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第29回3分ゲーコンテスト感想



※注意事項など
※読んでね

1:
これは第29回3分ゲーコンテストの全作品感想を書き連ねた記事です。
雑味や統一感の無さは許しておくれ。
無駄に長いので目次から各項目に飛ぶのがオススメかもだ。

2:
ネタバレに対する配慮や、ゲームの操作方法およびシステム解説、具体的な内容の紹介など無いものと思って下さい。
(単に各項目によりまちまちというのが実際のところです)
ようするに制作者やユーザーとして参加した人が見る前提の記事です。

3:
参加していない、やっていない、初めて3分ゲーを知った。
そんな人は下記リンクから是非。


3分ゲーコンテスト 公式サイト▼


↓ここから (以下、信濃川




戯曲『十五夜』/きつねのてぶくろ図書館

作者コメント:
「 3分間程度でサクッと読める小噺です。」

とのことで、まさにその通りなのですが、その通りを高いレベルでやっているなあという印象を受けました。

一般的なノベルや、テキストを読ませるADVのシステムではなく、一枚絵で構成されている豪華な画面構成。

それでいて、ただ止め絵を繋げて表現してみましたというだけで終わっておらず、総合的な演出力が非常に高い。



具体的に言うと「一枚絵上で喋らす」とか「一枚絵上で歩かせる」とか。
イラストに合わせてテキストの配置場所を変えたりとかもですね。

既成の何かで言い表すなら絵本のような絵作りで、かつゲームとしての動的な表現もきちんと組み込むことが出来ている、上手に作られているなあと。

2回目のプレイでは「再演」と表示されるように、ゲーム中のグラフィック以外の要素も、テーマに合わせた表現が徹底されており隙がない。
そういう部分も丁寧に出来ているなあと感心しました。


メインのお話は、読み物としてきちんと3分ほどで終わり、余韻もあってとても良い感じです。具体的にこういう話ですよと決まっているような、そうでもないような、少し不思議な感じもありました。浮遊感というか。

最後の時点で思った解釈は、「この世は舞台である」と宣言した彼女が、吸血鬼ごっこを演じきったんだと。そうするとそれは嘘でも本当に感じられるから、自分も吸血鬼になったように思えて……というような感じ。

冒頭で主人公は1人劇という認識をしているので、そこから、この世という人類共通の舞台の演者へと、主演女優たる彼女にあてられて強制的に引っ張ってこられたみたいなイメージも。

これはあんまり本筋の解釈とは関係がないか。
ぶっちゃけこういうお話の解釈とかは、多分苦手なタイプです。


つまりこの作品は、そんな私でも良い作品と思えたものだった……ということでもありました。



「駄目人間。2―落選編―」/龍海人(リュウカイト)

作者コメント:
「落ち込んだ時に。制作者の鬱と希望3分ノベル。」

とのことで、しかしルートによって更に落ち込んでいく展開も待ち受けるノベル。創作の闇だ。分かる。

とはいえ、そこまではある意味予定調和。
タイトル前画面のツンデレさんも「励ますつもりじゃないんだから!」と仰っている。つまり励ますつもりなわけです。


では制作者の鬱と希望のうち、希望の方をどのように見せてくれるのか?

自己啓発的なものなのか、技術論的なものなのか……などとプレイしながら予想を立てていたのですが、紛うこと無きガチ情報が提示されるのでした。そう来ましたか。

私も決してメンタルが強い方ではなく、なんならここ数ヶ月は特に、この辺のコンテンツを観たり読んだりしているところもあったので、タイムリーかつ非常に納得感のある物語でした。

恥ずかしいので具体的には書きませんが、個人的にも改めて摂取した、響いた言葉なんかもありました。

ゲームの造りとしても、ただ語りたい文章をテキストで流すだけのものではなく、ここの選択肢では勢いのあるボタン画像だぞと表示したり、必要な背景画像をきっちり表示したりと、3分ゲーだからと粗雑にならずにしっかり仕事をされているなあと思いました。


駄目に慣れきった(ある意味凄い)、慣れきったと思ったがそんな訳もなく欲があった、創りたいもので賞をとるんだ、創作神だ……などなど、ある意味では作者のポジティブ力を感じる表現も多く見られたように思います。

ポジっていきましょう、これからも頑張ってください。

みなさんも頑張っていきましょう。

みんな創作神にな~れ。



とれとれカードくん/えむげん

作者コメント:
「5枚のカードが並ぶので、2分間、指定されていく要素のカードをとって高いスコアを狙うゲームです。」

とのことで、説明の通りカードをとっていくゲームとなっております。

それだけ聞くとシンプルなゲームだなあという感想ですが、それが問題になっていない、シンプルに完成度が非常に高い、とてもよく作られたゲームだと思いました。

出来ることはお題に合わせてカードをクリックするだけ、ではあるのですが、そのクリック時の手触り感がとても良い。こちらの入力に対する出力が気持ちいいのです。ううん、ゲームだ。

これはUIやレスポンス面が優秀なのもそうですが、効果音も含めた演出面が優れているのも要因かなと思いました。全体的にスマートで小気味いい。


ゲーム部分も、その気になればガッツリ遊べるものになっており、私もほどほどにスコア狙いプレイをさせていただきました。

他に上手く作ってあるなあと感じたところで、絵の種類が意外と絞られているなあと思えた、というものがあります。AI絵なのだから、その気になればもっと種類を増やすことも出来たと思うんです。

しかし、そうしないことで覚えゲーとして攻略が可能になっているなあと。
コンボシステムで緊張感があるのも良かった。

私は好きなタイプのものだったので良かったですが、ある程度やり込まないと理不尽さを感じたり、難易度でひっかかったりするかもとも考えました。

しかしてコンテストの結果的にも中々だったので、それも含めて参考になりました。良いゲームでした。



気楽に遊べるミニ将棋盤ゲーム 将棋RPG/作っちゃうおじさん

作者コメント:
「将棋の駒を集めて最強の布陣を作ろう!1局3分以内で完結するミニ盤将棋ゲーム!」

とのことで、説明通り、まさに将棋RPGだぞというルールのゲームになっております。

これはもう発想の時点で半分勝っているというような素晴らしさがあり、上の画像を見てもらうと分かるのですが、香車が大量に並んでいるだけで既に面白い。そしてそれを作るんだと実行するところが素敵なのですね。


私も将棋に自信があるわけではなく、難し過ぎたらどうしようと構えるところがあったのですが、盤面が狭いことで良い意味での大味さがあり、勝つ時は勝てちゃうんですよね。

勝てると楽しい。つまり良いことです。

ステージを進めていくと「銅」など、見慣れない駒が出てくるのも単純ながらとても良いポイントだと思いました
これがなかったら少しだけ単純作業感が増したかもなあと。中将棋などの存在は知っていましたが、駒を用いて動かすのは初めてで新鮮な経験でした。

「銅」以外にも「象」などの目新しい駒を用いつつ、狭さゆえの独自戦術を考えていくのは素直に面白かったです。
常に先制できるので、脳筋代表としてはどうしてもゴリ押しになってしまいがちでしたが、それで勝てるバランスになっているということでもありますしね。

バランス面でいうとCPUも良い塩梅だと思い、たまに鋭い手を指してくる一方、これはしんどいぞ……という時に愛嬌のある一手を指してきたりと、こちらが固くなりすぎず、緩くなりすぎずという体感を得られたのかなと思いました。

ゲーム面だけではなく、各ステージに付随している面白いコメントなども見どころで、こういうところも抜かりがないなと感心。

足しげく駒を集めまくったりせずクリアしてしまったのですが、蒐集して変なことするなんてプレイも出来そうで、懐も広そうですよね。
さすがの出来でした。




ファイナルネコバ/九条エミリア

作者コメント:
「ウディタのZオーダーの機能を試す為に試作しました」

とのことで、つまりZ座標、画像表示に関係するウディタ(WOLF RPGエディター)の新機能を用いた試作ゲームである。そんな説明が適当でしょうか。


しかし試作と侮るなかれ、プレイしてみると分かりますが、ウディタで作られたと思えないほどにスムーズかつ違和感のないベルトスクロールアクションが繰り広げられます。

操作感が良く小気味良い。うん、そう出来ているということは、それだけでもうアクションゲームとしては半ば成功しているというものです。
これウディタなんだなあ、ウディタ使いは凄い(いつも言ってる)


単なるベルスクではなく、とにかく敵が画面上に多く出現し、敵のグラフィックも独特なものが多い。ある程度進行すると、見た目はかなりワチャワチャ、ゴチャゴチャとしていくのですが、その様が目新しくも楽しいです。

敵は多いのですが、無敵とパワーアップを兼ねたシステムが強力なため、初見では辛くとも把握すれば力押しで案外どうにかなる難易度。

無双風の2Dベルスクとでも言いましょうか、特に無敵中の高速攻撃が気持ちよく、まとめてぶん殴っていくのは爽快です。

この時、押しっぱなしで攻撃、また攻撃しながらでも少しずつ動けるようになっている仕様も非常に良いと思います。
これ、動けない仕様だったらゲーム体験はかなり違ったのではないかと。


武器やアイテムなどの設置物も中々に多彩で、かつしっかりとした個性もあります。一度は武器を触っていきたくなるやつ。

ボスキャラなど含めた総合的なゲームバランスも良好だと思いました。が、無敵でゴリ押すのが前提というような大雑把な感じもあります。
あるのですが……そこが良いんだ、というゲームとして堂々としている。
面白い。

クリアまでは長いというか、どうしたらクリアだと明示されていないのは気持ち不親切だったかも?

ジャンルとしてはニッチかと思うのですが、見た目に反してまとまっており遊びやすい。その上で楽しみやすい。その辺は順位にも反映されているのかなと思いました。




KUMAPANTS/のんきなカベジマ

作者コメント:
「思った以上に時間がかかってしまった・・・順位は意識せずに、
エントリーする為に突貫で作った感じですかね?」

とのことですが、突貫と言いつつ手堅くまとまった作品。
完成されたゲーム性で、何も分からない状態からでも、開始直後から迷うこと無く遊ぶことが出来るのではと思います。素敵。


私がこの手のゲームに知見がないからかもしれませんが、難易度は若干高めに感じました。というかクリアまで到達できませんでした。トホホ。
STAGE6か7くらいまでいったかな?

最初は追いかけてくるクマにばかり注意の目を向けていたのですが、慣れてくると逆に、鼻で笑っていたはずのオドオド挙動のクマも怖いというか、動きが不安定なやつが一番怖いぞという。
(攻略できていないだけで、相手の動きをこちらから完全にコントロール出来るタイプなのかもしれませんが)


しかしサクサク楽々と進めなくても十分遊べるゲームであることは間違いあないかと。基盤がしっかりしていますからね。操作感などはもちろんですが、音楽やグラフィックなども含めて。
全部自作だと思うのですが、いやはや良い仕事です。


ストーリーも微妙に風刺っぽくてユーモラスさがあります。
いや待てクマでパンツってなんなんだというのも、遊び心というか。

遊び心といえば、幕間のコーヒーブレイク演出だったり、ABOUT画面なんかも凝っているんですよね。ハンマーで追いかける主人公も、パンツが脱げて4足になるクマも可愛い。

ABOUTについてはゲームのヒントになり得る情報を見れたりもするので、未見の人は一度確認してみてほしいですね。


のんきなカベジマさんのゲームは、よく硬派に仕上がっている印象を受けるのですが、それと同時に細かい演出も丁寧にやっているのが見どころだなあと。



Phantom of the Bunker/笑也 知郎


作者コメント:

「手堅く(当社比)制作した一人向けFPSです。ストーリーはありません。
某虹六の操作感と某コフのリソース管理、C〇Dのアーマーシステム等好きな要素の詰め合わせです。
※前回同様かなり重たくなっております、オプションからのグラフィック調整をお試しください。」

とのことで、一人向けFPSです。確かに明確なストーリーなどもなく、いわゆる3Dで銃を撃つのが主軸であろう普通のFPS。
普通といっても私はFPSに詳しくないのですが、少なくとも奇抜ではないような気がします。作者コメントにもあるように手堅い香り。

しかしXで誰かも感嘆の声を漏らしていたように思いますが、そもそも普通のFPSだと認識できるものを作って参加しているという、その事実そのものがあまりにも強いのであります。

とりあえず皆こう思ったことでしょう。
こりゃ凄いと。


正直に言うと、最初のプレイだとコントローラーのキーコン的なあれこれとかもあり、操作方法等が良くわかりませんでしたが、これは私がFPSに疎いというのも多分にあるでしょう。
少なくとも作者コメントに挙げられているタイトルをプレイしたことはありませんし。
(C◯Dは一瞬触ったことがありますが)

なので、ゲーム側から一貫して無機質・塩対応をされていたら本編前に折れていたかも知れません。しかしこのゲーム、始まるとまずはチュートリアルステージに放り込まれてそこで試行錯誤するわけですよ。

そこには詳細な操作説明表示や愛嬌のある音声案内もあり、上手く操作できなかろうとも、理解しにくかろうとも、ああ、このゲームは分からないやつを突き放そうとしているわけではないんだなあ、という実感が持てます。


一通り操作を試せた後でも、出来ることが多すぎて難しいとか、そもそも何の効果があるのかよくわからない動作などもありましたが、まあ撃って殴れたら良いだろうと実戦に突入……したら瞬殺されました。

何度か繰り返すもどうにもならずに一旦置いたのですが、次にプレイした時は近接で切りまくる脳死バーサーカープレイを軸にすることでなんとかクリア出来ました。
敵がアーマーっぽいの落としていると気付いたのも大きかったですね。いや、作者コメントに書いているだろうっていう。

最初は本当にクリア出来ないと思ったのでクリア出来て良かった。
人間は単純なもので、クリア出来たら評価がかなり変わると思うんですよ。
変わりました。単純だなあ、


と、ここまではコントローラーでのプレイ日記で、後日マウスでもプレイしてみたら、やはりというか銃撃しやすく、近接以外でもそこそこ戦えるようになりました。
優先認識の問題でコントローラーでやっていたのですが、最初からコッチだと、もうちょっとストレスなく入り込めたかもしれず、申し訳なかった。
それでも最初から楽勝とはいかなかったかもしれませんが。


実際の撃ち合い部分以外でも、ラジカセっぽいものに近づいたらヴィヴァルディ(だったと思うのですけど)が流れてきたり、カスタマイズ画面がやたら凝っていたりと、存分にやりたいことを、技術を伴ってやれているゲームだなあと感じられて良かったです。



 

一枚麻雀(脱衣)/111

作者コメント:
「AI生成絵を利用しつつ、画像ファイルを使わない脱衣麻雀」

とのことで、絵を利用しつつ画像ファイルを利用しないとはどういうことなのか、それも脱衣麻雀と書いてある。と、誰もが不思議に思ったであろうゲーム。

しかもこれ、コマンドプロンプトって言うんですかね?
あれで構築されているという興味深いゲームとなっております。

PCを使っている人にはお馴染みの画面でしょうけども、この画面でゲームをプレイしたことのある人は、かなり少ないのではないかなと思われます。

実際、簡単にできることなのかそうではないのか……まあともかく、単純に面白いですよね。
3分ゲーらしいというか、こういう要素だけで良いゲームだなあと判定するというのも、それはそれで良いもの、ことかもなあ、なんて。


ゲーム部分は単純なんですが、何気に牌がグラフィカルに表示されるのが丁度いいそれっぽさというか、良い味だなと。

ツモって捨ててロン待ちするだけとはいえ、まったく考える要素がないゲーム、というわけでもないと思いますしね。

これが他のツールなどで、違ったUIで作られたと仮定してみたら、もっとテンポ感なども出せて、アニメーションなどで豪華にも出来て、ゲームとしても意外と悪くないものになるのでは……というのは言い過ぎでしょうか。


そして脱衣麻雀だぞということでどうなるのかと思ったら、ははあなるほどという。これ、結構真面目に感心しました。

とれとれカード君もですが、AI利用者によるAIの有効活用とはこのようにやるのだ。というような感覚を受け取りました。


余談、公式HPの感想より
>>このゲーム遊べなかった

これでこのゲームが完成している感じがあってちょっと好き。
私も最初exeをダブルクリックしましたよ、ええ。
全ては作者の掌の上なのであった。




シスターバーサーカー/もんたな☆しぇく

作者コメント:
「ツクールMV製です。よろしくお願いします。」

とのことで、まさにツクールMVで作られたシンプルなゲームです。

これはXでも書いたのですが、 このツクール的な画面とシステム説明で、「なるほど、ああいう感じのやつだね」という予想が立つ人も多かったと思うんですよね。そして実際にその感覚は大きく外れもしない。

ですけども、意外と予想を裏切ってくるプレイフィールだったんですよね。そこが感心したというか、これは上手いゲームになっているなあと思わされました。

お邪魔キャラが居るだけでかなり感覚が変わるんですよね、敵を倒す方法それ自体は単純なのですが、自分で選択して倒しているという実感と快感が足されると言いますか。
ただの接触だと倒さずにセリフが出るのも、これはどうなんだろうと思ったら省略しないことで戦術性やテンポの強弱として機能していましたし。


純粋な難易度や時間などのバランスもまとまっており良かったです。

ルール設計上、民間人が邪魔に感じるようになっているというのも、どう見ても邪悪そうだったり、タイトルで「『仕事』を始める」などと、まともなようで不穏に感じられなくもない単語が踊るゲームにおいて、ゲーム部分とフレーバー部分が噛み合っているなあと。


グオッとしたグラフィックも、これぞというものがあります。

やたら良い笑顔ですよね、主人公ではない金髪の人。

怖い。



画力よ上がれ!/明田ミオ

作者コメント:
「悩める絵描きのために作りました。お絵描きの合間にプレイしてみてくださいね!」

とのことで、その通り、悩める絵描きがプレイすると良さそうなゲームに仕上がっています。
ちなみに私は絶賛「どうやったら絵が描けるのか?(絵が描けたと思える状態になるのか)」などと思っているレベルな、悩める子羊のひ孫ですので、普通に参考になりました。


偉い人の本を読んだり偉い人の動画を見たりという経験もしていたところだったのですが、それらの確認になるようなこともありました。

これは結構重要だと思って、どういうことかというと、題材としてこういうものにしましたよというだけのゲームではなく「普通に為になることも多い真摯なゲームなんだ」となるわけです。


もう一度作者コメントを描きます。「悩める絵描きのために作りました。お絵描きの合間にプレイしてみてくださいね!」。はい。該当する貴方プレイしてみましょう。

まあ、3分ゲー公式HPの感想コメント欄を見ると、既に作者のやりたかったことは達成できているようにも思えますけどね。
伝えたいことが伝わっている。創作だなあ。


お絵かき指南、心構えのような要素が含まれるゲーム。
それじゃあゲーム内容は知見の羅列で終わるの? といえばさにあらず。
音含め各種演出がしっかりしており良かったです。画力UP! ピロリン!

ある意味メイングラフィックといえる、各種画力レベルでの主人公の立ち絵も、描き分けが上手いなあと。
この主人公の諸星くん、凄い真面目で頑張ってるし、めちゃめちゃ基礎をやっているっぽいし、勉強しているっぽいし、イケメンだしで、好感度高い。

文章とか台詞運びも読みやすいというか、諸星くんが実直なので、素直でありつつ適度に心象が入るテキストになっており読みやすい感じ。


コンフィグ欄で流れるテキストもゲームに合わせているだとか、クリア後にタイトル変わる演出だとか、質感や細かい作り込みも行き届いて良かったです。

最後に「そこ!?」って言われるでしょうけれど、うめぼしのもろぼしっていう時点でちょっと面白かった。




カルトぶち★ころアリーナ/bhaskara


作者コメント:
「カルトをぶちころするアリーナです。たぶんシューターに慣れていないとむつかしい」

とのことで『ぶち★ころ』するゲームのようです。
「Phantom of the Bunker」のように近代的な……という表現で良いのでしょうか、ああいうFPSではなくて古い世代のFPSをリスペクトしたものだと思われます。

改めて考えてみると、一般的な3Dゲームと違い上下左右に照準が振れないんですよね。この点に「気付く」という過程を挟まないと思い至らなかったのは少し面白かったです。
だからなんだって言われそうな小話ですが、なんか自分でほんのりうけました。まあ私がFPS慣れ3Dゲー慣れしていないというだけの気もしますが。



そんなFPS慣れしていない私でもクリア出来たので、簡単なゲームであるとは言い難いものの、バランス良好であると言えるのではないでしょうか。

さすがに最高難易度では何度かやり直すことになりましたが、全てにおいてサクサクしているゲームなのでリトライも苦になりにくいかと。



起動してすぐは可愛いキャラクターのイラストが出迎えてくれるのですが、その後は無骨だったりラフっぽかったりするタイトル画面とメニュー画面が続きます。しかも何故か唐突に文字を読み上げてきたりする。

手書き感溢れるタイトルの文字といい、こういうのって雑さとか緩さが出てしまいかねないと思うのですが、妙な収まりの良さを感じるのがエクセレント。何故でしょう、なんか堂々たる存在感があるというか。

ゲーム部分は軽快で楽しく、難易度にもよりますが、狙いすまさずに少々のトリガーハッピー気味プレイなら許容してくれるのが良かったです。押しっ放しに対応しているとか、近接ナイフに無敵時間がある仕様も有り難い。

そこそこ閉所の割には結構自由でストレスフリーに動ける感覚があり、それに甘え、羽根を伸ばして走り回りながらカルトを撃つギャルになっていてもクリア出来るのも良いのだ。
甘えずストレスを感じながら高スコア狙いも出来るでしょうし。

敵を撃破していくだけだと体験として少し地味になった可能性もあると思いますが、キャラクターが喋ることによりだいぶ補完されている気がします。

その声もなんか好きです。一定女性キャラとしてかわいく元気な感じでありつつ、そっちに全振りしないで素朴感が残っているというか、気のせい程度にダウナー感があるというか。


チュートリアルが分かりやすく、かつ進行がスムーズ。
死亡時というかゲームオーバー画面の演出が楽しい。
そういう部分も細やかに構築されており良かったです。



○○ばんでぐちをみつけられるなら私の異変もみつけられるよね?/しじみ

作者コメント:
「女の子の異変に気付いてあげるミニゲームです。○○番出口のような作品が多くあるので、ゲームだけでなく身近な人の変化にも気づいていますか?というメッセージを込めて制作しました。一体何が理不尽なのかぜひその目で確かめてください。そして彼女に気付いてあげてください。」


とのことで、彼女に気付いてあげるゲームです。
ただミニゲームとだけ書かれていますが、3分ゲーコンテストの読ませるノベル、ADVとしてしっかり成り立っているのではないかと。

最初のロゴ表示なんかもちゃんと動きから作ってあって、良いなあと思いました。そういう部分だと、ゲームオーバーから復帰する時のタイトル遷移では、赤色でフェードするのも良かったですね。細やかな演出です。
……勘違いじゃないよね?



さて、どうやら不穏なゲームっぽいぞと始めるわけですが、思ったより展開が平和で、音楽も明るいなあと思いながら進めていきます。

進めていくと、やはりというか画面演出から音楽まで不穏に変化していくのですが、プレイヤーがやっていること自体は変わっていないんですよね。プレイヤーは一貫して変わらぬ正解を求められる。

ただただ向こう側の変化と確認によって状況は理不尽になっていき、ただただ翻弄されていく。

そんな状況まで追い込まれるからこそ、最後の選択部分でちょっと気持ちが動くんだ、と、そういうゲームなのかも知れませんね。

……いや、訳知り顔で書きましたが、そういうゲームってどういうんだと。
ちょっと読解力が足りず、良く分かっていない感。
これは彼女を、メンヘラを分からないということなのか。


その彼女、キャラクター、見た目からメンヘラっぽいといえばメンヘラっぽいのだけど、あからさま過ぎるというほどではない……という絶妙な感じが良い気がしました。ここは個人の感想度が高いかもですが。

彼女は結構メタい発言もしてきて、そこは少しだけどうかなとも思ったのですが、結末まで見て彼女の状態を知ると、その気持ちが緩和されて面白かったです。

不正解ルートだとある意味予想された、徒労感や虚無感がある終わりになりますが、正解ルートだとそれなり以上に納得感のある終わり方を、感動的な雰囲気とともに迎えます。

しかし、リアルではあるかもしれませんが完全な救済があるわけでもなく、しばらくすると、果たしてこれで良かったのだろうか、貴方は本当に救われたんですか? と、彼女に聞きたくなりました。

あ、今出てこなくても結構ですので!
苦手なんですよお化けだとかホラーだとか!




創世機ツインフレーム/RETROGIC

作者コメント:
「セガサターンとかプレイステーションが登場、CD-ROM機が世間を賑わせた頃。それまで入れられなかったアニメーションやデモシーンをこれでもかと入れまくった作品が良しとされていた時代。こんな感じのゲームが溢れていたのだ!!」

とのことで、コンセプトありきの作品だぞという宣言。
公式HPには「その中でも当時のアニメのゲーム化作品をイメージして制作しました!!」とも書かれています。
やけに具体的です。


それで結局どう思いましたか? と、問われるとですね……。

物凄くそれっぽいと感じたんですよ、アニメに疎いところがある私でさえ。

ダイレクトに言うと、戦闘シーンでは当時のセガサターンだかのエヴァンゲリオンのゲームを思い出しました。こういうのあった、こういうの。
(もっとも戦闘は、往年の別ゲー要素もあるのかなとも思いましたが)

しかしタイトル画面から本当にそれっぽくて天晴です。
プレステとかにありそう。PS5じゃないですよPS1ですよ。

建物爆破シーンとかもそれっぽいなあと感心しきり。なにより、このコンセプトを実現するためにここまで労力を割き、しっかり絵面を作り上げ構成していったという事実に脱帽です。

やりきろうとしてやりきっている。
気合が凄い。

話の内容も「ああ……」となるといいますか、それしか言いようがないという。敵の大精霊のデザインも「なんかありそう……」と思いましたもの。


3分ゲーと考えると第1話で終わりだろうけど、最後になにかやるのかなあと思っていたらバトルが始まるあたりも、雰囲気再現だけで満足しない丁寧かつ気迫のこもった仕事でありました。

そのバトルも雑ではなく普通に遊べて、なんなら当たり判定とかも結構キッチリしていて感心。

その流れでゲームが終わっていき、当然のようにEDの演出が始まるんですが、ここまで来るころには、このくらいやってくれますよねとなっている。
そこも面白かったです。

作りたいものを丹念に作ったという意味で、出来が良いという言葉がふさわしいゲームでした。




仮設 ツギハギ防衛廠/おとなり

作者コメント:
「スマホからでも遊べます↓」

とのことで、スマホからも防衛しましょう。確かにこれ、そういうデバイスとも相性良さそうですよね。

ゲーム掲載ページに「紙とテープで砦を守る、手作り工作風タワーディフェンス」という文言がありますが、まさにというゲームになっております。


このゲーム、まず、この「手作り工作風」という世界観それ自体、そしてそれをきちんと表現出来ているという部分が素敵。
ゲーム内容や雰囲気は自由なのに、統一感、世界観のまとまりが良い。

全体的なグラフィックや色合いなんかもそうなのですが、特に開始時のテープで貼り付けられた風の数字とか。音楽というか選曲も雰囲気づくりにきっちり役立っている感。


ゲーム部分もアイデア、システムから面白く、とりあえず操作して何かやってるだけでも楽しさがあります。
まさに工作の時間だ、これがデジタル工作だ。

実際は防衛戦なので意外と忙しく、じっくり組み立てるのが難しかったり、組み建てたそばから別の物を組み立てることになるので、さっき作ったものがどういう効力を発揮しているかを確認しづらかったりなどはありました。

ですが上手く動いた、上手く機能させられた時はやはり楽しい。

他人のプレイを参考にしたものですが、図体がデカイものを作って蹂躙してハイスコアを出したり……その辺のプレイの流れも結構重要かもなあと思い、何故ならゲームによっては他人のアイデアやプレイを参考にしようと思っても出来ないから。

このゲームも上手く工作する難しさは結構あるのですが、他人のアイデアを即反映できたり、改良したり、自分のアイデアを披露したりっていう遊びの広げ方もやりやすそうだなあと。


まあ、このゲームは「上手く出来た!」「上手く出来ない!」「ハイスコア!」などとカリカリしてプレイするのではなく、もっと無邪気に工作し、それ自体を楽しむというのが正しい遊び方なのかも知れませんけどね。

私は、アクション性やスコアが存在するゲームだと、ついつい肩に力が入ってしまうところがあるのですが、たまには違う見方もありかなと思わされました。




境界に立つ/広川なつき

作者コメント:
選択肢による分岐や周回プレイなどの要素が無く、3分程度で語り尽くされるノベルゲームです。

とのことで、その短い間に体験が詰め込まれているゲームです。


さてノベルゲームということで、それは間違いないのですが、テキストの表示されたウィンドウをクリックしていくという体験が斬新で新鮮。

全画面に覆うようにテキストが表示される「いわゆるノベルゲーム」だとか、画面下部にウィンドウが表示される形式のADVなどは数多く存在するわけですが、あえてそこから外れた表現を選択する場合にどうするか?

ウィンドウや吹き出しの配置をフレキシブルにする……というだけなら過去にもあると思うのですが、ウィンドウそれ自体を選択するかのようにクリックしていくというのは面白いです。

この能動的にクリックするシステムで、物語を追っていく感じが出るのも良いですが、なにより「クリック時に音が鳴る、しかも単一のSEではない」というのには唸らされました。「音を鳴らしても良いんだ!!」という単純かつ強力な驚きがあった。

どういうUIにするか、画面構成にするかなどは考えることがあっても、逐一サウンドを鳴らすぞという方向性の発想は中々出ないのではないかと。

ただ全てのパーツを自分で作れますというだけでなく、世界観を丹念に構築していこうという気概があって、こういうゲームに出来るんだろうなあ。


ただ興味を惹かれただけでなく、その音が実際にとてもよく機能しているなあとも感じました。情感がどうのとか言わなくても、単純に心地いい。

これはそもそもの操作感やレスポンスが非常に機敏で洗練されているからでもあるんですよね。(これがRPGツクールなのも凄い)
そこに音と、ウィンドウのアニメーションなども相まって、テンポも画面の動きも気持ちが良いんだなと。

複数ウィンドウが表示されて、クリックして、動いて、クリック後のウィンドウが残って……と繰り返す割にはガチャガチャしない感じも美しい。なんというか淀みが無いんですよ。


物語部分は割かし抽象的だと思うのですが、初回のざっとしたプレイでも「境界に立つ」というタイトルに違和感がない感じを受けました。

存在、記憶、忘却、過去と現在(当時の未来)、あなたとわたし、などなど、色々と境界を感じられそうなものはあるなあと思いましたが、まあその程度とも言えます。語彙力も想像力も感受性も足りない。

ふと、自分の子供時代に弟と、目的地への移動手段として自転車ではなくあえて歩きを選択し、「何でも発見隊だ!」などとのたまいつつ、普段はスルーしている風景を一々注目し、「見つけた」箇所に逐一ツッコミを入れていく……という不可解極まりない所業を何度か主導していたことを思い出しました。

なんなんでしょうね。
なんなんだろうなあ。



寝坊勇者/がろちゃん

作者コメント:
3分間走り回って装備や仲間を集め魔王を倒すゲームです。

とのことで、そういうゲームです。そういうゲームなのです。
実際にプレイしても、そういう理解で概ね正しくありました。
ですが「普通の」そういうゲームであれば優勝とはいかなかったでしょう。

このゲーム、とにかく作り込みが凄まじかったです。

それも物量がどうのとか体験の濃縮度がどうという分かりやすい部分だけではなく、どう走り回るかという部分も含めてなのがお見事。

正直、初回プレイ時は「パッと見の難易度が高すぎるのでは?」と思ったりして、とりあえずのクリアを果たした後も、良いゲームだとしつつも一部は評価保留……みたいなところもありました。

しかしプレイするごとに見えてくる導線の美しさに感服。
私は絶対ムリですこういうの。


オープニングのやり取りや演出からしてノリよく明るく、個性的なキャラクター達が会話しているだけでも楽しい世界です。小さいけど世界があるよ。

そんな中でも3分で目的達成しなければいけませんが、やることが多い!

最初は手探りなので何度も時間切れになりますし、フラフラ探索していると別のマップに訪れてしまい驚愕。マップが複数ある! しかも結構広い!

これは面倒なゲームかもしれないという気分が少し湧いてくるも、マップやイベントの配置の作りの良さ、また小気味良い演出などに担保されたテンポの良さに引っ張られ、少しずつプレイを促される。
寝起きから加速していく如く。

実際ピコンピコンとイベントに触れていくだけでも楽しいんですよね。
ここは移動速度が早いのも良かったのかなと。最初は、さすがに制御しづらいという感想だったのですが不思議なものです。


そしてこのゲームの最大の見所であると思われる魔王との決戦シーン。
ここもかなり感心させられました。

戦闘システムやバトル部分はどう表現するのだろうと思っていたのですが、バトル感と派手さとスピーディーさと楽しさとコミカルさと、とにかくなんかもう色々連続で叩きつけてくるような進行、演出で凄い。
こういう見せ方があったか、そして出来るんだなと。


通常クリア後の実績埋め、他のイベント部分も手抜かり無く、初めてお茶会した時の感動は中々のものでした。

そういえばお茶イベント、ストーリー的な立ち位置としてはある意味最後に置かれているイベントだと思うのですが、それこそ時間も気にしなくて良いほどの大きなイベントなのに、ドクロリーヌは一言も喋らないんですよね。例えば魔王との戦いなんかではバリバリ複数人会話が行われるわけですが。

そもそもこの時、コジカちゃんなどの愉快な仲間たちとも離れて二人きりになります。

そしてずっとオルデがこちらに話しかけてきて、これまで果敢に走り回ってきたドクロリーヌを褒め称え、信じていると語りかけてくれるのでした……


……なんというか、ここだけは「勇者ドクロリーヌ」でありつつも「プレイヤー」として感じ取れるかのようなものになっていると思ったんですよね。

まあドクロリーヌは騒がしい存在でありつつも、細かいイベント時に必ず喋るわけでもないので、そこは単純にそうんまっているというだけとも思いますが、ともかく良い雰囲気を味わえるイベントだったなと。
達成感ありますよね。


忙しさの楽しさ。可愛いキャラクター達。作り込み。ノリの良さ。

そういうところに目を向けがちですが、フォントの色変更や大きさの変更などをかなり細かく行き届かせていたり、実績もきちんとヒントを表示して分かるようにしたり、説明するキャラが数多く配置されていたり……

細かい詰めの部分や配慮が行き届いているのも素晴らしかったと思います。


蛇足的になっちゃいますが思い出したんで書いちゃうと、卵を孵化させるとドラゴンちゃんもエンディングにいるとかも良かった。



火曜日、ヒロインは朝食に何を食べたのか?/oowatakeru

作者コメント:
キャラクター性に主眼を置いたADVについて

とのことで、確かにジャンルとしてはADV的なゲームですよね。
それと同時にこのゲーム、とにかく難解であろうとも思われます。

他の方の感想を見ていても、完全に完璧にこのゲームに対する理解が及んだというようなものは無かったのかなと思います。

ではコメントにある「キャラクター性」という部分に注目するとして……このゲームで主眼に置く対象になるキャラクターというと、幼馴染である「あおい」がまず挙げられるかなと。

しかし、あおいはゲーム中でやたら主張してくるということもなく、なんならゲーム部分としては本編ともいえるであろう後半には登場しません。

ではキャラクター性に主眼を置いたというのどういうことなのか?

難解なゲームであることを差し引いても、私が分かっていないだけの可能性はありますが……執筆時の最終的な結論としては主人公、プレイヤーそのものなのかなあ。

ゲーム開始時に主人公のデータを数多く入力させられることからして、あなたそのものとしてプレイしなさいという感覚はありますよね。
それがキャラクター性かと言われるとわかりませんが……キャラクター性ってなんでしょうね?


謎解き部分はサッパリだったのですが、ヒントを見たら解けました。直接的なヒントまでは見ずに済みましたが、ともかくこの難解なゲームにおいて、ここは優しさもあるというところに妙な面白さを感じ取ったり。
人間味というかなんというか。

謎解きが終わると、唐突な終了とともにタイトル回収が行われます。
しかしこれは、ううむ、どういうことなんでしょうか、どうしたものか。

火曜日、ヒロインは朝食に何を食べたのか?


そもそもヒロインって「あおい」のことでいいんでしょうか?

このゲームの主人公は一人称が俺なのですが、別に男だと明言されているわけでもないと思うので、仮にプレイヤー名を「はなこ」と入力した場合、ヒロインはプレイヤー自身かもしれません。

その場合、好きな献立も入力することが出来るので……ううむ、無理があるかしら。

他には、最初の記憶だけ思い出せないというのがあるので、それすなわち記憶喪失というか、自分の記憶は思い出せないぞと。それがあの封鎖空間っぽい表現なのかなとか。

でもそれ以外の記憶や感覚は思い出せる状態で、それを認識したり従っていけば、とりあえず世界に出られるという……駄目だ、それっぽく書き連ねているだけで実際は何も分からないなあ。


個人的にも少しは徘徊したり考えたりしてみて最終結論っぽい何かを出力してみましたが、まあこうやって色々悩んだりする様を見ていると、各々(ゲームの方ではなくプレイヤー、中の人の)のキャラクター性が出る、それに主眼を置く、観察させていただこうということかもしれませんね。

あるいは難解だと思う必要はないのかも知れない。

とまあ、脳筋勢の駄文はこの辺にしておきます。




狐が拳/白くない猫

作者コメント:
「しゃんしゃんしゃん」

ということで、しゃんしゃんしゃんってなんだ。
なんだというと、ゲーム前の掛け声らしいですよ。

以下、自作なので割愛。
後々にnoteで制作後記みたいなの書こうかしら。



ナインガールズサバイバー/狼佳

作者コメント:
「9人の女の子たちが多彩な武器を扱い、ゾンビ軍団を蹴散らし、ぶっ飛ばすアクションゲームです」

とのことで、確かにそのような2DACTとなっております。
それにしても「9人」が「多彩」な武器を使うという力強いコメント。
実際に作っていますしね、凄いなあ。

キャラクターが9人もいるという時点で非常に贅沢な作り。
それも名前だけとか立ち絵だけとかではなく、アクションゲームのキャラクターとしてですからね。

ただ多いだけでなく、それぞれのキャラ付けや戦い方も個性的で正に多彩。
アシストキャラは6人いますが、完全に被っていると思えるようなものは無いのではないかと。

たくさんのキャラクターを見せたいし、魅せたいんだ!
という意志をヒシヒシと感じます。付属のキャラテキストなんかを見ても。

そしてそれはかなり成功していると思います。
いやはや、作り込んだなあ。



操作感も良く、少し操作すればすんなりとゲーム世界に入って楽しむことが出来ます。難易度にもよりますが、案外と落ち着いてゾンビを蹴散らしていけるのではと。

慣れもあるでしょうが、敵が多く出現してバタバタすることもある割には、そこまで焦らなくてすむ感じがあったように思います。


これは移動速度など含めたテンポやスピード感などが、速すぎず遅すぎずという感じだったのも影響しているかもしれません。凄い疾走感などは無いですが、丁度良いというかなんだか心地良いというか。

そういうのもあって、キャラや敵の動き、演出を楽しみやすいのは良かったかなと思います。特にヘリの影とかは良い演出だったなと。

あれがあるのと無いのとではかなり違うかったのではという個人的見解。


アクションゲームとしてもしっかりしているので、移動して撃って斬ってとやっているだけでも楽しい。前述の通りキャラクターが多く、全員分選んでいくだけでも長く遊べます。

特にメインキャラクター3人は、それぞれの個性が大きく出ていて良い。
別ゲーになるレベルのドローン使い未来には驚かされました。

グラフィックも細かく、上下入力でキャラの顔の向きが変わったりします。仕様から考えると無くても困りませんよねこれ。上下ライン移動も同じモーションで処理できそうなのに、別々のアニメで処理していたり。

他だと、アシスト呼び出し時にクリアやゲームオーバーをした場合、きちんとアシストキャラも反応するようになっているとかも、細かいけど結構感心した作り込みの部分でした。
難易度で背景の時計が進んでいっているとか、エンドレスだとちゃんと専用の画像が表示されるとかも良かった。


ゲームバランスも良かったと思います。
が、それよりもキャラクターが9人いる割に、どのキャラも使える感
じが非常に良かったなと。調整を上手くやれているなあと感心。

最初は、明らかに強いメインとアシストがあるだろうと思ったのですが、やっていくとそんなに差がないなと思えたんですよね。
本気でやり込むと差もでるでしょうけど、クリアだけしてみる程度だと、基本的にどのキャラクターでも十分遊べるかなと。
(ただし格闘娘だけは明らかに扱いが難しいと思われる)



このままでも十分凄いが、やりたいところ以外の部分というか、意識的無意識的にスルーしている部分に真摯に取り組めば、もっともっとつよつよになれるポテンシャルがあると思うのじゃ。頑張れ!
(ここは知人的エール段落)



Kさんばとる!ド・モルガン/やれやれ

作者コメント:
「スマホ対応、計算ばとるゲームです」

とのことで、計算でばとるなゲームです。
はてどういうことかしらと思いますが、やってみるとすぐに理解でき、かつ遊べる素敵なゲームになっております。

凄い単純なんですが「計算ばとる」なので「Kさん」というのがクスッと出来て良かったというかなんというか。きちんと設定に反映されているのがポイントが高い。


主催者であるやれやれさんのゲームは審査対象外なわけですが、相変わらずオシャレかつ完成度高いゲームでして感服。
毎度のことですが、参戦していたら良いとこいっていたでしょう。

こういうゲーム、とりあえず遊ぶだけなら万人向けであるというのも素敵ポイントですよね。アクションものだと、どうしても好き嫌いや門前払いが発生してしまうこともあると思うので。

しかし出来の良いものを作るのは大変なジャンルだとも思うので、ほんと凄いなと思います。私は無理だ。


今回のゲームは、やれやれさんのゲームとしては比較的易しめで、私でも楽しくクリアすることが出来ました。

出来ることが少ないのもあって、終盤の高難易度ステージもゴリ押しとか総
当たり方式でもクリアしやすかったんですよ。(ひどい話だなあ)

いや、一応考えたところもありましたよ。数字が大きいならとりあえずガッと割って小さくしなきゃいけないだろうとか……はい、なんかすいません。


キャラクターのフレーバー的な紹介文が2行だけ表示されていたり、使い回しの声で喋るのは、必要だったのだろうか……みたいなことをプレイ中に少し思った記憶があったのですが。
再度触った時に「それが無いなんてとんでもない」となりました。
無い場合を比較想像したらちょっと味気ない。やはりこういうところは大事なんだなあと改めて。




★ここまで★

それでは、できたら皆さん、次回にまたお会いしましょう。

<完>


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