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母が血迷って飼ったうさぎの話①


※この文章は動物が好きな方、ペットを飼っている方には一部不快な表現があるかもしれません。ご了承ください。

私はどちらかと言うとペットを飼うということに対してあまり前向きに思えないタイプです。
自分以外の命を預かる覚悟がないですし
なんだか人間のエゴのような気がしてしまうのです。

そんな私も実家で一度だけ
ペットを飼ったことがあります。

今でこそこんな考え方ですが
まだ考えの成熟していないこどもの頃なんかは人並みに「犬飼いたい」「猫飼いたい」と言っていた時期がありました。

親にはずっと反対されていて
いつからか
「うちはペットを飼うことはないんだ」
と事実を受け入れて 
上記のような考え方に
徐々にシフトしていきました。

ですがそのずっと後の高校時代
しかも両親の離婚で生活水準が落ちた
まさかその後に
実家でペットを飼う日がやってきました。

ある日
私たちを女手ひとつで育てて
余裕がないはずの母親が
うさぎを飼う
と言い出したのです。

私と妹は止めました。
こんな貧乏な家で
ペットを飼う余裕ないでしょと。
みんな家にいない時間が長いから
ペットがかわいそうでしょと。

まるで小学生の時に繰り広げられる
親とこどもの会話の逆バージョンです。

それでも反対を押し切り
うさぎは我が家に迎えられました。
私たちは母親が血迷ったかと思いました。

うちに来たうさぎは
白い子うさぎで
私がその時好きだった歌手のMINMIさんに準えてミンミと名づけられました。
(そのままやないかい)

迎えられた時はまだ手のひらに乗るぐらい
小さくて小刻みに震えていました。
私はかわいいと気持ちより
なんだかかわいそうという気持ちを
覚えていました。

その当時なぜか親戚で
うさぎを飼っている人が他にも
いたのですが
祖父母の世代では珍しかったのでしょうね。

何度も何度もうちに来ては
うちのミンミを見に来ていたはずなのに
ある時祖母は言いました。
「あんたんちのネコは元気しとるとね?」

つづく

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