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番外:ダンプの運ちゃん

仕事のために、ダンプトラックに乗ってきました。

仕事の内容は至って単純。
ダンプに積まれた建設発生土がキチンと建設業者が届け出ている搬出先に運ばれているかどうかを確認するためです。

往復二時間のドライブです。

私はドライバー(以後、運ちゃんと書きます)に缶コーヒーを一本差し入れました。

運ちゃんに取ってダンプトラックは自分の城です。

仕事とはいえ、赤の他人が乗ってくるのは気分のいいものではありません(逆の立場だったら私も同じことを感じると思います)。

私はそんなときに絶対、挨拶と同時に缶コーヒーを渡すようにしています。

運ちゃんの多くはスモーカーが多いので缶コーヒーがベターな場合が経験則で学んだことです。

この日の運ちゃんは気さくなオッチャンでした。

缶コーヒーを渡すと

あざっす。いただきます。そんなに気を使わなくていいっすよ~

と元気よく返事を返してくれました。

年末から年度末に差し掛かるこの時期は工事現場でダンプの取り合いが激しく、最も忙しい時期です。

最初は忙しい時期にいろんな現場からダンプをよこせ、という連絡が多くて大変なんすよ・・・的な話から、最近の若い者は的な話等・・・・世間話が途絶えることなくダンプは進んでいきます。

目的地で土砂を下ろす帰り道も、話は尽きません。

やはり普段一人で運転していると話し相手がたまにいるのも運ちゃんにとって楽しいのかもしれません。

そんな話の中で、印象に残ったのが、

世の中、頭のいい偉いさんがいろいろと物事を決めてくれて現場に仕事をくれるのはありがたいんすけどね、そのルールやら調整が現場の状況を全く理解してくれていないことが多いんすよね・・・。

そりゃあ、やれって言われたらできる範囲ではやりますよ、でもどこも人がいねえのが現実っすよ。お手上げですわ。

お偉いさんはもう少し現場を見て物事を決めてほしいもんっすね。

確かに、運ちゃんの言う通りです。

現場百閒。百聞は一見に如かず等々、昔の人は格言を残してくれています。

私にとって改めて現場の現状を再認識し、初心に帰ることができるドライブでした。

別れ際に運ちゃんが、

今日は勉強になりやした。

また、ドライブに行きましょう!!

と挨拶してくれました。

昼前に現場に戻りましたが、個人的にはすでに仕事を終えたような充実感がありました。

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