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ミッドナイトゴスペル第3話考察〜攻めの瞑想"魔術"が使えたら

今日はミッドナイトゴスペルを第3話を考察していく。

舞台は海の星で、主な惑星生物は猫だ。
猫が海賊をやってて
船上でThe Entertainerを弾いてたりして可愛い。

その海賊を束ねる金魚鉢頭の男が
今回のゲスト、ダミアン・エコールズだ。

彼は幼少期、問題児だった。
ヘヴィメタルを愛聴し、オカルト本を好んでいたために
無実の罪で死刑囚となり
18年間服役した後に釈放された。

その事件は「デビルズ・ノット」という名前で
2013年に映画化されている。

第3話のテーマは
魔術と瞑想、悲劇的な運命
といったところだろうか。

一見、悲惨な人生となったダミアンが
魔術と瞑想の関係について語る。


ーーーーーここからネタバレ有ーーーーー


魔術は日常にありふれている

ダミアンは魔術についてこう語る。

「僕は魔術を使うが、瞑想はとても大切だ。注目した方向にエネルギーは流れるから。魔術を使う時は心を一点に集中するんだよ。成し遂げたい事にね。それには瞑想が有効だ。心の訓練だよ。」

「瞑想で習得するのは東洋でいう"悟り"の境地。西洋では"溝を越える"。
悟りにジェット燃料を注いだのが魔術だ。

「魔術において悟りは、ソーラー・コンシャスネスと呼ばれる。完全に"今ここ"に居る事さ。」

巷で流行っている瞑想は
思考や感情を観察し
今ここにいることを目的としている。

魔術はここから一歩先に進む。
そのニュートラルになった意識を
達成したい事柄に向けるのだ。

悟りが守りの瞑想だとしたら
魔術は攻めの瞑想だと言えるだろう。

ダミアンいわく達成したい事柄は
仕事のことでも恋愛のことでもいいらしい。
こう聞くと引き寄せの法則のようだが
魔術も引き寄せも元は同じなのだ。

どこに意識を向けるかで現実を創造していく。
例えば、本田圭佑やイチローは凄腕の魔術師だ。
達成したい事柄に意識を向け続け、偉業を成し遂げた。

ミッドナイトゴスペルの考察をしようとnoteを書く。
規模は小さいが同じことだ。
意外にも魔術は日常的に行なっていることであり
誰もが魔術師なのかもしれない。

自分もmeditopiaというアプリで
瞑想をすることがあるが
体に意識を向けたり
誰かに意識を向けるプログラムがある。
続けているとだんだんスムーズになる。

音楽を聞くときも
どの楽器に意識を向けるかで
聴こえ方は違ってくる。

楽器の練習をするときも
リズムに意識を向けるか
メロディーに意識を向けるかで
改善されるポイントは違ってくる。

意識の扱い方に上達すること
より達成したい事柄に近付くのは
当たり前のことかもしれない。


覇気、チャクラ、念、フォース

次に話題はエネルギーや"流れ"に移っていく。

ダミアン
「大切なのはみんなが魔術をきちんと理解すること。例えば口での伝承を聞くとみんなはすぐ誤解して、物語を伝えるだけと考える。そうじゃない。口頭での伝承はエネルギーの流れが、人から人へ声を通して伝わるんだ。情報を運ぶ波長だよ。そして聖書はもっとも偉大な魔術書と言える。」

「まず"流れ"をきちんと受け取ること。元の持ち主と同じ言葉だけ発しても君の中に、"流れ"がないと渡せない。"流れ"と正しい言葉が必要だ。」

「魔術の目的は2つ。まず何かの顕現。2つ目は精神的な持続だね。
自らのエネルギーと知性を呼び起こして、エネルギー系やオーラに取り込むんだ。」

この世にはエネルギーやオーラという概念がある。
漫画では馴染みのある概念だ。
ワンピースにおける覇気。
ナルトにおけるチャクラ。
ハンターハンターにおける念。

"流れ"については
スターウォーズにおけるフォースが
近いように感じる。

同じ言葉を発しても
誰が言うかでインパクトが異なったり
同じ人でも感情がこもるシチュエーションでは
受け取り方が違ってくると思う。

また、独学で勉強するより
誰かに直接教わった方が
言葉の力以外のところで
すっと受け入れやすかったりする。

ふとやりたくなったことを行動に移したら
すんなり上手くいったという経験は
流れをキャッチする能力だ。

大切なことは目に見えない。
エネルギーや"流れ"なるものも
日常に漂っているものなのかもしれない。

目標にエネルギーを注ぎ
"流れ"に乗るため方法が
瞑想や魔術なのだろう。


悲劇的な運命

ここでクランシーが素朴な疑問をぶつける。

「つまり君が刑務所に入ることになった理由は
変だけど、良い報い(Good karma)?」

ダミアンはこう答える。

「うん、その通り。クレイジーに聞こえても僕はそう思う。今は刑務所で過ごせた時間に感謝してる。恐ろしい目にあったけどね。だから僕は否応なしに、瞑想で何が得られるのか探っていたのさ。出所する頃には外も中も変わらなかった。僕は自分が何をやるべきか知ってる。それって幸せだ。

このエピソードを見た後
ダミアンの言ってることって
フランクルの「夜と霧」と同じじゃん
と思った。

悲劇的な人生を歩むことを余儀なくされた人間は
鶏が先か卵か先かわからないが
その人生に意味を見出し、運命を受け入れる

しかし、悲劇のレベルは異なるが
これは誰にでも当てはまることかもしれない。
望んでもいない環境や肉体の元に生を受け
気付いたら大人になっている。

自分も幾度となく自分の人生を恨み
「北欧の資産家家庭の超絶美人に生まれたかった...。」
と思うこともあった。

それでも蚊に生まれて圧死する虫生よりマシだし
いつからか与えられた境遇で
やってくしかないと思うようになった。

悲劇レベルの高い人の人生を垣間見ると
運命を受け入れてその中で
自分の実現したいことに意識を向けることの
大切さが身に染みて伝わる。

18年も冤罪で檻の中って!
正気の沙汰じゃない😇
ダミアンの場合元々オカルト大好きさんだったから
18年間誰にも邪魔されず瞑想できて
よかったのかも知れないけど。


結局人間男と女

物語のクライマックスでダミアンはこう語る。

「ソーラー・コンシャスネスを開発したら、次はソーラー・ボディを作り上げる。これは意識のための車体作りだよ。死ぬ時に意識をソーラー・ボディに入れる。すると君は全く同じではないけど、君の意識だけは永遠に壊れなくなる。その瞬間から、君はいつでもどこからでも物質界に、入れるようになる。」

そうしてクランシーとダミアンは純粋な意識体となり、その意識をダミアンがいうところのソーラーボディに移し、誕生する。

ここでミッドナイトゴスペル節が炸裂する。

誕生したソーラーボディ巨人のダミアンと
ソーラーコンシャスネスを手に入れるための祠だった巨人が
奥さんを寝取った事で喧嘩を始めるのだ。

いくら魔術を身に付けたところで
結局実現したいことは男女の欲望だった。
悟ってもこの人間の性からは逃れられない。

最後に喧嘩に勝ったダミアンのセリフが
皮肉が効いてて印象的だ

「みたか、運命は俺の味方だ。
時にはあからさまに言うけど
だからこそ俺は美しい。」

ミッドナイトゴスペルのシナリオに協力する
ゲストの方々は皆ユーモアがあって
魅力的なエンターテイナーたちだ。


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