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推しが卒業する

最初に

自分の中の感情を整理するために書いているので推し自身の話はほとんどしてません。振り返りのチラシの裏です。
あとそんな悲観的な記事ではないので安心してください。こう言ってしまうとアレなんですが、私自身そこまで熱心なオタクではなかったと思います(悲しいし辛いけど何年も推してきた方に比べたらまだ全然軽傷……という気持ちが先に来る)

推しの名前を書くかは迷ったんですが(本人や他のファンにとってノイズにならないかと)そもそもTwitterで公言してるのでいいか……と思ったので言います。8月末ににじさんじを卒業する成瀬鳴さんのことです。

クソ不純な動機による出会い~推すまで

単刀直入に言うと、小説の資料として登録者数10万~20万人前後で新人以外・日本語圏の男性ライバーを探してえにから公式のライバー一覧から飛んだのが出会いです。
近づいた動機が不純すぎる。本当にすみません。

一応言い訳をしておくと、資料として求めたのは「これくらいの規模のVTuberの配信の空気(コメントの流速、リスナーがどんなコメントをしているのか、コメント欄との交流の仕方、配信頻度など)」だったので、小説の主人公に成瀬鳴さんの要素は特にありません。
最初から推すつもりで見たわけではなかった、というのがこのド失礼な経緯の要約です。
(似たような動機で見始めたら案外はまっちゃった人は他にもいますが割愛)

約1年前、チャンネルトップページの「白い」サムネを見たときの困惑は今も覚えています。
なんなら今でも時々困惑しています。

当時の私は「にじさんじ」という箱の活動範囲の広さをよく知らなかったのもあり(現代のVTuber=ゲームか歌みたいなイメージしかなかった)、初見の困惑を拭えないまま「とりあえず見てみるか……」とアーカイブを見ることにしました。
そのときの直近のアーカイブが広いフィールドを自由に動き回るタイプのゲームだったためかコメント欄は非常にまったりとした空気になっており、成瀬さんものんびりゲームを進めていらっしゃったので平たく言うと成瀬さんのことも配信の空気もよくわからず終わってしまい、他を見ようにもなにせ5年分のアーカイブなので自力で遡るのも難しく(繰り返しになりますがもともと推すために見始めたわけではなかったのである程度効率を重視していました)一旦切り抜きで見るか……と切り抜き動画を探し始めました。

余談ですが「なんかこの青い人切り抜きにめっちゃよく出てくるな……」と思って見始めたのが春崎エアルさんです。今では成瀬さんと同じくらい推してます。

閑話休題、切り抜き動画を見ていて気づきました。「昔の切り抜き、顔が全然違わない?」と。
ここで詳しく触れるのは控えますが、理由を知りたくて非公式wikiを見ました。

まあ、それを見て思ったわけです。「苦労してるんだな……」と。

突然また昔話をしますが、私が最初にVTuberに触れたのはそれこそ最初期のキズナアイさんの時代まで遡ります。3Dで、動画で、複数人で力を合わせて10分程度の映像を作り上げていた時代です。
そこからバーチャルさんはみているのアニメ(?)を経て、最終的にDWUさんのアーカイブを追いきれなくなってVTuberと呼ばれる界隈から離れました。
(これは当時の私の推し方がちょっとアレで、好きな配信者の動画は全部見たい!という気持ちがあったんですよね。10分15分の動画なら毎日見て追いつけたんですが、技術が上がっていって対談アーカイブ1時間2時間とかになってしまって前のを見終わらないうちに次が来て……で追うのがしんどくなってしまった)

そういう何かしらお金なり人手なりをかけないとやれなかったVTuberというものが気づけば個人でも自宅で2Dのイラストを動かして始めることができるようになっていたため、なんとなく「今のVTuberは昔のVTuberより気軽に始められるし苦労も少ない」みたいなイメージがありました。
(にじさんじアプリとかそのあたりの歴史を考えると2D月ノ美兎のほうが3D月ノ美兎より先にあったはずなんですが、いかんせん私は上記の経緯で2DのVTuberというものを知るのがかなり遅れたため「2D配信勢のほうが3D動画勢より後の時代」みたいな感覚が漠然とあります)

でもそんなことはなかった。そもそも私が成瀬さんを知ったのが2023年だっただけで、苦労を重ねてきた成瀬さんはまさにその当時からの時代の人。
可愛く動く2Dのお顔の裏にたくさんの努力と歴史が積み重なっている。この人も「生きている」。

この「生きている」というのが、長らく二次元しか推していなかった私にとっては衝撃だったのです。

もちろん成瀬さん以前にもにじさんじで好きなライバーさんはいました。
先述の通りバーチャルさんはみているを見ていたので月ノ美兎委員長とシスタークレアは当時から知っていましたし(「にじさんじ」という箱を認識していなかっただけ)、2022年にはサロメお嬢様を株クラ経由で知って初配信を見て好きになり、そこから流れでVOLTACTIONをちょっと見ていたのでVTuber好きだな!にじさんじのことごく一部しかまだ知らないけど好きだな!小説書きてえな!くらいには思っていたわけです。

ただ、彼ら彼女らのバックグラウンドまで把握して好きだな!と思っていたわけではなかった。
そんなところで「この人も同じ時間を生きているんだ」という感覚を唐突に理解したわけです。
VTuberはバーチャルな世界で活動する~なんて言われることも多いですが、バーチャルなのは表現だけであって結局は顔を出してる配信者と同じ。声優が声を当てているアニメやゲームのキャラクターではなく、その人としてそこに存在している。

それを踏まえて、もう一度白い背景の動画を見ました。
この人頑張ってこれ作ったんだなと納得して、アーカイブも、リアルタイムの配信も見て、この人自分が楽しむことで視聴者を楽しませようと頑張ってるんだなってわかって。
成瀬鳴さんのことを「推したい」と思いました。


推しがいなくなるということ

私は「推しの引退」に立ち会ったことがありません。
子供の頃、globeというアーティストが好きでした。いつかライブに行きたいと思っていましたが、自由に自分のお金で行動できるようになった頃には活動を休止していました。
現時点でも「実質的休止」です。解散も引退もしていません。3人揃ってのライブは体調や年齢を考えるともうないのでしょうが、時折近況が発信されますし、まさかの新曲だって出ました。
生きている限りまた会える。どこかで近況を知る機会がある。私にとって「生きている有名人、推し」というのはそういうものでした。

だけど、VTuberの引退は事実上の存在消失です。
中の人……魂……呼び方はどちらでもいいのですが、仮に見つけたとしてもVTuberだったときの存在と同一視することはできません。
今のところ成瀬さん本人が「次はこういう名前でこういうことします」と宣言しない限りは探さないし追わないつもりです。

そう考えると寂しいなという気持ちになります。
もうあの機械翻訳みたいなよくわからんツイートでバズる姿は見れないのか……とか。
とうとう彼女できました宣言を聞けなかったな……とか。(※成瀬さんは過去に「今年の目標」で彼女作るをあげています)

過去のアーカイブの一部(メン限とか)が見れなくなることもですが、「新しい発信」がなくなるというのが確定したというのが現状一番悲しいです。
病気とか不祥事とかでなく円満卒業という形になったのはとてもいいことだ、始まりがあれば終わりだってある、新たな門出に祝福を……そういう気持ちだってもちろんあります。むしろそれがあるからあまり落ち込んでないとも言えるのですが、それでも寂しいのです。

これが「推しの卒業」なのか、と。
身を持って理解しました。


なんでこういうときに限ってXちゃんと見れてなかったんだろうな。知ったの今朝ですよ今朝。いつも見てた切り抜き師さんの切り抜きで知りました。
私昨日のApexの配信もちょっと見てたんですよ。開始直後にいなかったので冒頭の会話を見てない&コメント欄が完全に「今Apexしている成瀬さんを応援する」で一体となっていたので本当に気づけませんでした(1戦目か2戦目終わったあたりでお風呂入るために離脱したので本当にわからなかった……)みんなすごいよ、みんな……。




やっぱりまとまらねえよ

これだけ文字数かけて結論が「寂しい」なの本当に前置きが長すぎるんだよな。すみません。自分でも書いてみないとわからなかったんで。

深く落ち込んではいません。それをするには私はファンとしての歴が浅いし、人生を捧げていたわけでもない。お金をたくさん使ったわけでもグッズを買ったわけでもない。せいぜいボイスを数点程度です。
人から「それだけしか貢献してないのに推し?」と言われても仕方がないなと思う程度の推し活しかしていませんし、こういう文章を書いて公開するかと思うくらいには元気です。

ただ、あと10日間。なるべく悔いが残らないよう。最後に何を伝えたらいいかしっかり考えておこうと思います。



宝物

41:35~ 自作台本読んでもらっています。
その後制服着て出てきてくれて本当にありがとう。

創作者としてVTuberに貢献するにはやっぱサムネ用の絵とか描けないとダメなのかなあって思ってたけど、文章読んでもらえるとか書き手としてこんな嬉しいことはなかったよ。
第2回もあってほしかったし、欲を言えばもしも作家としてデビューできたら仕事として声当ててほしいなあなんて夢も見ていたんだ。
それはもう叶わないけど、そういう夢をモチベーションにして賞に応募してたらリブレは最終選考まで残ったしKADOKAWAのほうは佳作も取れたんだぜ。頑張ったよ。
1年くらいの期間だったし私からできたことはあまりなかったけど、私はたくさんのものをあなたから受け取りました。


ありがとう、成瀬鳴。
どうかお元気で。





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