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還暦おやじのスタディアブロードWith ウクレレ⑮

 

語学スクールは日本語禁止!


 なかなか寝付けずに何度も寝返りを打ちながらも少しは眠ったようだ。

 今朝は、スクールでの朝食デビューだ。頑張るぞっと自分に気合をいれた。この時期のマニラは乾季であり最高気温は30度前後と把握しているのでTシャツと短パンを用意した。

そしてパジャマのままラジオ体操第一で体を動かした。長年聴きなれている曲だから音楽と体が一体となって気持ちがいいので第2までやりきった。

 スマホの時計は6時20分と表示している。何時ものようにニック式英会話ジムで口慣らしと耳慣らし練習を行った。これはplayストアから随分前に3,000円ほどで手に入れたのだが、どれだけ使っても追加料金が一切かからないのに、必要に応じてバアジョンアップしてくれるのでとても気に入っている。

 スタッフが呼びに来てくれるまでにはまだ1時間半ほど時間があるので、シャワーを浴びようとシャワー室で一番上についているつまみのようなものをひねるがお湯が出ない。

 やり方が悪いのかと何度もトライするが水しか出ないので、日本から持ってきたボディソープもシャンプーも使う事はあきらめた。
 水のシャワーを浴びながら今朝スタッフに伝えて直してもらおうと考えている。シャワーのお湯が出ないって、英語では「The hot water in the shower isn’t working.」だったかな~。

まぁ事前にフィリピン語学留学体験記などを読んでいて、トラブルの時の英会話として準備ノートに英文も一通り書いてきたので、私の発音が通じなくても指さすだけでも分かって貰えるから安心だ。

そして、シャワーを浴びてから短パンとTシャツに着替えて洗濯物をビニールに入れた。スクールでは部屋の掃除の他に洗濯もやって貰える事になっているからだ。

  朝食の時は日本語禁止がルールだ。そして、スカイプで話をした校長先生とも会うことになるだろうから、準備ノートを広げてあいさつ文を再度頭に入れる事にする。ようやく直接お会いできて嬉しいです。という英語「It’s nice to finally meet you in person.」を覚えておけば何とかなるだろう。

  コンコン、8時ちょうどにスタッフが予定通りに迎えに来てくれた。内側のドアのカギを外して、手前に引いて開けて鉄格子ドアの窓から外を覗くと黄色いスタッフジャンバーが見えた。

マニラ街並み

  こちらから挨拶しスタッフも挨拶を返してくれたので、鉄格子のドアを手前に引いて外に出た。ホテルから外出するのと同じように、カギを持ってスタッフについて行くと直ぐにスクールの門に着いた。門の内側は洗濯場になっていてその奥が建物の入り口になっていた。  

そこには、既に沢山の履物があるので私も靴を脱いで内部に入った。

 スタッフは3か所あるテーブルの内の一番奥のテーブルまでエスコートしてくれた、テーブルを見渡してみると既に何人かが食事をしていた。その中に空港から一緒だった彼もいて隣の男性と話をしている。

  彼の隣の男性は私に気付くと隣に座るように手招きしながら英語で挨拶をしてくれた。その人は校長先生だった。どうやら校長の両隣がニューフェイスの朝食デビュー時の指定席らしい。会話は英語だが後から思い出しながら部屋でノートに英文と共に日本語訳も書いた。

It's nice to meet you in person.

校:「Good morning. It’s nice to meet you. Welcome to Manila.」おはようございます。ようこそマニラに。
鍵:「Good morning. It’s nice to finally meet you in person.」おはようございます。直接お会いできて嬉しいです。
校:「Same here. Did you sleep well last night?」こちらこそ。昨夜はよく眠れましたか?
鍵:「Yes, I slept well, Thank you.」はい。良く眠れました。ありがとう。校:「How was your flight?」フライトはいかがでしたか?
鍵:「It was all right. I was able to study English.」よかったですよ。英語の勉強も出来ました。
校:「That’s good. I’m looking forward to your self-introduction on Wednesday.」それは良かった、水曜日の自己紹介も楽しみにしてみますよ。鍵:「I will try my best.」精一杯頑張ります。
校:「Please play the ukulele when you introduce yourself.」自己紹介の時にウクレレを弾いてください。
「There are no classes today. Mango will guide you around the mall, so please spend your time today. 」今日は、授業はありません。マンゴウがモールなども案内しますので、今日はゆっくり過ごしてください、と言って席を立って自分のオフィスに行ってしまった。

 スクールに申し込んでスカイプで趣味の話をした時に「I play the ukulele in my free time.」暇な時はウクレレを弾いていますと、言ったのを覚えていてくれたことにとても親しみを感じた。 

 食事はビュッフェ形式となっていた。食事開始から少し時間が経過していたので誰も並んでいない。私は食材を選びながらみそ汁と最後にご飯を盛り付けた時に、同年代の女性が声をかけてくれて一番手前のテーブルに誘ってくれた。
 最初は気が付かなかったが3つのテーブルは年代別に分かれているようだった。一番手前が日本人の高齢者グループ。2番目が若者グループで一番奥が勉強熱心グループで外国人らしき人も混ざっている。一番奥のテーブルは英語で活発に会話を楽しんでいる。

高齢者席は、筆談!

筆談

 2番目のテーブルは私でもわかる程度の簡単な英語で話をしている。
 一番手前は黙々と食事をしている。中には紙やiPadにペンを走らせながら頷きあっている人たちもいる。本心では日本語で話したいのだが、夕食時以外に日本語で話をした場合の罰金制度を気にしている様子だ。

 私も会話したのは決まり文句のどこから来たのですか。とか、何日間滞在する予定ですか。なんて話をしたぐらいだ。シゲキと呼んでくださいと話したが、私も含めて高齢者としては、名前で呼ぶことに抵抗があるようなのでシゲと呼んで貰う事にした。

 もしかしたらこの一番手前のメンバーの中では、私は英語の勉強への意欲は高い方に分類されるかもしれないと感じた。それは無理もない平均年齢も私よりも高いようだと考えながら、筆談している紙を覗いてみてもやっぱり全部日本語だった。

A:「今日、スパに行ってマッサージしてもらう?」
B:「英会話できなくても大丈夫なの?いくら位かかるの?」
A:「英語が話せなくても大丈夫だったよ。90分で1500ペソ。日本円で3000円」
B:「それなら夫も一緒でお願いします。」
A:「待ち合わせは19時半に門のところでいい?」
B:「いいよ。タクシーで行くの?」
A:「ショッピングモールの中だから歩きで行きましょう。」
B:「始めてなので楽しみ。」

なんて具合でスタディアブロードもいろんな楽しみ方があるようだ。このスクールはバリバリの英語学習者だけだとHPを観て認識していたがそうでもないらしい。そう思うと肩の力が一気に抜けてホッとした気分になったが、自分自身のモチベーションを維持するために、なるべく早い時期に真ん中の席に移動しなければという思いがふつふつと湧いてきた。顔を上げて回りを見渡すと2番目テーブルと奥のテーブルには誰もいない。

多分、彼らは9時から英会話の授業が始まるのだろう。そして一日8時間の授業を選択した人達なのだろう。きっとこちらのテーブルの人たちは、私と同じように1日4時間の授業を選択した人達なのだろうと考えていた。

一番手前のテーブルも何人かが席を立って食器を片付けている。どうやら食事はセルフサービスで食器は自分で洗い場に持ってゆく決まりの様だ。私も、洗い場に持って行った。ありがとう、美味しかったと言って部屋に戻ろうとしたときに声を掛けられて振り返った。声の主は今朝部屋に案内してくれた彼女だった。

「Good morning. I’m Mango. I’m going to your room at 10 o’clock today. 」おはようございます。私はマンゴウです。今日の10時にお部屋に行きます。

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