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エヴァンゲリオンを理解したい!(表)その4

第弐話「見知らぬ、天井」THE BEAST (Aパート)

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実況風解説編

使徒と初号機の戦いがついに始まります。
リツコ「シンジ君今は歩くことだけを考えて。」
シンジ「歩く…」
初号機は一歩を踏み出します。

前話でも話しましたが、操縦桿を握ってはいてもエヴァの動きはパイロットの思考によって操作します。
操縦桿の存在意義ガガガ…とはなりますが操縦桿はエヴァの動きのアシストや、兵装の操作に使うようです。
あと、前話で話そびれましたがパイロットの座っているコックピットはインテリアと呼ばれ、パイロットがつけている猫耳チックなやつはインターフェースヘッドセットです。髪留めっぽいですがカチューシャらしいです。

ざわめく司令所
リツコ「歩いた!」

初めて動いたのでリツコさん嬉しそう。

初号機、もう一歩歩こうとしますが頭から転倒します。
シンジくん頭を痛そうにしています。

シンクロしている影響でエヴァのダメージがパイロットに直接与えられていますね。
かなり痛そう。

目の前に使徒が迫ります。
ミサト「早く起き上がるのよ!」

歩くのもやっとなのに起き上がって戦闘は無理じゃろ…ミサトさん…

使徒が初号機の腕を掴み、引きちぎろうとします。
シンジかなり苦しそう。
ミサト「落ち着いて!あなたの腕ではないのよ!」

落ち着けるわけなくないか?
死ぬほど痛いぞ多分

リツコ「エヴァの防御システムは?」
マヤ「シグナル作動しません。」
日向「フィールド無展開!」(オペレータの一人メガネかけてる人です。)

ATフィールドとは別に防御システムが存在しているのかな?
あと、起動するだけではATフィールドは展開しません。

初号機の左腕が潰されます。
マヤ「左腕損傷!」
日向「回路断線!」ここのシンジくんの絶望する描写結構きつい
めちゃくちゃ痛そうだし、めちゃくちゃ怖そう。
回路とありますが、人間の筋肉が微弱電流で動くように、人造人間であるエヴァも回路に電流を流して筋肉を動かしているのでしょう。

使徒が初号機の頭を掴みます。
ミサト「シンジくん避けて!」

どうやって避けるんだよ!!!無理だろ!!!

使徒が執拗に右目に攻撃をします。

これもめちゃくちゃ痛そう。

エントリープラグ内のモニターにヒビが入ります。
マヤ「頭蓋前部に亀裂発生!」
リツコ「装甲が もう もたない!」
装甲にヒビが入り、ついに初号機の右目を貫通します。

外部装甲に覆われているので、イメージ的には鎧ですね
内部は…?それは後半Bパートで判明します。
右目貫通して人間でいう脳までダメージ受けてるのでダイレクトにダメージを受けるシンジくんはもうストレスとショックで死んでもおかしくないでしょこれ。

吹き飛ばされビルに叩きつけられます。
初号機頭部から血が吹き出します。

初号機の血の色は「赤」色ですね。覚えておきましょう。

青葉「頭部破損 損害不明」
マヤ「制御神経が次々に断線していきます」
日向「パイロット 反応ありません!」

やっぱ死にましたね…これは…
このシーン結構細かくて一時停止しながらモニター見ていくと結構面白いです。
専門用語だらけですが、世界観をうまく表現していて見ていて飽きません。

ミサト「シンジ君!」
急な場面転換
病室へ
シンジ「知らない天井だ。」

シンジ生きてましたね。
タイトル回収もここでしちゃいます。

クレーターのような場所にUNのテント。
立ち入り禁止の看板。
頭部の装甲がクレーンで運ばれています。

エヴァの巨大サイズ感が出ていていい。

場面変わって真っ暗な会議室っぽいところへ
6人が座っているようです。
メンバー「使徒再来か…あまりに唐突だな。」
メンバー「15年前と同じだよ。災いは何の前触れもなく訪れるものだ。」
メンバー「幸いとも言える。我々の先行投資が無駄にならなかった点においてはな。」
メンバー「そいつはまだわからんよ。役に立たなければ無駄と同じだ。」
メンバー「左様。今や周知の事実となってしまった使徒の処置、情報操作、ネルフの運用は全て、適切かつ迅速に処理してもらわんと困るよ。」
ゲンドウ「その件に関しては既に対処済みです。ご安心を。」

この人たちの正体はもう少し後でわかります。
NERVの運営に対して結構突き上げられてますねゲンドウ。

テレビでは使徒との戦闘についての政府緊急会見の様子が流れてます。
ミサト「発表はシナリオB-22か。またも事実は闇の中ね。」
リツコ「広報部は喜んでたわよ。やっと仕事ができたって。」

ここの会話と先ほどの会議の内容を照らし合わせると使徒についてNERVは隠蔽工作を図ったようですね。
秘密組織なので広報部は相当暇でしたでしょうね。
ミサトやリツコが着ている防護服、結構物々しいですね。
正体不明の使徒との戦闘の爆心地です。
未知の病原菌やウィルス、放射線を考えれば当然の措置かな。
NERVロゴのカップ麺とか小道具も面白い。

ミサト「うちもお気楽なもんね」
リツコ「本当はみんな怖いんじゃない?」
ミサト「当ったり前でしょ」

負ければ即人類滅亡の危機ですからね。
そりゃ怖いわ。

場面は再び会議室へ。
メンバー「まっ その通りだな。」
メンバー「しかし 碇くん。」
メンバー「ネルフとエヴァ、もう少しうまく使えんのかね。」
メンバー「零号機に引き続き、君らが初陣で壊した初号機の修理代。」
メンバー「国が一つ傾くよ。」

世界中が15年前の惨劇で大打撃を受けているので傾いていない国などありません。
ゲンドウへの嫌がらせ以外の何ものでもありません。

メンバー「聞けばあのオモチャは君の息子に与えたそうではないか。」
メンバー「人、時間、そして金、親子揃っていくら使ったら気が済むのかね。」

ゲンドウへの嫌がらせが続きます。
エヴァの運営維持修理には国が傾く云々は不明ですが、莫大な予算が投資されていることに間違いはないようです。


メンバー「それに君の仕事は、これだけではあるまい。」
メンバー「『人類補完計画』これこそが君の急務だ。」

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よく見ると「国際連合最高幹部会」「人類補完委員会」の文字があります。
ここに登場したメンバーは国連の最高幹部達であり、同時に人類補完委員会のメンバーです。
この「人類補完計画」は物語の根幹になる非常に重要なキーワードです。
よーーーーく覚えておきましょう。

メンバー「さよう、その計画こそが、この絶望的状況下における唯一の希望なのだ。我々のね。」

ここでの我々は二通りに解釈ができまして…
人類補完計画が委員会の望む「希望」であると言う見方。
人類補完計画が人類全体の望む「希望」であるとう言う見方。
ここではおそらく後者を装いながら前者の意味で話しています。

ここでようやく重要人物キール・ローレンツが登場します。
近未来的なデザインのバイザーをつけている人です。
キール「いずれにせよ、使徒再来における計画スケジュールの遅延は認められん。」

計画にはスケジュールがあり、人類滅亡の危機たる使徒襲来よりも重要であるようです。

キール「予算については一考しよう。」
メンバー「あとは委員会の仕事だ。」
メンバー「碇君、ご苦労だったな」
ここでメンバーのほとんが退場します。
残ったのはゲンドウとキールのみ。

ここでわかるのは「ゲンドウは委員会のメンバーではない」と言うことです。ただの計画の実行部の責任者であるだけです。

キール「碇、後戻りはできんぞ。」
キールが退出します。
ゲンドウ「わかっている。」

後戻り、つまり、計画から逃げることはもう許されないぞ、との脅しですね。
この微妙な間…ゲンドウ逃げる気満々です。

ゲンドウ「人間には時間がないのだ。」

なぜ時間がないのか…これ謎です。
いろいろ考えられるのですが、ここはネタバレ解説編で語ります。

場面変わって病院へ
シンジの横をストレッチャーに乗せられたレイが通ります。
レイがシンジを見つめます。

第壱話冒頭にもあったレイがシンジを見つめる演出です。
レイの怪我、かなり酷そうです。
この状態で初号機に乗せようとしていたゲンドウ普通ではありません。

また場面変わってトラック車内へ

トラックが運んでいるのは前回の戦闘で破損したエヴァの装甲パーツでしょうね。
トラックのメーカーは三菱ですね。
よく見るとUNとNERVの文字があります。

ミサト「やっぱクーラーは人類の至宝、まさに科学の勝利ね。」

この後も何度か使われる「科学の勝利」と言う言葉。
人類のみが手に入れることが許された「科学」と言う「知恵」の技術、そしてその勝利。
エヴァを象徴する言葉でもあります。

リツコ「シンジ君が気づいたそうよ」
ミサト「で、容体はどうなの?」
リツコ「外傷はなし。少し記憶に混乱が見えるそうだけど。」
ミサト「まさか。『精神汚染』じゃ…」
リツコ「その心配はないそうよ。」

「精神汚染」ってあまりにも物騒すぎません?

リツコ「脳神経にかなりの負担がかかったもの」

シンジは訓練なしでいきなりの実戦ですからね。
脳神経ズタズタでもおかしくないでしょ。

ミサト「心の間違いじゃないの?」

PTSDのことを言っているのでしょうね。
心的外傷後ストレス障害。
ストレスかけた根元のあんたが言うのか…

また場面変わって病院へ
左腕を見つめるシンジ。

戦闘の際に潰された左腕の感覚が残っているのでしょうね。
めちゃくちゃなストレスかかってたのでしょう…

またまた場面変わってヘリが貨物を空輸してます。

クソデカいライフル、エヴァ専用装備の一つです。
グリップの形とか近未来を感じるデザインでかっこいい。

建築計画のお知らせの看板
第25誘導兵器システムビル(甲-H型)の文字

第3新東京市の目玉とも言える武装ビルの建築計画のようです。
一時停止してみると結構詳細なデータが書かれていて面白いです。

武装ビルのミサイル発射口とビルの屋上の洗濯物。

庵野監督が得意とする、現実と非現実の混在ですね。
エヴァ世界の異質感と現実っぽさが同時に存在していてかっこいい。

バカデカイコンセントと、ソケットが運ばれています。

日常にあるものが巨大になって登場する。
ウルトラマンやゴジラを代表する特撮で使われる演出ですね。
NERVのロゴが入っていたり、高圧注意と書いてたりと細かい文字にも注目です。
横の作業員と比べるとサイズが際立ちます。

第3新東京市の至る所で工事がされています。
ミサト「エヴァとこの街が完全に稼働すれば、いけるかもしれない」

通常のビルに混じってかなりの数の武装ビルがありますね。
巨大なバレットベルトが武装ビルに装填されていきます
その後ろでは超大型バッテリーが運ばれています。
街中が使徒迎撃とエヴァのサポート兵装だらけです。

リツコ「使徒に勝つつもり?相変わらず楽天的ね。」
ミサト「あら希望的観測は人が生きていくための必需品よ。」
リツコ「あなたのそういうところ助かるわ。」

リツコとミサトの仲の良さが現れてますね。

第1脳神経外科の文字。
下には英語で1st CRANIAL NERVESの文字が

NERVの意味つまり「神経」がここで説明されてます。
NERVはドイツ語ですが、同じゲルマン語派なので意味はほぼ同じです。

エレベータでまさかのシンジとゲンドウが鉢合わせます。
目を背けるシンジ。

「拒絶」ですね。

巨大エスカレータを登るミサトとシンジ。
リツコ「よろしいのですね?同居ではなくて?」
冬月「碇たちにとってはお互いにいない生活が当たり前なのだよ」
リツコ「むしろ、一緒にいる方が不自然ですか。」

あの拒絶っぷりだから一緒に住むわけないですよねー。

シンジの住民登録票です。

ジオフロント内部に住む予定だったようです。
使徒出現でスクランブル発進とか考えれば内部に住むのは都合がいいのでしょうね。

ミサト「それでいいの?シンジくん?」
シンジ「いいんです。独りの方がどこでも同じですから。」

シンジくん根っからのぼっちです。
他人との接触が怖いからです。
このあたりの掘り下げはもう少し後で解説します。

ミサト、シンジを引き取ります。

ミサトの過剰な自己投影がここにきます。
本当に傲慢です。

場面変わってコンビニへ
女性客二人が会話しています。
その会話を無表情で聞くシンジ。
「やっぱり引っ越されますの?」
「ええ」
「まさか本当にここが戦場になるなんて、思ってもみませんでしたから。」
「ですよねぇ」
「うちも主人が子供と私だけでも疎開しろって。」
「疎開ねぇ」
「いくら要塞都市だからっていったって何一つ当てにできませんからね」
シンジの顔が険しくなります。
「昨日の事件!思い出しただけでもゾッとしますわ」
「本当に。」
ミサトがシンジを気にかけます。

そりゃあんだけ嫌がってやっとの思いで怖いながらに乗って死ぬほど怖い目に合いながら使徒と戦ったのにこの言われようですからね。
シンジも怒りますわ。

ミサトがシンジを展望公園に連れてきます。
シンジ「なんだか…寂しい街ですね。」

そりゃあんなこと言われたら文句の一つも言いたいわな。

サイレンが響きます。
要塞都市である第3新東京市の真の姿のお披露目です。

カッコ良すぎる。
男子なら誰もが好きなやつですね。
シンジも一瞬テンション上がってます。
シンジも男の子ですね。
競り上がるビルは戦闘用ではなく一般市民用のビルです。
一瞬映る湾曲したビルは太陽光を集めるビルで、地下のジオフロントに光を届ける役目を担ってます。

ミサト「これが、使徒迎撃専用要塞都市、第3新東京市。私たちの街よ。」
ミサト「そして、あなたが守った街。」

シンジはきょとんとしてます。ピンときてない感じですね。
それもそのはず、シンジくん戦闘の途中で意識失ってます。
めちゃくちゃ怖い目にあって気がついたら勝っていた。
戦った実感もなく、勝利の実感もありません。
もちろん街を守った実感もありません。
ミサトの気遣いはちょっとずれてたってわけです。
ミサトは使徒を倒すことだけを考えて生きているような人ですから、あまり伝っていないことに気づいていないようですが…

ここでAパート終了です。
次回Bパートに続きます。



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