【メモ】データイーストのゲーム開発者名

TAD社開発の『カベール』のことを調べていたところ

東京地方裁判所 昭和63年(ワ)18621号 判決

というページがヒットしました。内容は
データイースト社社長であった福田哲夫氏が、同社を辞めてTAD社社長になった横山忠氏を業務放棄と社員引き抜きで訴えた
というものです(と私は理解しました)。

ここにデータイースト社のゲームと『カベール』を開発した人の名前が出ていたので、該当部分を引用してみます。

伏木巌は、原告在籍中、「カルノフ」の原案を作成した

北原春樹は、原告在籍中、「ウェスタンエキスプレス」の原案を制作した

小浜大介は、原告在籍中、「シュートアウト」のソフトウェアを制作した

北原春樹及び伏木巌は、ゲームの原案を企画、考案する担当者であった

小浜大介は、ゲームをソフトウェア化する担当者であった

北原ら三名が訴外会社に入社したこと及び訴外会社が昭和六三年九月ゲーム名「カベール」を発売したことは認め

ということでした。

ここに出てくる人名で検索すると、データイースト/TADに所属していた佐久間晶さんが言及している情報がいくつかヒットしました。

将来的に該当Tweetが消える可能性を考慮して引用させてもらうと

デコの海外部長だった横山忠が社長、これに加え
・北原春樹:企画、ウエスタンエクスプレス
・伏木巌:企画、シュートアウト、カルノフ
・小浜大介:プログラマー、グレイプロップ、シュートアウト
・青木司:企画&プログラム、ブレイウッド
・西澤孝:プログラム、魔境戦士
らが創立メンバーです。敬称略

https://twitter.com/m394YUN/status/1383419910294892545

佐久間さんは以下サイトでもコメントをされていました。
「野村電機」と「データイースト」の謎​

1983年~88年にデータイーストに勤務していた佐久間と申します。
ZAVIGA/B-WINGS、ラストミッション、オスカー等に関わりました。

「ラッパッパ」の企画(ゲームデザイナー)は、「ロックンチェイス」「ハンバーガー」「zaviga/b-Wings」等、多くの作品を手がけられた「権藤裕二」さんです。

以下Wikipediaからの引用となりますが、TAD社からリリースされた『JuJu伝説』の開発スタッフです。太字の人名は上記判決に出てくる、もしくは佐久間さん自身及び佐久間さんが言及している元データイーストスタッフです。
JuJu伝説 - Wikipedia

デザイナー
北原春樹

プログラマー
佐久間明
西澤孝
青木司

音楽
あおきゆうさく
北原幸憩

美術
かきうちひろ
藤咲淳一
松原順

https://ja.wikipedia.org/wiki/JuJu%E4%BC%9D%E8%AA%AC

(*この情報は引用元が不明なので正確度は不明です)


*2022/04/16追記
『JuJu伝説』のスタッフについて調べ直したら佐久間さんがtweetしていました。

野球格闘リーグマン』の企画原案者であるDrew Maniscalcoさんの名前もあります。


TADには元データイースト社員が多かったことがわかります。
北原幸憩さんも元データイーストで、『トライアウト』、『ラストミッション』等の作曲もされています。
北原さんは後に『ウルトラマン倶楽部』、『メルヴィルの炎』等の作曲をしているので、TAD社の後は飯野賢治さんも所属していたことがあるインターリンク社に行ったようです(フリー等での契約の可能性もありますが)。

ちなみに藤咲淳一さんは現在脚本家等で活躍されていますが(押井塾出身)、TwitterでTAD時代に作成した企画書を投稿していました。


以下余談。
1)
上記の判決には後のミッチェル社代表取締役である尾崎ロイさんの名前も出ています。以下は尾崎さんと『ストライダー飛竜』や『鈴木爆発』などの企画者である四井浩一さんのインタビュー動画。

2)
Game Machine 1988年4月1日 第329号(*PDF)の2ページに横山忠さん、尾崎ロイさんが一緒に写っている写真が掲載されています。
判決文によると横山さんのデータイースト退職は

一九八七年三月一〇日をもって退職する

とあるので、(出版までのラグ等ありますが)デコ退職から約1年後に撮影されたものだと思われます。


*2021/07/18追記

第314回 アーケードアーカイバー ダーウィン4078スペシャル!

にて佐久間さんと『ダーウィン4078』の企画、作曲などを行った古川ともさんがコメントをしていました。古川さんのブログでもこの件について言及があります(ブログ中には『ダーウィン4078』についての言及もあります、その1その2)。

古川さんは『ダーウィン4078』で作曲もされているのですが、社内からのプレッシャーで構想とは違った曲になってしまったようです。もともとは『ゼビウス』のようなミニマルテクノ的なモノを目指していたのかな?
以下の動画は古川さんによる『ダーウィン4078』のセルフアレンジです。

ちなみに佐久間さんは

第312回 アーケードアーカイバー 雷電スペシャル!

でもコメントをしていました。

「TAD社の基板はセイブ開発による設計」
というつながりがあったそうです。

セイブ開発の濱田社長は
第312回 アーケードアーカイバー 雷電スペシャル!

では声だけの出演でしたが、こちらの記念写真でお顔を見ることができます。佐久間さんが濱田社長を「豪快で気さく」と評していますが、このアーケードアーカイバーでのトークもまさにそうでした。

佐久間さんは2019年1月の

[OBSLive] 魅惑のデータイースト! デコゲーを語るスペシャルライブ放送。あそぶ!ゲーム展 ステージ3も紹介!

に出演したあたりから、積極的に当時の情報を発信するようになったようです。

【了】


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?