抗がん剤中の不思議な食欲

抗がん剤中の食事はとても大切だと思います。
かなり強い薬を入れます。がん細胞を狙い撃つ抗がん剤もあるようですが、私の使用した抗がん剤は細胞分裂が活発なものに効くタイプ、がん細胞以外の正常細胞も関係なく攻撃します。

病院の方は「食べられるものを、食べられる時に」とおっしゃいます。
何も食べられない時はそうかもしれません。
ある程度食べられる時は栄養バランスを考えた方が良い気がします。

抗がん剤を点滴した後は、気分が悪くなります。吐き気と倦怠感がありました。
大量のお薬を頂きますので、吐き気はある程度抑えることができます。
昔抗がん剤治療をした人によると、入院をして洗面器を抱えて過ごされたそうです。薬剤の進歩で、今は通院で治療を受けることができるようになってありがたいですが、病院からの帰りは少し不安になります。

私は抗がん剤点滴後、すぐに吐き気どめを飲み、家に帰って急いで食事をしました。その後は食事の前に吐き気どめを飲み、薬が効いてる間に食事をする、というサイクルにしました。

食べたものはタンパク質、野菜、果物などをバランスよく、を目指しつつ
その中で自分が食べたくなるものを選びました。
化学調味料は一切とりませんでした。体の機能が落ちているので、栄養以外のものを処理する事にパワーを使いたくなかったのです。
不思議なもので、人参や大豆を食べた時、自分の身になっていくのを感じました。逆に抗がん剤を入れた後は、体の中から破壊される怖さを感じました。

食べられないと何故か食べ物に興味が湧きます。
抗がん剤後、気持ち悪くなりながらスマホで食べ物の画像ばかり見てました。
ある時はラーメン、ある時はカレー。
投薬のタイミング毎に無性に食べたくなるメニューが変わり、
白血球が復活してきたら食べにいくぞ!とお店を検索してました。

体が復活してきたら、夫と連れ立ってお店を目指し
何度も画像で見たメニューとご対面。
想像と少し違うこともありましたが、有り難く、嬉しく頂きました。

昔ながらの醤油ラーメン、欧風カレー、焼きたてのバケット
あの時以上に特定のメニューを欲する事は今はありません。
不思議です。

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