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小笠原紀行③|乾いた低い木の父島

今日は父島滞在2日目。
といっても、昨日の昼前に船で入島したので、朝から父島で過ごすのは今日が初めて。

滞在先がホステルだったので炊飯器か鍋が使えるかなと思ってお米を持ってきたのですが、今回のホステルは電子レンジとトースターしか使えないということで∑(゚Д゚)電子レンジで炊飯にチャレンジ・・・!
しばらく浸水させて、かるーく蓋をしてしばらく電子レンジにかけると、若干芯は残りましたがかなり良い感じで炊けました。留学時代、スリコ(300円ショップ)のお米が炊けるタッパーを重宝していましたが、別にお米専用じゃなくても炊けるものなんですね。一人暮らし・一人旅にちょっと活用できそうなライフハックでした。日に日にサバイバルスキルが磨かれてくわよ。

タッパーと電子レンジにて、炊き立てのお米1合

そしてなんやかんやとお腹を満たし、今日は朝から森山歩きのツアーに参加しました。普段のトレッキングならガイドさんがいなくてもいいか、と1人で歩くのですが、なんといっても父島は多くの固有種が生息する場所であり、せっかくならその生き物たちについて解説を聞いたり、そもそもガイドさん同行でないと立ち入りが禁止されているエリアにも行ってみたいということで、ツアーに参加することにしました。

最初に向かったのは、父島の南西部にある小港園地。余談ですが、実はここの入り口にある小港海岸駅は東京都最南端のバス停なのだそうです。

バスで来たわけじゃないけどちゃっかり写真撮影

ツアーの最初に、ガイドさんから「今日は森山歩きのツアーですが、海岸にも行ってみましょう。さて、それはなぜでしょう?」という問題がありました。その答えを考えつつ、森を歩きます。

木漏れ日が心地よい道を行く

殻がとっても硬いテリハボク、葉が丸まって風船のようになったハスノハギリなど、小笠原に固有の植物たちの種を拾ったり葉っぱを眺めたり。
そうして歩いているうちに、小港海岸に着きました。そこで、ガイドさんから「じゃあ、さっき拾った種をみんなで海岸に向かって投げてみましょう!」との声がかかり、みんなで試してみると、どの種も沈むことなくぷかぷかと海を漂い続けています。
そう、これこそが、ガイドさんの最初の問題の答え。
一度も大陸とつながったことのない海洋島である小笠原の生態系は、すべて外から運ばれてきた種が独自の進化を遂げたことで作られてきました。つまり、種を運んできてくれた海から小笠原の自然は始まった、ということの確認だった訳ですね。

ハスノハギリの葉。
水に浮かぶように葉が風船のような形に進化したのだそう!

小笠原の海はボニン・ブルーと言われていますが、本当に透き通るような青が美しい海岸でした。

遠くの青はもちろん、手前の白い砂浜が透けるような水も美しい

その後は岩山という場所に向かいました。ここはガイドさんがいないと立ち入ることができないエリア。入り口にはこれまで以上の厳重な消毒セットがあり、少し緊張感が高まります。

手作り感があたたかみのある保護地域入り口の看板
珊瑚と石の色で利用者をカウントしているのもなんだかほっこり

進んでいくと現れたのは、溶岩でできたカラカラの地面と、背が低く、葉が硬くて厚い木々。なんとなく小笠原というと南に位置しているために熱帯雨林のジャングルのような自然を思い浮かべてしまいますが、それとは明らかに違う植生です。
父島は標高が十分に高くないために、海の湿気を含んだ風が雨にならず、その結果乾いた低木林になるのだそう。なんとなく暖かいからジャングル?という思い込みが、実際に足を運んでみることで違っていたことに気づくことができました。

急に溶岩と軽石が剥き出しの岩場に出る
乾いた草原のような植生景観

ツアーの帰りは途中で車を降ろしてもらい、ずっと楽しみにしていた小笠原珈琲を飲みに行きました。
私が好きな寺尾さほさんという歌手の曲に「小笠原珈琲の歌」という歌があるのですが、それもあってずっと気になっていた小笠原珈琲。USKコーヒーというカフェでいただくと、あっさりすっきり、フルーティーな香りが美味しいコーヒーでした。
ちなみにUSKコーヒーさんは、モモタマナという小笠原の固有種の種からナッツを取り出して、それを使ったクッキーやナッツバターを作っています。モモタマナのナッツバターは少し黒胡麻のような香りと、ピーナッツバターよりも濃厚さがあってとても贅沢な味でした。

最寄りのバス停からはかなり距離があるけど、
ここの区間は手を挙げればバス停じゃない場所でもバスが止まってくれるので、
お店の目の前までバスでアクセスできるはずです
念願の小笠原コーヒー・パッションフルーツのパンナコッタ・モモタマナのクッキー

疲れたので、午後は宿で少しのんびり。
その日の出来事を報告できる人がいたり、家のような感覚でくつろげる空間があるのもユースホステルの魅力です。

夜ご飯は、昨日のマグロのレアカツをリベンジするために洋風居酒屋CHARAに行ってみましたが、残念ながら今日も入荷はないとのこと。なので、もうひとつ気になっていた、あめのひ食堂にて夕食をいただきました。
「夜のツアーがあって、早めに出なきゃいけないんですが間に合うでしょうか…?」
とオーナーに聞くと、
「パパイヤのキーマカレーなら間に合うと思いますよ!」
とのことで、それをいただくことに。
私、恥ずかしながら食べ終わるまでどれがパパイヤか分からずじまいだったのですが、レーズンも入って少しトロピカルな感じの味がとても気に入りました。個人的には、上に載っていたゆで卵の半熟具合が絶妙でうなりました。

ボリューム満点のパパイヤのキーマカレー

急いでお腹を満たし、本日最後のイベント、夜のツアーへ。この日のツアーは、小笠原の夜の生き物たちに会いにいくもの。オガサワラオオコウモリ、オカヤドカリ、グリーンペペ(光るキノコ)を探しに行きました。
天気も良く、色々な生き物に出会えそうな予感!とはいえ、生き物との出会いは運もあるからあまり期待せずに…と自分に言い聞かせているや否や、ガイドさんがとっても手慣れた様子で次々と暗闇の中でお目当ての動物たちを探し出してくれ、全ての生き物をかなり間近でじっくりとみることが出来ました。

今日は小笠原の陸の自然をフルに感じて、大満足な1日でした^^

(2024年5月6日)
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せっかく1時間に1本のバスを捕まえたのに、降りる場所間違えて炎天下をめっちゃ歩いた

読んでくれてありがとう!またね!

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