駅で消費する時間ゼロ。「e5489のチケットレス特急券」が最高だった日記
自分は「e5489」というJR西日本のインターネット予約サービスをたまに使っている。読み方は「いーごよやく」。
「JR西日本の」とはあるが、東京までカバーしている。記事執筆時点でe5489が対応しているエリアの最東端は栃木の那須塩原。
とりあえず「東京より西側ならどこでも使える(東京も含む)」という認識でOKのはず。
今までのきっぷの買い方
親がきっぷを買っていた小中学生時代、駅の窓口に母が行き、
「次のサンダーバードで福井駅まで行きたいです、自由席で」
と駅員に伝える。
駅員が電車や座席の情報を調べている間「なんで特急の名前が『らいちょう』と『サンダーバード』の2種類あるんだよ、どっちも雷の鳥じゃないか」と思っていると、駅員から「お待たせしました」の声。
そして数千円払って切符を手にしていたと思う。
なお筆者の実家は福井県にある。
そしてこれは昔の話。今はネットで事足りる。e5489にログインし、出発駅と到着駅を入力し、どの電車に乗るかを選び、クレジットカードの情報を入力して決済完了。決済は深夜でなければいつでもできる。
そして当日は、駅の券売機にクレジットカードを差し込むだけで切符が出てくる。便利すぎる。
今はネットできっぷを買って駅で受け取る時代。
窓口に並んできっぷを買うのはもう古い。
と、思っていた。
チケットレス特急券の存在
自分が一人暮らしを始めてから3年、e5489を使った回数は多分片手では数えられない。両手なら多分数えられる。
それくらいにはe5489を使ってきた私だったのだが、今回さらに便利な使い方を知った。
それが「チケットレス特急券」。
そもそも特急券というのは、乗車券に加えて購入する特別なきっぷのことである。
乗車券を買うと普通電車に乗ることができるようになるが、特急に乗ることはできない。特急券も買えば特急に乗れるようになる。特急券だけでは特急に乗ることはできない。
つまり、大前提として乗車券は必要で、より早く移動したいなら特急券も買ってね、というシステムである。
ソシャゲでもそう。エリア移動をするならどんな方法であれスタミナを消費するが、課金アイテムを使えば移動時間を短縮できるみたいなシステムがあると思う。乗車券はスタミナ。特急券は課金アイテム。
ここで、特急券だけをチケットレスにして、乗車券は別途用意してね、というのが「チケットレス特急券」である。
特急券だけをチケットレスにしても乗車券がチケットレスになっていないなら意味ないじゃないか、と思うかもしれないが、実は最近の乗車券は既にチケットレスになっている。
入場駅の改札に交通系ICカードをかざして、出場駅の改札にICカードをかざせば、その区間分の乗車券を勝手に買ったのと同じ扱いにしてくれる。
乗車券をチケットレスにする手間はかからないことがわかったところで、実際にチケットレス特急券を買ってみる。
e5489にログインし、出発駅と到着駅を入力し、どの電車に乗るか、どの座席に座るかを選び、きっぷの種類は「チケットレス特急券」を選択。そしてクレジットカードの情報を入力して決済完了。
そして当日はいつもどおりSuicaなどで改札を抜けて、そのまま特急に乗れる。特急券を見せてくださいと促されたらスマホで提示用画面を見せればOK。
e5489で普通のきっぷを買っていたときは駅の券売機の前に佇む2分すらもカットできる。なんて便利なんだ。
今は駅できっぷを受け取る必要も無い時代だった。
しかも安い。
京都↔︎福井なら普通に指定席を取るのに比べて400円安い。
なお筆者は現在京都に住んでいる。実家は福井。
値段一覧はこちら。区間は京都駅から福井駅で乗車券の値段込み。
普通の指定席： 5230円
チケットレス(指定席)：4830円
普通の自由席： 4500円
普通に指定席を取るのに比べて手間も減らせるうえに400円も安いなんて、なぜこんな便利なものに気づかなかったのだろう。
これなら今まで普通に取ってた自由席もチケットレスにすれば…
ん、自由席…？
チケットレス特急券は指定席しかない
調べてみたら、自由席の場合はチケットレス特急券がそもそも無かった。
今まではほとんどお盆や正月などの繁忙期を避けていたため自由席でもほとんど座ることができた。だが、今回は年末年始であることと、そして以前 自由席で座れなかったことを考慮して、はじめてe5489で指定席を取ろうとした。そしてこの存在に気付いた、というわけだ。
あと、ログイン直後の画面には「J-WESTチケットレス」という項目があるのだが、そこから進んでいくと「福井」が選択肢に無い。京阪神エリアしか無いからだ。罠。
なので筆者は毎回「その他の特急・新幹線予約」から京都↔︎福井間の特急を自由席で取っていた。そして自由席にはチケットレスの選択肢がない。だから今までチケットレス特急券の存在に気づかなかった、というカラクリである。罠すぎる。
①J-WESTチケットレス：福井が選べない
②自由席： チケットレスが無い
③指定席： チケットレスを選べる
①と②を経験すると、「あ、京都ー福井間のチケットレス特急券って無いんだ」と思わされる。けど③ならある。
なにこの罠？
あと少しで当たるのにそこでやめちゃう人じゃん。マイクラのブランチマイニングでもうすぐダイヤが出てくるのに引き返す人じゃん。
今までチケットレス特急券の存在に気づいていなかった自分にとって、指定席にするオプションは+730円だと思っていた。
しかしe5489のチケットレス特急券なら、+330円で指定席にできる。でもこの存在に気づける機会は多くない。少なくともNAVITIMEで時間と料金を調べてe5489で決済をしていると絶対に気づけない。情報は不平等。
注意点
とても便利なチケットレス特急券だが、注意点がいくつかある。
・スマホの電池が切れると死
特急に乗っていると駅員から特急券の提示を求められることがある。
「あなたはこの電車に乗る権利を本当に持っていますか」という意味の確認である。特急は普通の乗車券だけでは乗れないからだ。
ここで物理的にチケット(きっぷ)を持っている人ならそれを見せれば良いが、チケットレス特急券はチケットが無い。あたりまえ体操。
なのでチケットレス特急券には提示用画面というものが存在する。どの特急の、どの席を買ったのかがまとめられた画面のことであり、駅員に特急券の提示を求められたらその画面を提示すれば問題ない。
しかしこれは裏を返すと、画面を見せることができないと特急券を買っている証明ができないというわけだ。証明ができないのであれば無賃乗車と同じ立場になる。
小学校なら「宿題やってきたけど忘れました」で済むかもしれないが、「特急券買いましたが提示用画面見せれませんでした」は多分無事には済まない。
ちなみに提示用画面をプリントアウトして持っていても良いらしい。
けどチケットレスを選んでるのにプリントアウトする人って誰？アンチSDGs？
・提示用画面を出すまでが面倒
これはガチ。
チケットレス特急券を購入すると、「ご購入ありがとうございます。あなたはこの列車のこの席を取りました、提示用画面はこちらです」みたいなページに飛ぶ。
ここで気をつけなければいけないのが、この「ご購入ありがとうございますページ」は購入直後しか出ない。
つまり、後日提示用画面を出そうと思っても、「ご購入ありがとうございますページから提示用画面を開く」メソッドは使えない。
購入直後に提示用画面の開き方を教えてくれたと思ったら、当日は別の開き方をしないといけないのである。なんのために教えてくれたの？
さらに、チケットレス特急券を購入すると予約完了メールが届く。「ご購入ありがとうございます。あなたはこの列車のこの席を取りました。乗車する際は提示用画面を表示できるようにしておいてください」というメール。なのにこのメールには提示用画面の開き方が記載されていない。なんで？
自分は駅に行くまでに乗っていたバスの中で提示用画面の出し方を必死に調べた。10分くらいかかったと思う。
チケットレスにすることでカットできる「券売機の前に佇む2分」の5倍がここで消えた。つまり自分はあと4回チケットレス特急券を買わないと元が取れない。ケチの思想。
・交通系ICカードの対応範囲に注意？
これは杞憂の可能性があるため、有識者がいたらぜひ教えていただきたい。
チケットレス特急券だけでは特急に乗れないため乗車券を別途用意する必要がある、だけど交通系ICカードなら問題ない、と先に述べた。
しかしここで、交通系ICカードの有効範囲外に出ている可能性を考慮しなければならないかもしれない。
もし仮に自分が持っているICカードが「京都府内だけで使える交通系ICカード」だとした場合、京都の改札は抜けれても福井の改札は抜けれない。
これを知らずに京都の改札を抜けて福井駅の改札でひっかかった場合、面倒なことになるのは必至だろう。
ただ、使える範囲の問題は全国相互利用サービスの普及によって無くなったらしい。
だからどのICカードだとしても気にしなくていいらしい。
鉄道にわかなのでらしい文法しか使えないらしい。
自信がない人は一度駅員に聞くのがいいだろう。
自分は「京都駅から福井駅までSuica1枚で通れますか？」と聞いて問題ないですという回答を頂いた。
本当は聞くだけ無駄なのかもしれないが、不安な人は聞けばいい。
ちなみに窓口や券売機は死ぬほど混んでいても、インフォメーションはさほど混んでいないのでそこまで時間は奪われない。
まとめ
e5489のチケットレス特急券が安いし便利で最高なんだけど、提示用画面の出し方が不親切すぎるから、e5489さんは早く提示用画面を簡単に出せるようにしてください。あと電池切れとICカードの範囲に注意しましょう。ICカードについては杞憂かもしれないので博識な方いましたら教えてください。
もしこのnoteでチケットレス特急券を知って300円くらい節約できたら、100円くらいサポートしていただけると嬉しいです。
以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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