デザインをはじめて思ったこと
自分には柔らかいことをする才能はないとずっと思ってきたし、今も変わらずそう思っている。
でも、そう思うことは自分で自分に呪いをかけているようなもので、やってみると、じっさいに手を動かしてみると、少しずつ上達することもわかってきた。大事なのは少しの辛抱なのだ。
頭というのはよくできていて、危険を察知すると先回りして「不安」という信号を出し、行動を思いとどまらせる。そのようにしてたとえば柱の影から出てくる車を避けることなんかができるのだけど、不安ばかりが先行しすぎると行動が過度に制限されることになる。
じっさい、考えすぎると行動できなくなる。なんとか少し手を動してみても、頭の中のイメージと比べてしまうとその違いに愕然。もうすぐにやる気を失って、目を背けるようになる。
でも、やってみてはじめてわかることはたしかにある。今ここで書いている文章だって、下手くそな口語調で、伝えたいメッセージもあいまいで読みにくくて、頭で考えたまんまの芸のないもので、ほんとうにいやになっちゃうけど、そうやって書かないと文章のクセもアラもわからない。
はじめてみないとわからない。やってみてできあがった、目の前にある、頭の中のイメージとは違うかもしれないものから、目を逸らさないように、少しの辛抱を持って、それでも手を動かし続けること。そこからしか、新しいものは見えてこない。
いまさら、そんなことに気づいた。
2021.8.8