過渡期

この病気になった時は、まだ昼間の運転も可能でしたし、人の顔もすぐに認識できていたし、「まぁ・・・。なんとかなるかな。」くらいに思っていました。もちろん不安が全く無かった訳ではありませんが。

しかし最近、「甘かった・・・。」と感じるようになりました。

職場で異動がありました。以前に配属されていた部署で、担当業務も以前と同じことをすることになりました。

以前に配属されていた時に一緒に仕事をしたメンバーもまだたくさんいて、しかも自宅から近くなったので私にとっては「とても配慮していただいた」と思える異動です。

でも、明らかに違うのです。

以前のようにテキパキこなせない・・。拡大鏡を使いながら事務処理していくので、一つの処理に時間がかかってしまいます。なので、以前の私を知っている人たちにどういう風に思われているかな?お荷物になっていないかな?・・と、少し不安になったりします。

それに、最近は人の顔が近づかないと本当に見えなくて・・・お客様の顔も離れていたらほとんどわからない。取引先の方などよく来られる方でも、顔がわからないので声をかけるタイミングがいつもずれてしまい、申し訳なく思います。

家族など、自分にとって大切な人の顔も近づかないとわからないのが、辛くなってきました。

私のような中途視覚障害者ならではの葛藤なのかなとも思います。

今までできていたこと、見えていたことが不可能になる。

よく、「当たり前と思っていたことが当たり前でなくなる」とか、「失って気づく」とか言われますが、その意味がわかってきた気がします。

前向きにと思っていましたが、最近「うぎゃーー!」って叫びたくなることがあります。

でも、叫んでも解決しないのは理解しているし、私自身がどんな状況であれ今現在も地球は回り続けているわけで・・・。

そう考えるとやっぱり前を向いて進むしかないので、叫ばずに呼吸をしています。

きっと今、私は過渡期に身を置いているのだと思います。

もう少しこの状況に慣れてきたら、また違う感覚で進んでいけるような気がします。

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