「テセウスの船」最終回前考察

日曜劇場「テセウスの船」が大変盛り上がっていますね。視聴率も11-15%台をキープ。正直原作はそこまで評価していなかったので、ここまで盛り上がった…というより、本当に面白くなってきたことには驚いています。竹内涼真、鈴木亮平を始めとする俳優陣の奮闘もさることながら、原作の良い所を最大限生かしつつ、大胆に手を加えてドラマ独自の作品世界を構築した製作陣の手腕は大したものです。

さて、能書きはこのくらいにして。いよいよ来週3月22日は最終回。第9話を見終わった時点での考察を、私の呟きから抜粋しつつ書き留めておきたいと思います。

まずこの作品、伏線らしきものはそこら中にばらまかれているのですが、その殆どは、真犯人が誰かわからなくするためのフェイクと思しきもの。校長も、さつきも、徳本も、井沢も、田中正志も、全ての人が怪しく描かれているからです。従って、フェイクに惑わされないためには製作側の意図を推理するしかなさそうです。

第9話を見て思ったのは、なぜラス前になって馬淵刑事(小藪さん)のような強烈な悪役を出してきたのか?ということ。つまり、

・いくら何でも真犯人ではない(ラス前初登場の人が犯人では白けてしまう)。

・馬淵はここからの展開に必要なキーパーソンである。きっと馬淵を使ったどんでん返しがある

この2点から、馬淵は実は悪役ではなく味方なのではないか?という仮説が浮かんできます。この仮説を起点にして考察した結果、私は以下の妄想ストーリーにたどり着きました(笑)

・文吾が拉致される日、森刑事は署で文吾からみきおが犯人と力説されている(ここまでは実際の描写、以下妄想)。

・森刑事はその場では取り合わなかったが、金丸刑事が言っていた明音の首の痣に対する違和感に思い至り、馬淵にそのことを話す。実は馬淵は金丸を尊敬しており仇を討ちたいと思っていた。明音の写真も当然見ており、みきおへの疑いを森刑事と共有する。

・そうこうしているうちにみきおが意識不明で発見された。2人は最初は文吾を疑うが、黒幕の存在を悟り、黒幕を泳がすために一芝居打つことを決めた。つまり文吾を疑っているふりをして、佐野家周辺に動きがないかを監視する。翌日、佐野一家が徳本と井沢に猪汁を振舞われている間、被疑者が交番と庭に忍び込んで何かに細工するのを、佐野家を監視していた森は遠くから目撃していた(暗闇で、誰かまでは識別できていない)

・その後で文吾が署に出頭した際、馬淵と森は奥の方で2人で話していた(実際の描写)。馬淵は森から上記の報告を受けていたのではないか。その後文吾を留置したのも、被疑者を泳がすための陽動作戦だと思われる。

・翌日、「駐在日誌」と書かれたフロッピーが発見されたとパトロール中の警官から無線で聞き、細工されたのがワープロだと悟る。そしてワープロから犯行文を、庭から青酸カリを発見し、文吾を連行。(この日文吾を連行することは予め決められた筋書きだった。)

・文吾はこの後署で一部始終を聞かされ、芝居に加わることになるのだと思う。なぜそう思うかと言うと、公式の予告に以下の記述があるからだ。自供をすることで真犯人がアクションを起こすのを誘おうという意図だろう。

駐在所のワープロから犯行日記が、庭から青酸カリが発見されて逮捕されてしまった文吾(鈴木亮平)。しかも……文吾は一連の事件の連続殺人の容疑を認め、自供する。「俺が犯人だ」。心(竹内涼真)と和子(榮倉奈々)は文吾から「家族の縁を切る」と言われ、ショックを受ける。すべては黒幕の仕掛けた罠なのか、それとも本当に文吾が殺人犯だったのか。

・校長も恐らくは味方。恐らく、お楽しみ会の日に真犯人とみきおの不審な行動を目撃しているのではないか。第8話でさつき先生と口論しているガラス越しの様子を心が目撃しているが(実際の描写)、これは、校長がみきおへの疑いをさつき先生に話したからと思われる。そしてフロッピー廃棄現場に居合わせたのは真犯人の行動を私的にマークしていたから。つまり真犯人は、フロッピー廃棄現場にいた田中正志

・みきおが青酸カリで殺されかけたのは、みきおが31年後に自分を殺すことを正志がボイスレコーダーで知ったから。正志が文吾を死刑にしたがる動機はわからないが、それはこれから明らかになるのだと思う。

・由紀ノートを返してきたのは実は校長ではないか?免許はみきおか正志に拾われたが、ノートは別のところに落っこちて校長が拾った。校長は1977年の音臼村祭との関係を怪しんでおり、その謎を心に解かせようとした?

考察(妄想)は以上となります。なおこの妄想には一つ致命的弱点がありました。それは、心がいなくても問題なく事件が解決しそうなところ(笑)最終回の予告を見ると心と真犯人との一騎打ちを思わせる描写になっているので、上記とは全く違う展開になるのか、な…。

 そして、事件の真相を追う心の元に黒幕から最後のメッセージが届く。それは、心に究極の選択を迫るものだった。過去を変えて家族の未来を救うため、心はある決意をする。やがて迎える黒幕との対峙。そこで事件のすべての真相が明らかにされる。心と家族の未来はどう変わるのか……?

いずれにしても次の日曜21時が待ち遠しい。

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