判明しているものの内、細か過ぎないものに限って記載していく。

  • エンジンをVVCに載せ替え

  • 水冷式オイルクーラー(詳細未確認)

  • クーラントサブタンクがWOTYSPEED製

  • エアクリがエリパー製

  • エキマニがJANSPEED製

  • 機械式LSD(詳細未確認)

  • サスペンションがNITORON製

  • 燃料タンクがPROALLOY製

  • クイックシフター(多分……自信無し)

  • 軽量フライホイール(多分……自信無し)

  • クイックリリースがWorks Bell製

  • ステアリングがOMP製

  • バケットシートがBRIDE

  • ヒーターレス

  • 油温計

  • 水温計

  • 前後ディフューザー

その他細かいところがあちこち変更されてるが割愛

本当にカスタム箇所が多く、未だに全貌を把握し切れていない。ここまでされていると「自分でいじる楽しみが……」という人も居るかもしれないが、お金が無い身としてはキッチリ仕上げられてるのはメリットでしかないので何も問題ない。

初代エリーゼに詳しい方はエンジンを見てアレッ?と思ったかもしれない。エリーゼのエンジンは、ベースグレードの111に載っているのが18K4Fというもので、大体120馬力くらい。上位グレードの111Sに載っているのが18K4Kという可変バルブタイミング機構(VVC)付きのもので、大体150馬力くらい。その上のグレードに当たるSport 160には可変バルブタイミング機構を外してより高回転仕様にして160馬力出すエンジンが搭載されているのだが、この車両はVVCエンジンに載せ替えられていた。残念ポイントかもしれないが、多分公道を走らせる分にはVVCエンジンの方が扱いやすいはずなので、ここはヨシとしたい。

きらめくVVCの文字

エリーゼを買ったことは一夜の過ちかもしれないが、エリーゼに乗ることは毎晩大正解だ

毎晩大正解って言いたかっただけ。限界独身オタク男性的には一夜の過ちも毎晩大正解もどっちも出来ないんだよなあ……。

さて、どうしてこの個体が大正解だったかだが、理由は簡単で仕上げたショップとある程度の来歴が分かり、その内容が非常に良かったというだけ。

調達が完了してクルマ屋に届いた際に、契約がてら実車を見に行ったのだが何か妙に見覚えのある内装だったので記憶をひっくり返したところ、とあるショップで委託販売として出されていた車両だと言うことを思い出した。初代エリーゼを探し始めた時よりちょっと前に売りに出された車両で、もうとっくに売れたものだとばかり思っていて問い合わせすらしていなかった奴だ。そんな車両がどうしてここに……?と思いつつもショップのブログを見返したところ、どんなカスタムが施されているかや、どんな来歴だったかがある程度分かった。エンジンブローを2回起こしていて2回ともエンジンの載せ替えになったことが分かった時は流石に笑ってしまったが。

これは実車を見に行った際にTwitterに上げるために調子に乗って撮った写真

そのショップは小規模ながら非常に評判が良く、メカニックの腕も良いらしい。エンジンも載せ替える前にオーバーホールしたらしく、めちゃくちゃ調子が良いので腕が良いのは確かだと思う。全体的に汚れやキズが多く、15万キロの歴史を感じさせるけど、そこ以外は15万キロとは到底思えないほど調子が良いので本当に大正解だったと思う。いやでも本当になんでそんな車両がここに……?

幸い、そのショップは自宅から通えなくもない場所にあるみたいなので、近い内にオイル交換がてらこの車両の話を聞きに行ってみようと思っている。出来ることならそのまま面倒を見て貰いたいが、どうなることやら。

走行インプレ

乗った感じ、実際どうなのよ?という話

冬の碓氷峠。ちゃんとスタッドレス履いてます。ネオバより高かった

軽さについて

すごい軽さを感じる。今までにない何か熱い軽さを。
重量・・・なんだろう減ってきてる確実に、着実に、軽いほうに。
中途半端はやめよう、とにかく最後までやってやろうじゃん。
日本の道の向こうには沢山の仲間がいる。決して一人じゃない。
信じよう。そしてともに戦おう。
ハイパワー車や4WD車の邪魔は入るだろうけど、絶対に流されるなよ。

という昔流行ったコピペの改変を貼りたくなるくらい、最初に感じたのは軽さだった。車重は以前乗っていたカプチーノと変わらないため、厳密に言えば感じたのは軽さではないはずだが、体感としてはとにかく軽さを覚えたのだ。

そう感じた理由としては、1800ccというカプチーノの約2.73倍にもなる超大排気量から来る低速トルクと、圧倒的剛性感を誇るアルミのバスタブフレームからなる出足の軽やかさだろう。勿論、車重の軽さが前提であることは言うまでも無い。

前の車両が同車重のカプチーノということで本来なら最大の特徴である軽さを感じずに、どうしてもこの1800ccというクソデカ排気量(軽自動車比)や高剛性アルミバスタブフレームの恩恵ばかりを感じてしまうがそこは許して欲しい。それくらいこの2つを意識してしまうことが多い。

エンジンについて

まずはエンジンについて話をして行こうと思う。

前に乗っていたカプチーノは元々低速トルクが少ないエンジンを積んでいたが、F111キットを入れた影響か更に低速トルクが少ない特性になってしまっていた。3速以上では2500rpmくらいは最低でも回していないと踏んでも加速しないとかいう状況だった。逆に3500rpmも回してやればそこからはちゃんとスポーツカーらしい加速をしてくれたが……。

それに対してエリーゼのエンジンは1800ccもある上に元々が実用車向けのエンジンであるため、低速トルクは十分。なんならアクセルを煽らなくても発進出来そうな気がしてくる。どのギアに入れていようとも1500rpm回っていれば問題無し。カプチーノは街乗りでも頻繁にギアを変えないとろくに走れなかったが、エリーゼはとにかく楽。おかしい、スパルタンなクルマを買ったはずなのにこんなに楽で良いのか……?

トルクとパワーが特別高いわけではないが、そこは軽さでカバー。素人的には怖いくらいの加速をしてくれる。また、この車両に乗ってるエンジンは可変バルブタイミング機構(VVC)付きであるため、上まで回してもトルクが落ちることなく回りきってくれる(VVC非搭載の18K4Fエンジンだと5000rpmを超えた辺りからトルクが落ちてくるらしい)。スムーズに上まで回ってくれる……とまでは言えないかもしれないが、カプチーノと比べると全域に渡ってストレスを感じることが無いのでもう最高だ。もっとも、そのVVCが稼働するところまでエンジンを回すことは稀なのだが。

高剛性アルミバスタブフレームについて

次はフレーム……というより剛性の話をしていく。正確には私が「これは剛性が高いのが理由だろうなあ」と想像(妄想?)している話だが。

全ての挙動がワンテンポ早く、そして安定している。主にはカプチーノと比べての話になるが、前に乗らせて貰ったWRXを始めとした(ボディ剛性が死んでない)他のクルマも多かれ少なかれ似た感じを持っていたので、高剛性ボディに由来するものだと思う。剛性が終わったボディだと、加速減速横G……とにかく様々な”力”が車体に加わった際に、ボディが曲がってその力をある程度吸収するというタイムラグの後に車両の挙動が変化し始めるが、剛性が高いとボディの曲がりが僅かになるため、その分車両の挙動の変化が早まる……ということだと思う。その曲がったボディが戻る際の挙動の乱れも少ないと言うわけだ。

また、段差等を乗り越えた際の突き上げが非常に強いが、これも高剛性フレームが原因だと考えている。サスペンションが交換されているというのも理由のひとつだとは思うが、脚自体は非常にしなやかに動いている様に感じる。つまりそんなにガチガチな脚ではない。それなのに突き上げを強く感じるということは、やはりフレームが原因だろう。剛性が低いと突き上げの衝撃をボディが曲がることで吸収してしまい、感じることが出来なくなってしまうが、剛性が高いとそういうことがなくなって突き上げを強く感じてしまうということだと思う。カプチーノにドアスタビライザーを入れてボディ剛性を高めた際も同様に突き上げが強くなったので、そこまで的外れでも無いはず。

ハンドリング

By LOTUS.

ホーンボタンがかっこよすぎる

流石ロータスと言ったところで、ハンドリングはめちゃくちゃ良い。コーナリングが最高に気持ちいい。重いステアリングで路面を感じながら切り込んで行き、クリップを超えたらハンドルを戻しつつアクセルを踏んで脱出……が決まるともう堪らない。全ての道がコーナーだらけになるといいのに。

ただし運転が難しく、「意のままに操れる」とか「オンザレールで曲がれる」みたいなことを言える様になるのはもうちょっと先だと思う。慣れの問題なのか、スタッドレスタイヤだからなのかは分からないが初期舵角をミスって切り過ぎになったり切り足りなかったりすることがたまにある。そこさえ乗り越えれば後はかなり自由自在に走れるんだが。

FRであるカプチーノと違って、エンジンが後ろにあることによる挙動の違いは確かにあったがすぐに慣れた。最初は「うわなんかフロントが軽い!気持ち悪!こればっかりはFRのカプチーノの挙動の方が気持ち良かったわ……」とか言ってた覚えがあるけど多分気のせいだろう。慣れってすごいね。

また、カプチーノより広いトレッドと下げてある車高が効いているんだと思うが、とにかくロール量が少ない。バケットシートと相まってコーナリング時に身体を支える必要が無いのが非常に楽で良い。カプチーノではちょっと速度を乗せた状態で曲がろうとすると脚と首で踏ん張って横Gに耐える必要があったが、エリーゼでは鼻歌まじりに曲がっていける。おかしい、スパルタンなクルマを買ったはずなのにこんなに楽でいいのか……?(2回目)

購入前に危惧していた点と実際はどうだったか

初代は色々怖かった

納車翌日のエリーゼくん。この後スタッドレスに履き替えて山に向かった

初代を購入するに辺り、ちょっと怖いな~と思っていたことが何点かあったため、何を危惧していたかと買ってみてどうだったのかについて書いていく。

スピンしやすい

エリーゼは軽量MRのため、一度リアタイヤが滑り出すとあっという間にスピンモードに入ってしまう。更にリアタイヤ自体も滑りやすいらしく「ブレーキ引きずったまま曲がろうとしたらスピンした」とか「ウェット路面だから大人しく走ってたのにコーナーでスピンした」みたいな話を聞いたことがあり、それはもうめちゃくちゃビビっていた。一方で「一般道じゃ限界が全く見えない」という話を聞いたり「一般道でスピンするのは速度の出し過ぎか変なタイヤを使ってるかのどっちかだよ」という意見もあったりした。そこでYouTubeでサーキットや峠の走行動画を見てみたところ、(タイヤの性能等もあるだろうけど)私の想定よりも圧倒的に高い速度でコーナーに突っ込んでも滑る気配すら見せてなかったため、これなら大丈夫かな?と判断した。

実際に乗ってみた結果だが、私の運転ではスピンのスの字も心配する必要が無いことが分かった。山で気持ち良く走る程度であれば、スタッドレスタイヤであっても限界のげの字も見えず、とにかく安心して走ることが出来た。脚が純正からNITORON製に変わってる影響もあるかもしれないが、この速度域なら純正でもそう大きくは変わらなかったのでは?と思う。ダンパーが抜けていないことが前提だが。

最も、ウェット路面ではかなり気をつけて走っていたし、タイヤもスタッドレスなので今後夏を迎えてネオバを履いている時に雨の中走ったら簡単にスピンしてしまった、とか、タイヤが3年目を迎えて「そろそろ履き替えないとな~」と思い始めたらスピンしてしまった、とかは有り得ると思うので、今後も気を抜かずに乗っていきたい。

ブレーキがノンアシスト

世の中のクルマはよっぽど気合の入ったモデル以外はブレーキに倍力装置というものが着いている。これはブレーキペダルが踏まれた際にブレーキを掛ける力をアシストするもので、これがあるおかげで軽い力で踏んでもちゃんとクルマが止まる様になっている。

初代エリーゼは数少ないよっぽど気合の入ったモデルのため、この倍力装置というものが装着されていない。倍力装置というのは軽い力でブレーキを掛けられる代償として、ブレーキの細かい掛け具合の調整がしづらいという問題がある。初代エリーゼはこれを嫌って倍力装置を搭載していないのではないか?と言われていたりする。サーキットとかを走ることを考えると確かにその方が良いのかもしれないが、一般道を走る上ではそれってどうなの?踏力が足りないと止まれなかったりしない?と思ってかなりビビっていた。ブログ等でブレーキに関する情報を仕入れたところ「踏み始めは掛かりが弱くてビビるが、そこから踏み込んで行けば問題無し」「エリーゼは軽いから踏めば普通に止まる」「ノンアシストブレーキの感触は神」みたいな内容が多かった。本当に大丈夫か?と思ったものの「ブレーキが効かなくてやばい」みたいな声は全く無かったため、案外なんとかなるのか?と半信半疑ながらも大丈夫だろうと思うことにした。

実際に乗ってみた結果だが、倍力装置付きのブレーキと同じ感覚で踏むと全然止まらなくてビビるものの、そこからグッと踏み込むとカッチリとした感触とともに制動力が立ち上がってあっさりとクルマを止めることが出来た。もう全てに置いてネットに書かれてることが正しかった。まさか倍力装置無しのブレーキの感触がこんなに良いとは……勿論制動力のコントロールもしやすいし、急ブレーキだって問題なかった。ABSが無いのでそこだけは注意だが。

ただし、ブレーキローターやブレーキパッドを変えたりした場合は感触が大きく変わりそうな気がしているので、そこは慎重に行おうと考えている。

雨漏り

初代はめっちゃ雨漏りします。諦めよう。

こんな隙間や
あんな隙間が

エリーゼは世代を問わず雨漏りとセットみたいなところがあるが、S2やS3に比べて初代は特に雨漏りが酷いという印象だった。S2やS3は雨漏りするにしても長時間雨の中を走ると僅かに滴る程度だったり、ちょっとの対策で根絶出来るレベルのようだったが、初代はダバダバ水が垂れてきたり対策を頑張ってもどこかから漏れてくる、みたいなイメージがあった。

とは言えカプチーノだって僅かながら雨漏りはあったし、濡れて困る様なモノや人を乗せる予定も無かったので、「雨漏りは軽症だと良いな~」と思う程度で特に気にしては居なかった。

まだ雨天走行をしてないので実際に雨漏りするかどうかは確かめられてないが、洗車のために水を掛けたらめちゃくちゃ車内に侵入してたのでどう考えても雨漏りはするはず。まあ「屋根とドアが付いてるだけ良いと思え」みたいなノリのクルマだし、雨漏りすると分かっていれば吸水性の良いタオル等を準備しておくだけなので、今の所は特に問題視していない。

とは言え、雨漏りしないに越したことはないのでその内対策方法を考えたいな~とは思っている。良い方法知ってる人が居たら教えて下さい。

故障と修理費

すぐに故障するとか、修理費が高いとか、そういうことを聞いていたので凄くビビっているが、こればっかりはその時が来ないと分からないので今の所はノーコメント。それなりに重大な故障が起きたらまたnoteで報告すると思う。

今後の予定

取り敢えずは春に向けてネオバへの履き替えをしないと始まらない。

その後はこの車両を仕上げたショップに持ち込んでオイル交換がてら話を聞いて、今後のメンテや車検等の相談をする……というところか。
なんかいい感じのシフターがまだ作られてるみたいなので、それを導入したりだとか、今着けてる間に合わせのスマホホルダーじゃなくてもっとかっこいいやつを装着したりだとか、やりたいことは色々あるけれどカスタムもそこそこにしてあちこちに走りに行きたい。

GWにはビーナスラインに行く予定なので、もし予定が合えば同じエリーゼ乗りの人やロータス乗りの人と会ってみたりしたいかな?

まとめ

カプチーノの次に乗るクルマとしては最高だった。むしろここまでしないと満足出来ないカプチーノくんが優秀過ぎたのかもしれない。もし今カプチーノに乗っていて、次に乗るクルマを考えてる人が居たら(初代に限らず)エリーゼをオススメします。初代以外乗ったこと無いけど。

写真

本文中に貼れなかった写真をここで供養します。

お尻……たまらん
どこから見てもかっこいい
ライトウェイト3兄弟

おまけのおまけで排気音動画も

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