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ピアスを開けられない

派手髪も経験したし、カラコンもたまに着けている。
しかしピアスは開けたことはない。
「親からもらった身体に傷をつけるなんて!」的偏見のせいではない。幼い頃から今にいたるまで、不注意による怪我やら高校までの体育で熱くなりすぎたゆえの負傷やら、それなりに傷も負ってきた。そもそも怪我や傷が親不孝なら、スポーツどころか学校の体育すらやるべきではないということになるまいか。

開けていない大きな理由の一つとして、これまで耳が見える髪型をしてこなかったからだと思う。ミディアム→ロング→ボブと、耳を隠して生きてきた。だが耳に特段のコンプレックスはない。人並みの耳の形だと思うし、搔きすぎのきらいはあるが疾病も特にない。耳を見せることには抵抗ないが、見せたいとも思わない。

高校まではピアス禁止だったが大学に入ってからも特に開けようと思ったことはなかった。ピアスに限らず実のところアクセサリーに対する関心が薄い方だとは自認している。つけよう!と強く決意しない限り、普段は腕時計しか身に着けていない。嫌いなわけではないが重要性も見いだせないのだ。

しかし修士に入った頃から、研究室で耳に穴が空いている人が増えた。彼女たちから「空いてないんですか!意外です!」と驚かれることもありまた開けることを勧められた。

また髪型を夏らしくまた少し短くしたことで、耳がちらりと見える可能性が生じた。そこでまたピアスを検討し始めたのである。
手始めに樹脂イヤリングを買って着けはじめた。サイズ感やちらりと見えるきらめきを気に入っていたものの、すぐに樹脂が折れてしまった。これはやはり穴を開ける他ないのだろうか?

地域で評判の良い皮膚科を探しつつ、開けようか迷う日々である。他人が開けているのには偏見はないが、自分の耳に穴を開け異物を通すということに抵抗が拭えないのもまた事実である。アクセサリーへの興味のなさも相まって、開ける意味があるのかまた自問自答してしまう。

開けるならはじめは耳たぶだと考えている。だがどうせなら軟骨、特にインダストリアルに憧れている。しかし安定にも時間がかかりそうだし、何と言っても痛そうで躊躇してしまう。フェイクインダストリアルから始めてみようか。


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