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雨の前、街灯

夕方、街灯が点り始める時間。

いつも同じように点灯するのだけど、雨の前だけは特別な美しさに目を奪われる。
街灯のオレンジ色が同心円上に淡くなりながら広がっている。
グラデーションを描いた無数の円が見える。

私の推理では、雨の前で湿度が高いと空気中の水分が多いから光をより反射しやすいのではないか。
水彩画の水でぼやかした境界みたいなものなんじゃないか、と思っている。

それを目にした時はいつも急いで撮影してみるのだけれど、見たのと同じように撮れたことはない。
光の粒が並んだ輪はスマホと私の腕では撮れない。

そしてこの画像はその瞬間でもない。
光の粒子が並ぶ周辺部の美しさではなく、中央の光そのものが強く輝いていたタイミング。
強い光にも弱い光にも心惹かれる。

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