ClusterGAMEJAMにNeosVRを活用した話

この記事はNeosVR Advent Calendar 2020の24日目の記事です。


ClusterGAMEJAM 2020 in WINTERに参加してきました。

NeosVRを駆使してワールドや素材を作ったので、どんな感じだったのか書いてみようと思います。GAMEJAMというのは、決められた期間でゲームを作って投稿する みたいなイベントらしいです。

作ったワールド

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実際にここで遊べます

参加表明から当日までの流れ

開催期間は12月18日(金) 20:00 - 12月20日(日) 19:59までのたったの48時間。

イベントの存在は知っていましたが、VRC含めてワールドを作ったことはない。当然アセットとか知らないし、blenderも爆速で作れるわけではない、曲も作れない。出来る事がないし間に合うわけもないのでスルー予定でした。

締め切り1時間前に参加を決めました。例え間に合わなくても、後からアップすれば全然大丈夫みたいな緩い空気らしいです。開催は僅か2日後。こういうのは勢いが大事です。

当日

別のアドカレの記事(静電容量自作キーボードが出来るまで)に追われ、この日は着手出来ませんでした。作りたいゲームのイメージは出来ているものの、ワールド制作方法は一切不明。ドキュメントすらまだ読めていない状態です。

記事が書きあがったのが日付が変わるころ。さーてclusterやるかと思ったら、NeosVRにバーチャルデスクトップという神機能が搭載されてTLが大騒ぎ。

こういうことをして遊んでいたら2時になりました。

開始

Cluster Creator Kitをダウンロードし、Unityの指定バージョンをインストール。3時になった時点でようやくタイマースタートです。

最初からテンプレート用に2つのワールドが用意されています、とてもクオリティが高いというのは噂で聞いて知っていました。とりあえずシューティング用ワールドを開いて絶望。もっとこう、スクリプトでガンガン書かれてると思ってたのですがそういう感じではないらしい。力業でなんとかする気満々だったので、あーこれは終わったなと思いました。とりあえずlogix的なのがどうやって書かれてるか突き止めて、この日は終了。

土曜日

12時に起床してまずは昼飯。いつもならそのまま昼寝して3時になるわけですが、やる気に燃えていたので早速Unityを起動します。シューティングワールドを改変する方法で作っていきます。大丈夫きっとうまくいく。しかし早起きというのはとても心地が良いモノですね。

銃や的のコンポーネントを見ていくと「Global」とか「This」とか書いてあります。変数っぽいのとか、比較っぽいのもある。

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なんか行ける気が出てきました。「トリガーを受けとって何かする」ってこれNeosVRの「Pulse」じゃん。Thisは多分自分自身のトリガーを検出、Globalは全体なんだろうなぁとか。ふんわりと雰囲気を掴んでいきます。

完全に理解(わかってない)したところで、改変していきましょう。

今回のゲームを作るにあたって、テンプレワールドに足りないモノを洗い出していきます。

・オブジェクトの移動と回転

・オブジェクトの有効、無効切り替え

・残り時間のカウント

・変数をtext表示する


やる事意外と少ないですね。ドキュメントを開いてそれっぽいコンポーネントを探しつつ、試してきます。いつもNeosVRでやっている事ですね。全部日本語なのはとてもありがたいです。あれじゃないこれじゃないと格闘しながら一つずつ理解。ゲーム製作に必要な機能がシンプルにまとまっているので、ドキュメントをサラって読むだけで、出来る事が大体わかるのが良かったです。

NeosVRで敵キャラを作る

何をどうしたらいいのか分かったところで、素材を作ります。まずは的に使う敵キャラです。先に作っておくほうがゲームのイメージが出やすいし、なによりテンションがあがります。blenderで作る暇はないのでNeosVRを使いましょう。

NeosVR内には有志が作成したNeoRoidというものがあります。VRCやclusterで使えるアバターを簡単に作れるよーって奴です。外部への書き出し機能もなんとあり、生産物はCC0ライセンスです。これを使って大量生産していきます。

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↑実際に普段使ってるアバター

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↑大量生産の様子

ワールドを作る

1時間で10体ほど作ったところでワールド制作にとりかかります。NeosVR内で作成したものはfbxなどに出力可能です。マテリアルは無理ですが、テクスチャなら書き出してくれます。CC0ライセンスのテクスチャが大量にあるので、外観を作った後にマテリアルツールで適当に設定していきます。3D空間で空を飛びながら作れるので凄い効率的でした。みんなで作る事も可能ですが、今回は一人での参加なのでもちろんプライベートワールドで作業しています。

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あと、対象切り抜きカメラが滅茶苦茶便利でした。

下はユーザーがカスタマイズしたオリジナルのペンで雑に書いた文字です。

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正しくグルーピングして切り抜きカメラを使うとpngで出力出来ます。(ピクチャフォルダにはjpgで保存されるので、fbxのときと同じように、オブジェクトを掴んでメニュー無いからエクスポートする必要があります)

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Wantedに使う画像とかこれで全部作りました。フォトショ入らずでとても楽です。

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ワールド制作で大体1時間くらい。

いったんアップロード

ご飯と風呂を済ませ、NeosVRで作った素材を入れてアップロードテストをします。的のメッシュとテクスチャをNeoRoidアバターにします。こんな罠はありましたが、フォロワーさんに教えてもらった方法で解決。NeosVRで作ったものを問題なくclusterに持ち込めました。(clusterで使う場合はテクスチャを圧縮してエクスポートするといいらしいです)

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はじめてのワールドアップロードに成功しました。

ゲーム性を作っていく

的を円状にグルグルまわしていきます。

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オブジェクトの配置と、敵の配置、移動。あとはタイマーや点数の表示、ゲーム中以外は的を撃てないようにシャッターを置いたり。オブジェクトを動かす方法に物凄く苦戦しました。

的を撃つたびに少しずつ早くなっていくのを実現したかったのですが、今まで使っていたコンポーネントが継続的に加速度を与えていくモノらしく超スピードになります。瞬間的に加速度を加える方に切り替えたはいいものの、ゲームリセット時に速度を引き継いでしまいました。リセットする方法はないらしく、加速した値を記録して減速する方法しかないみたいです。あとgravityに気付かずコライダーを消したら地面に落ちたり、物理演算を知らずに徐々に減速していく原因が分からなかったり。そんな高度な機能があるとは思わなかったのでまさかでした。めっちゃ便利そうですよねこれ。

移動だけで3時間くらい苦戦しました。とりあえずゲームとして最低限遊べるようになってから寝たかったので、朝の6時まで作業してました。夜食?を食べて就寝。

日曜日

12時に起きて昼飯食べて昼寝。食べてすぐ寝る豚のような生活です。3時に置きました。もうゲームは出来ているので、ここから先はどこまで面白く出来るかというボーナスタイムです。とても気が楽です。

まずは魔王魂というサイトでフリーの音楽を漁り(これの存在もNeosVRで教えてもらった)、テンプレートワールドっぽさを消していきます。

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銃と残弾があまりにもワールドに合わないので、またNeosVRに潜って作ります。(残弾は変更しましたが、弾本体は変更し忘れています)

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ここで夕方の6時。残り2時間ラストスパートをかけていきましょう。

的のHPや点数、回転速度や感覚を調整し、パーティクルも消します。バグって別の的から出てしまっていたので。

NeoRoidで作ったものをしっかり見て欲しかったので集合写真的に配置したり。

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タイトルを雑に書いたり。

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そういうわけで、全部配置してアップして完了です。shaderもいろいろ使えるらしいですが全部Unlitです。そういう調整している時間はありませんでした。

ちなみにVRモードで入ると右手と左手で武器もって二丁拳銃出来るわけですが、気づいてません。まぁ面白いのでOKでしょう。

全体を通して見て cluster編

まさか間に合うとは思わなかったのでびっくりです。

clusterの設計が非常によく、ゲーム製作に必要な機能がまとまっていました。ドキュメントも分かりやすく、何よりテンプレートワールドが凄いですねこれ。ワールド自体が普通に面白いので、「これ使って何かやりたい」という気持ちにさせてくれます。これがなければ右も左も分からず逃げだしていたと思います。

cluster勢の熱意の高さは前々からtwitterで感じていたのですが、皆さんとても親切でした。普段NeosVRとVRCに籠ってなかなか顔を出せていないのですが、進捗をあげるとふぁぼをくれ、分からない事を呟くとすぐさま解決法が飛んできました。本当にありがたかったです。私は公式discordを知りませんでしたが、そちらでもかなり活発に初心者へのアドバイスが行われていたようです。

聞けばすぐに教えてくれるというのは、NeosVRの現在の雰囲気とかなり似ているような気がします。コミュニティの発展の為に惜しみなく技術を共有してくれるというのは本当にありがたい限りです、自分たちも作りたいものがあるはずなのに。常駐している方達もクリエイティブな方が多く、非常に似た雰囲気を感じました。

全体を通して見て NeosVR編

NeosVRでは異常な速度で捜索が行われています。凄いギミックを仕込んだワールドが1日で完成したりで驚きの日々でした。

これをやるまでは、複数人で集まってるし、ファイル共有の手間がないから進捗が早いのだと思っていました。

しかし実際には、「VR空間での直感的な操作」「豊富なCC0ライセンス素材」と、普通にツールとして優秀であることが判明しました。

時間がなかったのでBOXを作ってテクスチャを貼り付ける程度でしたが、もっと複雑なモノも作れます。VRC用のワールドを作ったり、Virtual Castのアイテムを作っている方もいるようです。私以外にも今回のGAMEJAMにNeosVRを使った方もいるようです。マテリアル関連についてはもっと良い方法があると思うので、さらに研究を進めたいです。

NeosVRで作ったアイテムを外部に書き出したのは、アバター以外だと今回が初めてです。日頃はLogiXというプログラミングに夢中で、ワールドや小物制作は初心者です。にも関わらず、それなりにモノが出来たの正直驚きました。リサイズ用にフォトショを1回使った以外は全部NeosVRです。まさかblenderを全く起動せずに済むとは思いませんでした。でもまだ潜在能力の5%も引き出せてないので、もっと鍛錬したいです。

凄い方は1時間でこんなのが出来てしまうみたいです。

最後に

参加するか迷っていた私の背中を押してくれたフォロワーさん、分からない事に対してすぐにリプライをくれた方々、審査対象関連についてすぐに動いてくれた運営の方々に感謝します。

全体を通してとても楽しく、clusterとNeosVR両方の可能性についてより深く知ることが出来ました。cluster勢とも交流出来、熱意を感じられて非常に刺激になりました。

そういうわけで、2回目になりますが是非私の作ったワールドで遊んでください。拙いなりに一生懸命つくったので。

そしてNeosVRに興味をもったcluster勢のみなさん、是非遊びにきてください。

この記事を読んでいただいてありがとうございました。明日はpiacere_exさんの「NeosVR |> ARアプリが拓く将来の仕事と生活について」です。


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