引っ越しを決めた井の中の蛙#114

自分はこの社会で生きていくことということについて何も知らなかった。

そんなことを引っ越し作業をしながら感じている。

例えば、お金のこと。
この家に住み始めたのは大学生の時だ。
その時は自分で決めるのが面倒でそのほとんどを親に任せていた。

自分は絶対的に両親に守られていた。
無知であることを恥じながらも、それでも甘えていたのだ。

それなりに頑張って生きてきたつもりだったが、その頑張りは井の中の蛙でしかない。

今回の引っ越しはそんな自分からして満点を上げたくなるほどに大きな一歩だ。

こうして自分が何も知らないことに気づいたからだ。

しかし、これからの新しい自分からすればほんの通過点に過ぎない。
少し時間をかけ過ぎてしまったように思う。

今回学んだ実際に自分の目で確かめることの大切さ。
こうした当たり前を一つひとつ積み重ねていくことが、この社会で人と生きていくということになるのだろう。

人は人に生かされ、そして人を生かしているのだから。

世界を見る視野が少しだけ広がった体験だった。


最後に、大好きな本「羊と鋼の森」の一文を、ここから歩き出す自分のために残しておきたい。

四年かかって、やっと今、ここにいる。ここからいくしかないではないか。何もないところから、焦らずに、こつこつと。

2022.2.11.13:25

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