(元)司会者が語る司会者について(第三回)

そもそも司会者ってどんな勉強をするの?

声優さんなら演技、ラジオパーソナリティならフリートーク、では司会者は一体何を学ぶのでしょうか?

話術でしょうか?それとも体内時計でしょうか?

「今!30秒ジャスト!!!」が必要ないかと言われればあると嬉しいですけども、基本的には必須じゃないですね。

今回は実際に専門学校で学んだものと、現場に出て学んだ物の中でも、特に必要だったものを紹介していきたいと思います。

その1 基礎的な発声発音と滑舌練習

これは声を使うお仕事では基本中の基本ですが、まずはここからです。

滑舌や発声の練習については一般的な練習方法である外郎売の朗読日本語の正しい発音練習など、インターネットやnoteなどで多く書かれているものですので割愛させていただきます。

それよりも司会のお仕事ではイントネーションやアクセントが特に大切になってきます。

特に司会業では基本的には声の指導や演技指導などが入ることはありませんので、自分が正しい発音やイントネーションなどを知っておかないといけません。日本語アクセント辞典やインターネットを使ってその時に使う単語や言葉のイントネーションやアクセントを調べ、学んでいく事が大変重要になってきます。

司会者は演技的な技術や語り手のような話術よりも、正確なイントネーションとアクセントが求められるお仕事なのです。

とはいえ、もちろん例外もありますが(方言や訛りを場合によっては使ったりする)まずは基礎ができてこその応用だと思ってください。

その2 立ち姿や服装

司会者は基本的に前に立ち、皆様から見られる職業です

イベントによりますがスーツを着用することが多く全体的に清潔感を求められることが多いです。ワンポイントのアクセサリー等をすることはあれど、基本的には正装としてスーツを着こなして行くことになります。

そして、そのスーツもイベントによって変えていくことになります。

主催者側から指定があればそのとおりにしていけばいいのですが、「服装はおまかせします!」というのも大変多くあります。その場合は自分でその場にふさわしいコーディネートをしていかなければなりません

あくまで一つの例にはなりますが、

結婚式の場合は無地白系はダメカジュアルなものもダメネクタイはチェック柄や柄物は避ける

企業司会の場合はスーツにラインの入ったものはOKネクタイはなるべく寒色が好ましいハンカチは胸ポケットに入れない

などなど、様々な違いを身に着けていかなければなりません。

後はよれよれにならないように仕事着であるスーツの手入れや管理と、自分が着た時の着こなし方を学んでいきましょう。ここに関しては専門書やそれこそ学校などで金銭を払って学んでいくものですので、ここでは詳しいものは割愛させていただきます。

そしてそんなスーツを生かすも殺すも自分の立ち姿となっていきます。

ステージ上を移動する際の歩き方、身振り手振りでアクションをする際のみせ方など、その立場上必然的に注目を浴びる事になりますので、身だしなみと共に背筋をしっかりと伸ばし、そのイベントを進行する人として恥ずかしくないようにしっかりと立ち、それでいて悪目立ちしないような自分にあった立ち姿を学んでいくことになります。

立ち姿は口で説明するのが大変難しいものではありますが、基本的には司会者の仲間同士や先生に見ていただいたり先輩司会者や有名司会者の姿を参考にしつつ、自分のものを完成していく形となります。

実際モデルみたいに立ち姿勉強とかしましたもの……おかげで今でも背筋ピーンが身につきました。

その3 台本の書き方

司会者の仕事の中には自分で台本を書かなければならないという場面も多くあります。

用意されていることもありますが、用意されてない場合は基本的にはそのイベントの主催者や関係者からプログラム一つ一つの時間を前もって聞いて、時間割を組み立てて行きながら文章も含めて自分で考える事になります。(そして多くの場合台本を司会者が作る場合は別料金となっていることも多いです。)

基本的なテンプレート台本がある場合はそこまで難しくは無いのですが、それでもその場限りのプログラム等を台本の中に落とし込まなければならない事も多いので、ある程度文章を書く能力も必要になります。

その場に合った単語や文章を選び、プログラムの時間から最適な時間配分を考え、イベントの雰囲気に合わせた台本を自在に作ることが出来る事が一流の司会者への近道の一つだと私は思っています。

……まぁどんなに素晴らしい台本があっても、そのとおりに進まないのがイベントってものなんですけどね……

その4 緊急時の対応(アドリブ)

アドリブに関しては、イベントによって様々な事が起きますので一概に何をしたらいいかとはかけないのが現状ですし、何より一度自分で経験しないとわからないようなことが多くあります。

これに関しては司会者になってから、多くの場数と経験を積みつつ学んでいくものとなります。

新人の時から、このときにはこんな言葉が言えたら良かった、この場合はこういう事をすれば良かったというものが必ず毎回出てきますので、振り返りながら一つ一つ緊急時の対処法を学んでいく事が大切です。

そんなトラブルや緊急時への引き出しが増えていけば、今度は緊急時にどのように対応すればいいかの想定も立てやすくなり、台本に書き加えたり場合によってはイベントが始まる前にある程度の可能性としてイベントの主催者の方へお伝えすることも出来るようになります。

そしてなによりも、経験によって自分ができる緊急時の想定も増えていくことになりますので、司会者とは仕事の度に学び、また仕事の度に学んだものを最大限使っていくことなのです!!(これに関しては他業種もそうな気はしますが)

終わりに

今回は(めちゃくちゃ)ざっくりとした説明ですが、何を学んでいくかの回となりました。

他にも細かいところであれば時候の挨拶やら何やらありますがそれ書き出すともう教科書とか見てもらったほうが早くなるので……今回はここまでということで。

司会者は声を使うお仕事の中でもやはりお客様に見られるお仕事ではあるので、声だけでなく見た目や立ち姿、そして緊急時への対応力をつけて行くことがとても大切なことなのだと知っていただけたら幸いです。

細かい練習法などはもしかしたら今後、有料での記事公開などをするかもしれません。(未だ未定ですが)

もし、その時に気になることなどがありましたらコメントの方に知りたいことや聞きたいことを書いておいていただけましたらそれを取り上げますので、興味のある方はコメントまでお願いいたします。


それではまた次の記事で!


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