花火

正直この話は色々な意見があって正解がない。強いて言うならその人自身で決めた答えがその人自身の正解だ。
どんな生き方をするにも、どんな出会いがあるか、どんな最期を迎えるのか、人生は長いようで短い。
どんな考えで、どんな行動をし、どんな後悔をし、どんな失敗をし、どんな成功をし、どんな不幸があって、どんな幸せがあって、守りたいものができて、どんな幕を閉じるのか。
つい昨日まで元気だった友人が、家族が次の日にパタッと居なくなっているかもしれない。
覚悟ができた人間は強い。どんな環境でもどんなコンディションでも。ほんの少しの風で消えそうな灯火だが、消えない。最後まで我らを照らす。何かを、その人自身が何かを成し遂げるまでには。

終えてからは一瞬だった。ピピピピなる音が脳に染み渡る。トラウマになりそうなこの音。大切なものを奪っていくこの音。
出会ってからこの日まで一瞬だ。数々の記憶が蘇る。
人生は花火のようだ。努力して考えて工夫して細い線を紡いで高いところで大きな華を咲かす。言い方が悪いが、ある意味葬式がその人自身の価値を示す最大の場所なのかもしれない。その人がいないのに。皮肉だな。

体がだんだんと冷たく、脈を打つ心臓はもう止まりかけだ。最後くらいは笑って見送りたいな。あの頃のように。最後に目があった気がした。亡くなる瞬間も最後まで聴覚はしっかり残ってるらしい。だから、せめて最後にこれだけは伝えときたいな。







ありがとな。

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