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これからのこと
30歳になったばかりのときにはそうはっきりとわかっていたわけではなかったけど、32歳にもなるとさすがにもう20代には戻れないんだと、決定的に自分は20代ではないんだとまざまざと自覚させられて、そんなふうにもう戻れない時間のことを強く思うのは、いまの自分に割り切れないものがあるからなんだろうか。
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年をとるにつれて、自分にできることがわかってきて、同時に、自分にはできないこともわかってくる。
それも、自分は野球選手にはなれないだろう、なんてあたりまえで自分の存在や自意識を少しもおびやかさないような話ではなくて、これからいくら自分が頑張っても、同学年(あるいは年下)の〇〇さんのようなデザイン能力は身につけられないから、到底そんな業界で生きていくことなんてできないだろう、とかの、自分がどうやって働いて生きていくかにもかかわる、もっともっと生々しくて、考えるだけで心をギュッとしめつけられるような話。
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もうひとつ、わかったのは、時間は無限にはないこと。
自分にはもっとできる、もっともっとと思っても、時間は限られているし、そんなことは十分わかっているのに、その限られた時間の使い方も上手になれないまま、ここまで来てしまった。
時間を大切に扱えないのも、結局のところ、時間がいくらでもあるかのように思っているからだ。
まだまだ続くように見える人生の時間だって、元気で充実していられる時間はじつはそんなにたくさん残されてないのかもしれない。でも、そのことを否認しながら、いろんなことを後回しにしてしまう。
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32歳の誕生日を迎えて、もう戻れない時間やあとに残された時間のことをこんなふうに考えるようになった。
2021.10.11