映画日記「幸福の黄色いハンカチ」

『幸福の黄色いハンカチ』(しあわせのきいろいハンカチ)は、1977年の日本映画。監督:山田洋次、主演:高倉健。

wikipediaより

今回の映画月間中に勧められた映画
武田鉄矢が若い

あらすじ

フラレた武田鉄矢が北海道でナンパ道中に出会う女性と高倉健の旅と成長の物語

感想

兎にも角にも武田鉄矢が若い
キャラクターとしてのチャラさもあっていや同一人物じゃないでしょってなった

フラれたチャラ男(推定)、傷心の内気な女性(推定)、出所したばかりのいぶし銀
の3人パーティで北海道を旅行していくうちにそれぞれ少しずつ変わっていく…
という感じのロードムービーと言われる分類の話のようだった。

実は見終わってから感想を考えるまであまり面白かったという感覚を持てなかった。
チャラ男は短慮で口も行動も悪くて、そういうキャラ設定だとしても好感を持てなかったし、
女性の方も優柔不断で見通しが甘くて上がり下がりが激しくてそういう症状なのかと思ったら特に言及ないし
高倉健もまともな人はこの人だけかって思ってたら怒るときに「お前みたいなやつを草野球のキャッチャーって言うんだよ」ってわざわざ解説が必要な言い回し必要なくない!?ってなったし

ロードムービーという分類上旅をとおして全員成長していくのだろうと思ってたけど、
チャラ男と女性についてはそこまで成長を感じずにとりあえずハッピーエンドって感じだった。

最後のシーンも美しいなと感動はしたものの、
ジャケットとかタイトルとかでオチが半分以上ネタバレしてたので
こういう感じなんだろうなってある程度想定は出来てしまっていた。

が、終わったあとに考えると最近色んな映画を見たせいか自分の感覚がずれてきていることに気付いた。

これまで見た映画のほとんどは、自分や周りの生命を脅かすような苦難が待ち受けており、
それを乗り越えようとするからこそ命が輝く見応えのある物語たちだったが、
普通の人間は命の危機が訪れたり、劇的な展開が待ち受けているわけではない。
と考えるとこの映画は等身大の人間の物語なのだなと思い直した。
「ハンカチが吊るされている」という情報だけを受け取るだけでは点数としては赤点だった。
短絡的で、怖がりで、それでも人と交流することで知り、少しずつ成長していく。
恐らくチャラ男と女性が高倉健の背中を押したのは彼らなりの一つの成長だったのだろう。
それが本来の人間で、そういう普通の人間の物語なのだなと思った。

二回観て少々満足した。

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