【Real Madrid】 マドリーのラストピース
移籍市場閉幕まであと1週間。カゼミロの電撃退団によって戸惑いや不安を憶えるマドリディスタも多いだろう。マドリーはこれ以上補強をせずに9月を迎える可能性も十分あるが、もし補強をするならどのポジションの誰が良いのかについて考えていく。今回は、より私個人の主観に近い視点からの考察である。
現スカッド
カゼミロが退団し、現在のマドリーのスカッドはご覧の通りである。長く多方面から指摘されている通りマドリーの最優先の補強ポジションは前線、特にベンゼマの控えであろう。ベンゼマ不在時の得点力不足は今に始まった課題ではなく、アザールの偽9番やマリアーノはその解決策になることはできていない。
ベンゼマ不在時の解決策
ただ、ベンゼマの代わりができる選手なんて世界中探してもそういない。そこで、今季のプレシーズンマッチでも試していた"アザールの偽9番"を軸に解決策を見い出す。
アザールが中央にいることで、両ウイングにはより得点力が求められる。ドリブルやオフ・ザ・ボールの動き、ボックスの中でのポジショニングに定評のあるロドリゴ。プレシーズンマッチでアザールとの良い連携を見せ、ピカイチの決定力を持つアセンシオ。昨季から得点関与率の高いヴィニでもおもしろそうだ。
ただ、前線の選手層・バランス、そして今年はW杯イヤーであることを考えると、ここにもうひとり得点に直接関われるような選手を加えたいのが理想ではある。
現スカッドの全体的なバランス
私が以前からお伝えしている通り、スカッド全体のバランスを見ると右ラテラルも補強優先度が高い。カゼミロの退団によって彼の後釜を獲るべきだという焦りの声も聞こえてきたが、このように俯瞰して見ると前線と右ラテラルの優先度の方が高いと個人的には感じている。ただクラブの動向からして、今夏に右ラテラルの補強に動くことは考えにくい。昨季終盤、カルバハルが世界最高だと言わんばかりのパフォーマンスを見せてくれたこと、マドリーのフロントが欲しがっているリース・ジェームスはEU圏枠の都合で今夏は登録できないことが主な理由であろう。したがって、今夏の私的ラストピースは前線の選手であるとお伝えしておこう。
SIR推薦の補強ターゲット
ここからは、私が推薦するターゲットを紹介する。ただし、ここまでの噂やクラブの動向を加味していないターゲットもいることはご承知いただきたい。
□ Christopher Nkunku (RB Leipzig)
年齢:24歳
国籍:フランス
昨季スタッツ:53試合 33得点 16アシスト
獲得の可能性:☆☆☆
エンクンクには以前からマドリーが関心を寄せている。攻撃的なポジションではどこでもこなせるユーティリティプレイヤーであり、昨季のブンデスリーガMVPだ。今夏にライプツィヒと契約延長し、来夏以降は6000万€の違約金が適用可能になると報じられている。今夏に契約延長したことから獲得は厳しいとの見立てが一般的だが、逆にライプツィヒからすればこれだけの選手を来夏以降にたった6000万€で放出する可能性がある。マドリーが今夏、カゼミロ売却で得た資金を使って獲得する可能性はあると踏んでいる。
□ Kai Havertz (Chelsea)
年齢:23歳
国籍:ドイツ
昨季スタッツ:46試合 14得点 4アシスト
獲得の可能性:☆☆
チェルシーではトップやシャドウといったポジションでプレーするハヴァーツ。彼が昨季のCL準々決勝2nd Legで決めたヘディングの得点はマドリディスタにとって記憶に新しい。彼もエンクンク同様、ユーティリティなプレイヤーだ。ただ、エンクンクよりも移籍金や年俸が高くなることが想定され、加えて今夏チェルシーはルカクとヴェルナーの2人を放出している。こういった背景から、交渉がスムーズにいかない可能性もある。
□ Bernardo Silva (Manchester City)
年齢:28歳
国籍:ポルトガル
昨季スタッツ:50試合 13得点 7アシスト
獲得の可能性:☆
特に8月はお隣のクラブの噂が絶えなかったベルナルドだが、ここ最近は移籍話の熱も冷めている印象だ。お隣のクラブは獲得した全選手の登録ができておらず、それどころではないのだろうか(知らんけど)。言わずもがなスーパーなプレイヤーで、シティではインテリオールや左ウイング、偽9番としてプレーするこちらもユーティリティプレイヤーである。昨季、今季と2年連続でトランスファーリクエストを提出し、彼に対するクラブの評価額は1億€とされている。
□ Rodrigo (Leeds United)
年齢:31歳
国籍:スペイン
昨季スタッツ:34試合 6得点 1アシスト
獲得の可能性:
マドリーの下部組織で育ち、2シーズン前にバレンシアからリーズへ活躍の場を移したロドリゴはリーガファンにとっては馴染み深いだろう。ストライカーポジションのみならず、昨季はビエルサの元でインテリオールという新境地を開拓。今季は特に好調でここまで3試合4ゴールと最高のスタートダッシュをきったチームの牽引馬である。既述の3名よりはかなり低コストで獲得することができそうだが可能性は低いか。
迫るタイムリミット
1ヶ月前はトップチームに登録できる定員である25名がチームにいたが、マジョラルとカゼミロの退団によって状況が変わり現在は23名。残り数日となった移籍市場だが、カマヴィンガの加入発表も1年前の移籍市場最終日だった。カゼミロショックを拭えるほどの一報がマドリードから届くのか、注目が集まる。