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何故Youは運営へ?学生運営者2人で深掘るICS2020

2020年度日本学生オリエンテーリング選手権大会 スプリント競技部門(以下ICS2020)が12月6日(日)に開催。本大会開催にあたり、現役(ここでは学連登録者のことを指す)には「運営」として大会を創るか、「選手」として大会を創るかの選択権が与えられた。本記事は、「運営」として参加した2人の現役選手による対談をまとめたものである……。
※執筆・掲載が遅れましたこと心よりお詫び申し上げます。

1.自己紹介

伊藤:
ということで、堅苦しい前置きから始まりました。多くの方が初めましてですかね!KOLC所属、慶應義塾大学3年生の伊藤頌太(いとうしょうた)と申します。色んな所に顔を出しているので、「なんとなく名前くらいは聞いたことがあるな……」って方が多いかもしれませんね!
趣味は道の駅・朝市巡りと動画制作(Aviutl使ってます)、好きなテレインは「乙供」「伊勢治田」「倉渕」とかです!界隈の人には「いとしょー」と呼ばれてます!

今回、ICS2020を大学生運営者視点で振り返ろうということで、同じくKOLC所属、横浜市立大学3年生の阿部遼太郎(あべりょうたろう)君と一緒にお話していこうかなと思います。彼は今年度の全日本大会(ミドル・ロング)でM21Eを走るほどの実力者かつイケメンで有名な選手ですね!
趣味は輪行してどこかに行くこと、好きなテレインは「伊豆大島」だそうです。界隈の人には「あべりょー」の名で親しまれています。
本日はこの2人で、ICS2020を振り返ろうと思います!

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2.ICS2020運営に関わってみての感想

伊藤:
もう2週間前ですか……。時が過ぎるのは早いですね。率直に運営に携わってみてどうでしたか?

阿部:
僕は初めてスタート地区をやっていたんですが、集中する選手の姿を間近で見ることができて、楽しかったですね。友田さん(早稲田2014年度入学)やしおりさん(実践女子2018年度入学)など経験ある方がまとめてくれて、非常にやりやすかったです。知り合いが多かったのも緊張せずに業務を行うことができた1つの要因かなと思います。まあ、スタートの様子を見ていたからこそ、やっぱ走りたくはなりましたね笑

伊藤:
うんうん笑 上島さん(慶應義塾2015年度入学、コースプランナー)曰く「スプリントが嫌いな人でも好きになれるコース」らしいので、僕も欲を言えば一回は走りたかったですね笑
パートに関しては、確かにスタートには現役は2~4年生がバランス良く居て、OBの方もいたって意味では多様でしたよね!

阿部:
正に、多国籍でした!

伊藤:
会場もそういえば、大学も入学年次も本当にバラバラだったな~。インカレ運営ならではって感じだね!

僕自身はぶっちゃけしんどいこともあったけど、通して楽しかったな~という感想ですね!インカレ運営が本当に大変だってことがわかって、これまで運営して下さった皆様に感謝の想いで一杯になりました!

独自で取ったアンケートでは、「運営が純粋に楽しかった」という感想や「もっと頑張ろうと思えた」という向上心溢れるコメント、参加者兼運営者の方からもありがたいメッセージをいただけました。

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3. インカレ運営に参加しようと思ったキッカケ
 運営に回ろうと決意した理由は!?

伊藤:
あべりょーが参加を考え始めてくれたのって、僕からの呼びかけだったよね?

阿部:
そうそう!

伊藤:
あの時期は人が全然足りなくて、谷野さん(筑波2017年度入学、本大会実行委員長)から「人集めどうですか!?」LINEが来てたんで、KOLC、関東学連2019年度、2020年度のLINEグルにメッセージを送って、運営者を募っていたんですよね~。その後、何人かの方からすぐにご連絡をいただけて自分自身勝手に感極まっていました笑
キッカケは俺だとしても、運営に回ろうと決意したのはなんでかな?
あべりょーは去年のスプリントエリートだし、個人的には入賞を狙えるレベルにいたと思っているんだけど……

阿部:
今回はイレギュラーな形で、正直あまり「インカレ」っていう感覚はなかったんだよね……。まあ当日運営してみて、がっつり「インカレ」だったんだけど笑 そういうこともあったし後は理由としては3つあって、
①運営者が足りていないということもあって参加した
②インハイ運営をきっかけに、選手をサポートする楽しさを知った
③インカレロングが終わった時期で、競技としていったん区切りという心理状態になった

てとこかな。

伊藤:
なるほどね~。②③をまとめると、「インカレを競技面では楽しめたから、今度は運営面で楽しんでみよう!」っていう気持ちになったんだね!本当にオリエンテーリングが好きなことが伝わってくるな~

阿部:
ICS2020参加者は知っている人が多くて、その選手をサポートできたのは楽しかったね!

伊藤:
素敵すぎる!笑
ちなみに、俺は9月14日に運営者募集のファイルが届いたその日に谷野さんにLINEしたね!客観的に見れば俺も今年ありがたいことに一度エリート走らせてもらっているから、「頑張ればスプリントも決勝にはいけたのかもな」って思ったり思わなかったり笑
まあでも、運営に回った理由としては
①「運営者が足りなくてインカレ開催できませんでした……」ってなるのは嫌だった
②オリエンテーリングが大好きだから(運営も競技もやりたい人なので)
③インカレが好きだから
④「後輩にも先輩にも同期にも走ってもらいたいな~」って思ったときに、運営に回るべきだなって思った

とかかな。なんか考える前に動いていたって感じだった気がする笑

実際、きっかけは「誰かから誘われた」が多いけれど、運営に回ることを決意したのは、「想い」ベースの理由が多いというところも、皆さんの「オリエンテーリングが好き」「インカレが好き」という熱い部分が伝わってくる感じが良いですね!

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4. インカレ運営の中で印象的だったエピソードは?

伊藤:
さっき、「選手を間近で見れて楽しかった」って言ってくれたと思うんだけど、具体的にはどういうところが楽しかった?或いは印象的なエピソードとかがあれば!

阿部:
印象的というか新鮮だったのは、選手のルーティンが見れたことかな~
例えば、2分前枠で独り言を唱えていたり、全身の体を叩きまくっていたり、決勝と予選で服装をがらりと変えていたり(予選は長袖、決勝は半袖とか)と個性が出ていたのは興味深かったな!

伊藤:
なるほど~ 少し見てみたかったな笑

阿部:
あとはあれかな、決勝の時は1分前枠と2分前枠の間が距離があったからそこの誘導を担っていたんだけど、往復60m100人分を誘導したのはさすがに疲れたね笑 
実はその日の移動距離が徒歩だけで20kmを記録していて、誰よりも移動した説すらあるね笑

伊藤:
20km!?それはお疲れ様でした!

そういえば、あべりょーは予選のコースを試走したんだよね?
コースはどんな感じだった?

阿部:
細かいナビゲーションが求められるところが楽しかったな~
地図見た感じだと予選の方が個人的には面白そうだった

伊藤:
確かに地図見た感じはテクニカルそうだったね
実は地図を本格的に見たのは運営が終わった後だったんだよね!
予選でプールエリアを使うことすら知らなかったから、当日実況を聞いて「え?今回プール使っているのか!」ってなったわ笑
茨大動画班がICS2020予選の様子をYouTubeに挙げているので是非見て欲しいです!

伊藤:
アンケートでも印象的なエピソードに個々人の色が出ているのが面白いですね!
小牧さんは確かに圧倒的だったな~

阿部:普通にキロ4切ってくるのはすごいよね!正に他を寄せ付けない強さだったな!

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5. インカレ運営の中で正直しんどかったエピソードは?

阿部:
そういえば、印象的なエピソードとも言えるかもだけど、柵の設置はめちゃくちゃ大変だったな~。オレンジの網に10m間隔で支柱が通っているから、その支柱を一本一本地道に埋めていく作業で、コンクリートと土のギリギリのラインに立てるから全然支柱が刺さんなくてさ笑
その塩梅が難しかった!
でも、OB/OGさんと現役が混ざって柵を建てるのに必死になる感じはなんか面白かったな笑

伊藤:
設置が前日の夕方だったし、日没との勝負みたいな感じだったからね。
本当に柵制作班・柵設置班・柵を撤収してくれた皆さんには感謝ですよ!

阿部:
柵の撤収には100人以上いたもんね!いや、本当にありがたかった!

伊藤:
「あんなに早く撤収ってできるんだ」って思ったもん笑
あの量を1時間ちょっとで撤収できるのは、インカレ運営ならではかもね

僕自身しんどかったことは、資材の多さだね
本来なら会場表彰救護のパトチだったんだけど、さすがにキャパオーバーで、みおりんさん(津田塾2017年度入学)に表彰部分を託しました。本当にありがたかったです。
それでもまあ資材は多くて、友田さんに何度も確認を取りながらまとめていったって感じかな。
その節はお世話になりました。
後はインハイ運営とか研究会活動とかなんやかんやで忙しくて、マルチタスクの難しさを実感しましたね笑
会場の皆さんが優秀すぎて本当に助けられてばかりの運営だったなとつくづく思います……。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。

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しんどかったエピソードも本当に人それぞれ。
だけどそういうしんどいエピソードがあったからこそ、運営が終わった時の達成感が大きくなるのだろうなと感じました。

6. 今後オリエンテーリングとどう関わっていきたいですか?

伊藤:
色々話してまいりましたが、最後にあべりょー選手の今後の抱負を聞かせていただいてもよろしいでしょうか?

阿部:
運営も楽しかったけど、やっぱり競技やりたいな~って笑
運営2:競技8くらいで今後は関わりたいですね

伊藤:
インカレ見てるとやっぱ競技やりたくなるよね~
俺も運営3:競技7くらいで関わりたいかな~

阿部:
いとしょーは5:5くらいでしょ?笑

伊藤:
そこらへんはご縁があればということで笑
まあ、でも今回は本当にインカレが様々な人によって創られていることを実感できた素晴らしい機会だったなと思う。
だからこそ今後は競技者として大会を、インカレを全力で楽しむようにしたいなと思いますね。

阿部:
うん!運営者の皆様への感謝の意味を込めて……

伊藤:
はい!それでは本日はありがとうございました!

阿部:
ありがとうございました!


「インカレスプリントを守りたい!運営したい!」と年代を超えて集まった約50名の運営者と約50名のコントロールガードの皆様。
今後は一人一人違うオリエンテーリング人生を歩むことになるだろう。
同じ志を持って運営に励んだ仲間の動向に今後は注目していきたいと思う。


今後オリエンテーリングにどう関わっていきたいですか回答数20)

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7.運営者名鑑(写真は有志の方のみ載せています、敬称略)

実行委員長           谷野 文史 (筑波2017年度入学)

97CB40B6-F6A9-466C-A906-801C2C3F5542 - 谷野文史

競技責任者           西下 遼介 (慶應義塾2016年度入学)

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運営責任者          友田 賢吾 (東京経済2018年度入学)

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競技副責任者         瀬川 出 (東京2014年度入学)
コースプランナー       上島 浩平 (慶應義塾2015年度入学)
渉外責任者          山川 克則 (栃木県協会)  
渉外副責任者         荻田 育徳 (栃木県協会)
広報責任者          楊 馨逸 (早稲田2016年度入学)
会計責任者          佐藤 珠穂 (法政2017年度入学)
エントリー責任者       伊部 琴美 (名古屋2017年度入学)
イベント・アドバイザー    宮川 早穂 (立教2012年度入学)
イベント・アドバイザー補佐  石澤 俊崇 (早稲田1993年度入学)
地図調査者          宮西 優太郎(宮西山野精図)
パトロールチーフ       松尾 怜治 (東京2014年度入学)
パトロールチーム       日本学連OB/OG有志の皆様
選手名鑑作成チーム      羽田 拓真 (横浜国立2019年度入学)
               坂巻 朱里 (十文字女子2019年度入学)

DBA2CF63-3666-401E-867C-DA87813AA7A9 - 坂巻朱里

会場・表彰・救護チーム     伊藤 頌太 (慶應義塾2018年度入学)
                栗本 美緒 (津田塾2017年度入学)
                明神 紀子 (聖心女子2018年度入学)
                中川 和音 (日本女子2019年度入学)
                海老 成直 (中央2004年度入学)
_________________________________
スタートチーム         冨山 詩央里 (実践女子2018年度入学)
                小田 隼人 (東京農工2018年度入学)
                生田 崚 (関東学院2017年度入学)
                阿部 遼太郎 (横浜市立2018年度入学)
                友田 雄大 (早稲田2014年度入学)
                加藤 涼子 (慶應義塾2019年度入学)
                金子 詩乃 (日本女子2017年度入学)
                写真の中の右の方です

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                若月 俊宏 (東京工業2018年度入学)

IMG_7579 - 若月俊宏

計セン・フィニッシュチーム    根本 夏林 (東京2017年度入学)
                 大鶴 啓介 (東京2017年度入学)
                 根岸 健仁 (一橋2019年度入学)
                 室井 葉介 (横浜市立2018年度入学)
                 柏田 芳樹 (一橋2017年度入学)
                 大西 正倫 (東京2013年度入学)
                 鈴木 璃土 (筑波2019年度入学)

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配信チーム             坂野 翔哉 (東京理科2014年度入学)
                  小柴 滉平 (筑波2012年度入学)
                  桑原 大樹 (東京2013年度入学)
                  長井 健太 (東京農工2015年度入学)
                  前中 脩人 (東京2013年度入学)
                  勝山 佳恵 (茨城2015年度入学)
                  北川 賢也 (横浜市立2015年度入学)
                  栗山 ももこ (横浜市立2019年度入学)
                  池ヶ谷 みのり(一橋2018年度入学)
                  岡野 幹生 (東京工業2018年度入学) 
                  金澤 晴樹 (京都2018年度入学)
                  尾崎 高志 (早稲田2001年度入学)
                  大竹 達也 (金沢2013年度入学)

後書き(読み飛ばしていただいて大丈夫です笑)

私はオリエンテーリングが大好きです。
高校時代腰の怪我を負い、スポーツマンとしての人生が絶たれたかと思っていた自分にとって、大学でオリエンテーリングに出会えたことは正に一筋の光が飛び込んできた感覚でした。
しかしながら、同時にオリエンテーリングには悩まされてきたことも事実です。この部分は、他の方もアドベントカレンダー等で素晴らしい文章を書かれているので、想像するに容易でしょう。

そういうのもひっくるめてオリエンテーリングが好きなんですよ。
でも何かを「好き」になるってそういうことなのかもなって最近思って、
しんどいことが多いからこそ、得られる達成感や嬉しさが多いんだなって
そしてそれを語り合える仲間がいることが最高に幸せなんだって!

振り返ってみてください
オリエンテーリングだって、「登りつらいな~」「藪切りたくないな~」とか途中では思っても、終わったら「レース楽しかった!」ってなってること多いじゃないですか?
レース後、「ここどういった?」とか語り合う時間が私は最高に楽しかったりします。

それで、「好き」が転じると(私だけかもしれませんが)サービスを享受する側だけではなく、サービスを創る側に回りたくなるんですよね(逆のパターンもあります)
例えば、ある動画を見て感激を受けたら動画を制作していたり、
    HP見て「すごいな~」って思ったら、HP制作やってみたり

りとくん(筑波2019年度入学)の記事とか
https://r1t0orienteering.hatenablog.com/entry/2020/12/07/190930
あかりさかまき(十文字2019年度入学)の記事とか
https://orien-advent.hatenablog.com/entry/2020/12/09/000000
読むと面白いですよ!(本当にいいブログ書くな~と脱帽)

近藤さん(名古屋2010年度入学)も「参加だけしている運営だけしているでは、オリエンティアとして片手落ち」とおっしゃっていましたが、
https://orien-advent.hatenablog.com/entry/2020/12/06/024107
そうなのかもしれないなと思いました。

結論、「挑戦しよう!」という心意気も大事ですが、「興味あるからやってみよっかな~」くらいの、少し背伸びをする感覚で物事を始めるといいですよ!それが、あなたの「好き」になることを心より願っております。

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