それはまるでうたかたのような#32
自分が求めていたものは手に入らない。手に入ってもすぐ消える。
それはまるでうたかたのようだ。
綺麗だと思った次の瞬間にはもう消えている。その美しさに魅了されて、掴もうとすればするほどするすると自分の手からはすり抜けていく。
藁にもすがりたい思いを持っても、誰も助けには来ない。仮に助けが来てもそれを受け取ることができないだろう。というよりすでに何度助けてもらったのだろうか。何度救われたのだろうか。それさえも忘れてしまう。それもまるでうたかただ。
今の自分が好きなのだ。うたかたのようにはかなくもろくよわい自分が。
そんな今の自分にどこか美しさを感じているのかもしれない。どんなに否定しようとも、変えようとしても、立ち現れるこの自分。何度も、何度も。
こうやって少し思考の海に潜れば出てくる悔しいという感情。
あぁしていれば、こうしていればの毎日。そしてそれを忘れ続ける毎日。
信じ続けるということがこんなに苦しいことだとは知らなかった。忘れ続けてしまうのは、この苦しさから自分を守るためなのだろうか。
「そうだな、きっとそれが正解だ。じゃあ、もういい。自分から離れていくよ」
そんなことを投げやりに思う自分もいる。本当はそんなこと願っていないはずなのに。もっとポジティブに生きたかった。自分に対して自信に満ち溢れ、をあなたと関わると元気が出てきます」と言われたかった。そして、言われたことを自分のこととして受け入れたかった。たくさんもらっているものを、そのままもらいたかった。
自分を救えるのは、自分だけなのだ。救いの手はそこら中に差し伸べられている。
こうして言葉にできた分少しは救われる準備が整ってきているように思う。
2021.10.29.22:39
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