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言葉のアナキズム

中江俊夫の詩集『語彙集』。1972年思潮社、350ページ、23cmのほぼ正方形。当時の定価4800円。これを1980年12月、大学3年の時に高円寺の大石書店で3000円で買ったと裏見返しに書いてあります。
当時現代詩というものに没入していたぼくは、言葉から意味というものを剥落させなくては、言葉の本当の美しさは獲得できないと思って、どのようにすればよいのかを日夜(←うそ)考えていました。
たとえばこの中の第17章の冒頭
 けささくさ
 とうささくさ
 ささくさ
 こささくさ
 たかねささくさ
 かぜくさ
 おおかぜくさ
という段落に、まさに震撼していました。
言葉のラディカリズム、アナキズム、いまだにくらくらします。

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