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ししおのつぼやき1 マティス展の傾向


6月15日 21:07 ·

6月4日(日)10時を予約して東京都美術館のマティス展を見に行った。
いくらポンピドゥーのコレクションでも、1992年に見た、エルミタージュの「ダンス」などロシアからも大作を借りてきたニューヨーク近代美術館の大展覧会にはかなうべくもないが、マティス展としては悪くなかった。
といいつつ、MoMAで見た、フォーヴィスム、20年代色面構成、30年代ニース、切り紙と、谷間をはさみながらも次々と異なる頂点が現れ、異なる視界が開けてくるという、まるで3000m級の山の縦走をしているような(当時は「ジェットコースター」と思った)スリルはなく、個々の作品で十分立派な……というと控えめに聞こえるが、実際、20世紀美術の頂点といってもいい作品があっても、何の感銘もなかった。無数の直しのあとに最高の線を引くドローイングがカッコいいと思っていたが、今回はいつまでも優柔不断で未完成が気になってしまった。

しかし言いたいのはそんなことではない。
少なくとも2点、おそらく3点以上、絵が傾いているではないか! 測ってみてほしいが、右が5mmくらい高いものがあるのはかなり自信がある。美術品作業員も、主催メディアも、監視員も、あれだけ多くの観客も、ポンピドゥーのクーリエも、そして学芸員も、誰も気づかないの?
あるいはわかっていても気にしないの? 
クーリエいないところでは勝手にいじれない?
照明がハレていたり均質でないことはよくあって、それは照明器具と絵の位置関係でどうしようもないことはある。
しかし絵の傾きくらい直せよ。

ところで絵と比べれべ魅力がないのは明らかでもマティス本人は彫刻に熱心だったのはわかった。だんだんモデルを変形していって髪型がサザエさんになってしまっていた。