映画日記「パーマネント野ばら」

自分の中で発生した消化不良を治すためにまた映画日記を書きました

あらすじ

ある田舎の漁村にある唯一の美容院「パーマネント野ばら」。なおこは離婚し、娘を連れて母の経営するこの美容院に身を寄せている。美容院は町の女たちの「たまり場」と化していて、あけっぴろげに自分たちの悲哀や愚痴をこぼし合い、罵り合い、笑いあっていた。

なおこの二人の友人も男運が悪く、みっちゃんはフィリプンパブを経営しながらヒモ男に金をせびられ、ともちゃんも付き合う男が皆暴力男で、捨てられてばかりいる。なおこ自身も、地元中学校教師のカシマと密会を繰り返していた。しかし、愛情を感じながらもなおこは掴み所のないカシマの態度に、戸惑いと孤独を感じていた。

Wikipediaより

結論として、この作品は好きになれなかった
でも、それだけで説明を終えるのは少し勿体ないと思うような作品だったので、
自分の中でまとめて消化できるように文章として吐き出したいと思った

好きになれなかったところ

少しリアルな田舎の不快感

下品さとか、デリカシーのなさとか、よくわからない周りの空気というか、
分かる人にしか分からない表現だけど「来る。」の前半のようなイメージが
作品の9割を占めているのが唯々つらかった。

あそこまでリアルに表現する必要があったかと言われるとあったのかもしれないとも思ってしまうので、尚更目をそらすわけにもいかずつらかった

子供の扱い

上の内容に似ている話だが、自分の意見を子供が言ったようにする描写や、友人の自転車を壊しておいて謝罪もなく笑って済ませた場面など、子供を所有物みたいな扱いで済ませたりする表現が多いのもきつかった

主人公ですら新しい恋を満喫したいみたいな空気出してたけど、
どんな形であれ、自分の選択で産まれて離婚した後も親権を取ったのであれば責任を持って育てるべきなんじゃないかなって思った

映画の最後でみっちゃんがこれまで周りに振り回されたんだし、これからは好きに生きよう のような話をしたと思うのだけれど、選択は自由でも選択してきた責任は背負い続けるべきなのではと思ってしまう

キャラクターに好感を持てない

どのキャラクターも好感を持てなかった
一番やばかったのはボケてチェーンソーで電柱切り落とすじじい
昔は電信柱切り落として銅線盗んで家族に飯を食わせてたっていい話風に言ってたのがフィクションであろうときつかった
しかもそのあと普通に一緒に焼肉食ってたのもだいぶ畏怖だった
誰だって狂っていて、それでも生きているという表現のためだったとしてもちょっと許容しきれなかった 流石に限度あるじゃん…

考えさせられてるところ

人間賛歌

この作品は人間賛歌をテーマにしているのだなと思った
住人達に悪性と共に善性も少し含まれてて、
それで人と人が支え合って生きているという図はとても理解できた

人はみな狂気と共に生きている

自覚があって、人からも見えてる狂気と生きている人と
自覚はないけど、第三者の視点から見て分かる狂気を抱えている人と
人には見せずにずっと自分の中に狂気をしまっている人がいて
どんな形であれ人はその狂気と共に生きていると作品は表現しているように感じたし、とても共感できた

感想

男性から見た視点と女性から見た視点で作品に対するイメージが変わるのはあるかもと思った
下品な描写をうまくごまかせば朝ドラにしようと思えばできるんじゃないかなと
作品で起こった事実だけを追う映画でなく、群像劇というか様々な視点で見る事で楽しみが増える作品なのかもしれない
作中の女性はほとんど様々な形で恋に縋るしかなく苦しい思いをしていたが、それでも笑い飛ばして支え合って生きているというのは伝わった

なんかガラージュを思い出した 狭い世界で変な人たちがいる世界で生きて、気持ち悪いけどどこか憎めないような住人たちがいて
でもガラージュはどちらかというと自分の内側のエゴの世界の話だし、男性視点の話の方が多いし、自分の中の自分と向き合って前に進む話なので真逆でもあったなって思った

蛇足と愚痴 映画に何を求めるか

僕は映画に非日常の夢を求めてる
遺跡を探検したり
違う時代に飛び込んだり
恐ろしい怪異現象に巻き込まれたり
未知の事件を紐解いていったり
ジェイソンステイサムがサメを爆破したり
ジェイソンステイサムが片っ端から敵を撃ち抜いたり
ジェイソンステイサムがなんか無双したり

なので日常の現実に近しいように作られると
こんなところでまで面白くもない現実見せられても…
と難色を示してしまう癖があるなと気付いた

今回の映画が合わなかった理由の一つはそこにあるのかなと思う

また、主人公含む作品の登場人物に一切好感を持てなかったのもつらかったなとあらためて思う
キャラクターに愛着が沸くから作品の描写の後や背景だったりを知りたくなるので、全然この先を知りたいと思えるキャラがいなかったのもつらい

たぶんある程度はうまく消化できたと思う

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?