ボムポット・その3

 ボムポット(100bb持ち、4bb出し)について、まずこれまで考えたことをまとめてみる。

・UTGのアクションから考えた。そうすると通常ゲームのショートスタック戦略を外挿できるのではないか?と考えた。
・通常ゲームよりEQの分布が広く、EQをベースにしてアクションを決定することは誤っている気がした。
・「上位〇〇%のハンドで参加」という考え方の方が妥当であるような印象。
・ベットの意味から考えると、プロテクションの意味合いが大きいかもしれない。

まだまだわからないことは多い。

・ショートスタックのpush or foldの戦略を模倣することを考えたが、そもそも通常ゲームとボムポットではEQの分布が異なる(ストリートが少ないことによりハンドの価値がよりスタティック)。そのような状況でAOFが正しい戦略になるのか?
 
 実際に、ある程度以上の価値のハンドでオールインすると、弱いハンドにはフォールドされ、強いハンドにしかコールされない。それでもトータルでオールインがプラスになるのか?
 逆に考えると、ショートスタックのUTGからAJでオールインするが、AJはランダムハンドに対してたった63%のEQしかもたない。後ろに何人もいる状況で、なぜオールインが正当化されるのか。おそらくは、自分と同程度や自分より強いハンドをフォールドさせることができる、つまりフォールドエクイティに相当するベットの価値が高いためにオールインが正当化されるのではないか。
 とすると、ボムポットではハンドの価値がより固定されている状態で、「自分より強かったり自分と同程度の強さのハンドをフォールドさせられる可能性」は低そうなので、「最大限にフォールドエクイティを得る」という目的でのAOFはあまり意味をなさないかもしれない。
 
 ただし、マルチウェイにおいてプロテクションの意味合いは大きいと思えるし、そうするとオッズを合わせないためにはある程度の大きさでベットする必要がありそうである。たとえば、バックドアドローは一般的に4%の確率で成功するようだ。9人テーブルで4人がBDを持つような状況(ボードによるがこの仮定はそれほど誤っていない気がする)だと、(ブロッカーなどは無視して)15%程度でドローが完成する。また、1ヒットがトリップスを完成させる確率は8%ある。異なるカードの1ヒットが2人いれば(この仮定もそれほど無理はないと思う)、いずれかがトリップスになる確率はやはり15%ある。一人一人に与えられているオッズは低いため安いベットが正当化されることもあるかもしれないが、それでも、ある程度以上の強いハンドでチェックで回してしまうようなことは罪深いように感じる。(プリフロのリンプインに似ている気がする。)

 ボードによって最適なベット額が大きく変わる気もする。この辺りは通常ゲームのポストフロップの考え方も取り入れてよさそうである。
 (ツールが正しいかわからないので計算があっているかわからないが)たとえば、AA持ちはボードJ55でランダムハンドに対して90%程度のEQがあるが、ボード987mtはもはや63%程度しかEQがない。前述のようにショートスタックのプリフロップ戦略とボムポットはEQの分布の違いにより異なる考え方が必要になりそうと考えたが、であれば、ボードによってEQの分布が異なってくるため、それに応じた戦略の違いが出てきそうである。

 大胆に仮説を立てるなら、「スタティック/ドライなボードでは安いベットが、ダイナミック/ウェットなボードでは高いベットが好まれる」と考えてみたい。ただし、通常ゲームのCB戦略のように、「ウェットすぎるボードでは安いベットが好まれる」みたいなこともあるかもしれない。

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