お金の発行のカラクリ 4

ブログ転載2018.7.4(一部改訂)

信用創造というものがある。
お金が世の中に誕生するシステム、英語ではmoney Creationという。
”通貨創造”と同意義である。

 一般的には、銀行は手持ちの資金を貸し出しに使っているという認識が多いのだがそれは明確に誤りなのである。
実は銀行などの金融機関は自分の持っているお金を誰かに貸し出して、融資を行うのではない。貸し出すことにより貨幣を創造(Create)しているのである。

例えば銀行自体にお金が100円しかなくても、1億円の融資を行うことができる(法律的制限を除く)。

どうやってそのようなことを行うのか。
それは預金というシステムを使うのである。

考えてみよう。
銀行からお金を借りる際、例えば住宅ローンを組む時などである。
我々は現金紙幣を受け取ることはまずない。なぜか。それは借り入れたお金はすぐに住宅メーカーに支払い(振込)を行うのでいちいち現金を出す合理的理由がないからである。

銀行は1億円貸付の契約が成立すると、借りた人の「預金通帳」に100,000,000と記帳することだけで貸付を行っているのである。
それだけである。銀行の持っている100円に特に変動はないのである。つまり銀行に原資は必要ないのである。
そして、簿記上の仕訳として「借方 貸付金 1億円 / 貸方 預金債務 1億円」と記帳して終了である。

ここにお金が生まれた(貸し借りによって)のである。無から有へと・・・

借りた人は、通帳引落や振り込みなどでその1億円を自由に使うことができる。つまりこれを住宅メーカーに振り込むのである。

つまり借金をすることにより、そして1億円は利息とともに銀行に返済もしなければならない。これがお金の生まれるからくりである(信用創造と呼ばれている)。

はじめは、自分も信じられなかったが、いろいろと検証してみるとこのような仕組みで間違いないことがわかった。もちろん銀行の銀行である日本銀行も預金システムを持っているため政府や銀行に対してこういった形で「お金」を発行している。

いわゆる「お札を刷って・・」という形でお金の発行を表現することが多いが、こういった形で行われるのは、実は汚損したお札との交換や紙幣ニーズによっての補充にのみ使われるのであって、国内のお金を増加させることが目的ではないのである。

この信用創造を理解することにより、日本の財政の仕組みが完全に理解することが容易になるのである。

次回に続く・・・

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