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うつ病になったときのこと140

副住職は住職から私が話した概要を聞いてから話しはじめました。

今、半年以上このような状況が続いてお辛いかと思います。
かく言う私は人の世が嫌になり、世間から離れて生活している身でございますので偉そうに話せる立場ではないことは承知の上でお話させていただきます。

人間ほどわかりあえない生き物はないと思っております。家族のことですら、何を考えているかわからないことはざらにございます。
ましてや他人をや、と言ったところでしょう。

一度人間不振に陥ると、自分の心はなかなか修正できるものではありません。
今考えると私も一会社員として、一家の長として精神的に追い詰められていたことは間違いないと思います。

あの時、私はすべての関係を投げ捨てて俗世から離れることを決めたのです。
結果として家族がついてきてしまいましたが。

もちろん自殺ということも脳裏を過りましたが思い留まりました。
不思議と周りに迷惑がかかるなぁと思ってしまったんです。全てを捨てようと決めた人間のわりにとんだ笑いものだな、と一人で笑ってしまいました。
それほど人間には煩悩が常にあることを改めて認識させられました。

話は長くなりましたが、あなたさまを救う即効性のある解決策はおそらくないでしょう。

全ては時に身を委ねるしかないのではないかと私は思いますよ。

私は副住職の言わんとしている本質がなんとなく理解できたような気がしました。

つづく

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