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治療装置「ガラージュ」の中にいた話

タイトルの「ガラージュ」はこの装置のことらしいです
…ほんとにぃ???
近付いて見ると明らかに怪しいんですけど本当に大丈夫ですかこれ
うそつき!!!!!!!!!!!!!!!!!!

なんか、変な身体になって泥と錆と変な生き物たちが住む世界に行ってきました
※結構ネタバレやスクショを貼ってますが気持ち悪いかもしれません
ゲテモノっぽくても耐えられる人のみお進みください

『ガラージュ』(Garage)とは、1999年にキノトロープが開発し、東芝EMIより販売されたPC用ゲームソフトである。
本作は、ガラージュという精神治療装置にかけられた主人公が自分の精神世界から脱出していく様子を描いている。 近い時期に発売された『クーロンズゲート』と『BAROQUE』と合わせて「三大歪みゲー」と呼ばれている。

Wikipediaより

三大奇ゲーと呼ばれ、流通数が少ないことで伝説となっていた本ゲームですが、最近になってスマホ版やSTEAM版が発売されました。
もし興味がある方はこの記事を読むより先にゲームをプレイされることをお勧めします

あらすじ

主人公は上記の変な機械に載せられ、気付くと鏡に映ったのは化け物の顔だった
鏡の近くに置かれていたメモに「ここから脱出しろ」と書かれており、錆と汚水にまみれたこの世界を探検し、脱出していくこととなる

暗澹たる世界に順応していく

主人公自身や街の住人、町の構造やBGMまで全てがとにかく歪。
住人達は姿だけではなく、コミュニケーションも取り辛い

主人公には順応度と燃料という二つのゲージがあり、そのどちらかが無くなってもゲームオーバーとなる。

これらは街の中にある各施設で補給が可能だが、
場所も覚え辛く、更に補充するためには貨幣が必要となる(ゲーム内ではスタンプと呼ばれるものが貨幣に値する)ため、ゲームをクリアする以前に生き残るため、スタンプを稼がなければならなくなる。

これが結構面倒くさい。

稼ぐ手段が釣りのみで
異形の生物(カエルと呼ばれるが100%カエルの見た目ではない)を釣り上げ、
それを売ることでスタンプを手に入れ、
やっと生計を立てられるようになる。

ストーリーを進めながらカエルを釣り、
それを売って燃料等を補充し、
住人達と情報収集がてらコミュニケーションを取り、
自分の身体を改造して更に燃費を高め、
気付いた時には自分自身がこの世界に順応している事に気付きます。

攻略のヒントを探すために話しかけていたのが
次第にチャプターが変わるごとにどんな話をするのか気になって色んな人に話しかけるし、
釣りも生活が出来る最低限があればいいのに
知らない種類や希少種を探す事に楽しみをもってしまっていました。
このゲームの第一印象が気持ち悪いという話はよく聞くんですけど、
ゲームクリアしたあとに寂しさを覚えると感想を述べた人たちの
気持ちが少しわかってしまいました

このゲームヒロインがいるんですよ

お店に通って何度も接していくと家に連れ込んだりして
おうちデートしたり
装飾品を贈ったりできます
ちなみに下の画像の4枚がヒロインになります

レイコです 気の強いおてんば娘です
道代です シャイな子です
シャンです 物静かな子です
ジュースです メインルートのヒロインみたいです

なんでや!!!!!!!!!!!

なお一番下のジュースは身体上の都合で家に連れ込めません そらそうよ

この世界のヒロインの方々はお腹に給油口みたいなのがついてて、そこから燃料を補給するという形になってます
何を言ってるんだこいつって思われるかもしれません
書いてる自分自身よく理解しきれてないんよ

いや、まだ補給するってイメージがしやすいだけましなんですよ
燃料はこうなら順応度はどうやって回復するのか
回転する壺に乗ります。

ちゃんとまわります。

ここはよくわからないんでもうスルーしてください
ヒロインの話に戻ります。

アイテムとか買い揃えるとヒロインを家に呼んで二人きりで過ごせます
ここでプレゼントのカエルを食べてもらったり、燃料を補給してもらったり、話を聞くことが出来ます
僕は道代ルートでした
見た目はあれなんですけど会話すると本当に普通の人っぽいイメージをどんどん持つようになります
不良が猫を助ける効果みたいなやつでしょうか
上記ではジュースがメインヒロインと書きましたが正確には特に選ばなかった場合ジュースがヒロインになるって形らしくて、
その場合周りの住人から「なんでジュース選ばなかったんだ献身的なヒロインだろ」みたいな話をされますが、
「だからなんじゃボケ」って思ってしまうくらいには感情移入してしまいました

機械の身体とカゲ

この世界では機械の身体と対になる存在の「カゲ」というものが同時に世界に生れ落ちることになっているらしいです。
一部の人に分かり易く伝えると「ハートレス」と「ノーバディ」みたいな関係性みたいですね
「カゲ」はこの世界に生まれて次第に順応できず消滅していくが、カゲと一つになることでこの世界から脱出できるらしいです
住人達にもかつてカゲがいたらしいのですがこの住み心地の良い世界から出ることを選択せず、ほとんど消滅したらしいです。
彼らは元の世界に帰ることよりこの住み心地のよいほの暗い世界で生きていくことを望んだのでしょう

主人公がここにいる理由

主人公がこの世界で生きることになったのは「ガラージュ」のせいですが、
勿論この機械を使う事になった理由が存在します。
この「ガラージュ」は精神治療装置として使われており、
装置が正常に稼働した結果、この世界で主人公が生きることになります。

この世界は被験者である主人公の深層心理が映し出された世界であり、
この世界の住人たちもほとんどが深層心理から生み出されたいわば自分自身です。(自分だけではなく、自分の中で認識している他人もいます ヒロインたちも自分が知っている他人というだけで自分の中の自分が好き的な自己愛ではございません)

何故、主人公がガラージュの被験者となったのか
ガラージュによって生み出された世界で主人公はどうするべきなのか
それらも脱出するまでの道のりで答えに辿り着くことが出来ます

デザインとかで奇をてらったゲームだなと最初思っていたので、
少しずつ自分について、世界について理解していくと共に
このゲームが本格的なアドベンチャーであることを理解して本当にびっくりしました

自分の正体や脱出の方法を知り、先に進んだときにあの世界と住人を思い出して少し寂しさを覚える、
まるで単身赴任した後の土地に対する郷愁を感じるような、そんな作品でした。

書いててなんか思ったけど芥川龍之介の河童を思い出しました。

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