道路法(不動産鑑定士 行政法規)

1.目的

道路網の整備を図るため、道路に関して、路線の指定及び認定、管理、構造、保全、費用の負担区分等に関する事項を定め、もって交通の発展に寄与し、公共の福祉を増進すること。

2.道路の種類

(1)高速自動車国道
(2)一般国道
(3)都道府県道
(4)市町村道
※トンネル、橋等道路と一体となってその効用を全うする施設又は工作物及び道路の附属物を含む

3.道路の成立、廃止

(1)路線の指定・認定

①高速自動車国道・一般国道:政令で指定
②都道府県道:知事が議会の議決を経て認定
③市町村道:市町村長が議会の議決を経て認定

(2)区域の決定

道路管理者が道路の区域を決定したのち公示し、図面を一般の縦覧に供する

(3)供用の開始

道路管理者が供用を開始する旨を公示し、図面を一般の縦覧に供する

(4)道路の廃止

・路線の廃止・変更又は供用廃止の公示により廃止される。
・不用となった物件は、従前当該道路を管理していた者が1年を超えない範囲内において一定期間管理しなければならない
⇒道路管理者が管理した後処分される。管理期間満了まで私権の制限がなされる。

4.道路の管理等

(1)道路管理者

①一般国道
・指定区間内:国土交通大臣(原則)、都道府県(指定市)
・指定区間外:都道府県又は指定市(市)
②都道府県道:都道府県又は指定市(市町村)
③市町村道:市町村

(2)兼用工作物

道路と相互に効用を兼ねる工作物の管理は、道路管理者と他の工作物の管理者が協議して別にその管理方法を定めることができる

(3)道路管理者以外の者の行う工事

道路管理者以外の者(私人等)は、道路に関する工事の設計及び実施計画について、道路管理者の承認を受けて道路に関する工事又は道路の維持を行うことができる。

5.私権の制限・占用等

(1)私権の制限

・道路の敷地、支壁その他の物件に、原則として、私権の行使はできない。
・ただし、所有権の移転、抵当権の設定若しくは移転は可能。

(2)道路の占用

・道路管理者の許可を受けて占用できる(占有料を徴収可)
①国の行う事業のための道路占用:協議・同意でよい
②公益事業(電気・ガス・水道・鉄道等):工事の実施1ヶ月前までに工事計画書を提出
・道路占用許可に係る行為が道路交通法上の適用を受ける場合、警察署長を経由して許可の申請を行う。道路管理者は、占用許可を与える前にあらかじめ警察署長と協議しなければならない。

6.沿道区域

・道路管理者は、道路に接続する区域で、各一側20m以内の範囲で、条例の基準に従い「沿道区域」を指定することができる。
・沿道区域内の土地・竹木・工作物の管理者は、損害又は危険の防止施設の設置等の措置を講ずる義務がある。
※道路の上下空間又は地下について、上下の範囲を定めて指定はできない。

7.道路の立体的区域

・道路管理者は、道路の区域を空間又は地下について上下の範囲を定めたものとすることができる。
・道路管理者は、建物の所有者になろうとする者との協議により、協定を締結して、道路の新設その他道路一体建物の管理をすることができる。(道路一体建物の協定)

8.道路予定区域

道路予定区域とは、道路の区域が決定された後、道路の供用が開始されるまでの間の当該区域又は当該区域内に設置された道路の附属物となるべきものをいう。

※時系列:区域決定⇒道路管理者の権原取得⇒供用開始

(1)区域決定後の制限

次の行為について道路管理者の許可が必要。
①土地の形質の変更
②工作物の新築、改築、増築等
③物件の付加増置

(2)権原取得後の制限

④私権行使の制限
⑤沿道区域の損害予防義務

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