「文字の結婚花輪」概要解説

「オンライン・ラマナ・サットサンガ」プログラムAで詠唱されている、「文字の結婚花輪」の概要解説&各節紹介シリーズです。

文字の結婚花輪(Sri Arunachala Akshara Mana Malai)

ラマナが作られた「アルナーチャラへの五つの賛歌」の一つで最も有名な「文字の結婚花輪」というタミル語の歌である。ラマナのマハー・ニルヴァーナの際にはこの歌の大合唱に送られて彼は肉体を脱ぎ捨てた・・・ということもあり、現在でもアシュラムでは定常的に詠唱されている「テーマソング」的存在の歌である。


この「文字の結婚花輪」全体(序説・祈り・108節の詩文などで構成されている)を今後順次連載していく予定。

因みに、各回はそれぞれ

1・ローマナイズドタミル語とその日本語カナ音の付記(とりあえずこれで何となく一緒に歌える・・笑)

2・柳田侃先生による訳文

3・福間巌氏による訳文

で構成してある。

「前説」と「柳田訳」は「ラマナ・マハルシの言葉」より抜粋。

「福間訳」は「アルナーチャラ・ラマナ 愛と明け渡し」より抜粋。

ローマナイズド・タミル語の日本語カナ付記は知人Mさんの労作(ただしMさん個人の聴覚に頼っての記録であり、正確なタミル語の発音表記ではない)。


前説

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かれはまだその丘の上のヴィルパクシャ・ケーヴに住んでいた。サドゥーであったかれの幾人かの従者達は、毎日食物を請うためにティルヴァンナマライの町へ行くのが常であったが、ある日彼らは町に行くときに詠唱する歌を作ってくれるようマハルシに頼んだ。

かれははじめ、古来のシヴァ派の聖者によって十分な作られていると言って断った。しかし彼らがしつこく要求を続けるので、かれはすべての各節の終わりにリフレーンのある歌を作りはじめた。

ある日かれは丘の巡回に出発した。パラニスワミがかれの後を歩いていた。マハルシが少しの道のりを歩いた後、アイヤスワミが「この数日間スワミは毎日詩の数節を作ってこられた。今日も同じようにそうしてもらいたいのでスワミはこの紙と鉛筆をもっておられた方がいい」と言ってマハルシを呼び戻し、鉛筆と紙をかれに渡すようにみえた。


その日、シュリー・バガヴァーンは実際『文字の結婚花輪』を完成した。それは人間の魂と神とのあいだの愛と合一が燃えるような象徴的な形で語られており、いかなる言語で書かれた詩よりも深遠で感動的なものである。

それを書いたマハルシは永続的な合一の至福の中に定住していたけれども、それは帰依者たちのためを思って書かれたのであり、なお熱望してやまない人の態度を表現している。

(略)

すでに賢者であった一人の青年としてかれが家を捨てたとき、アルナーチャラは磁石のようにかれを引きつけた。かれは一直線にそこへ行き、生涯の残りの期間をそこに滞在した。かれが自分のグルと見なしたのはアルナーチャラであった。

そしてこれらの賛歌は、アルナーチャラ、グル、外に表われた神、絶対者のために書かれたのである。

(略)

バガヴァーンが肉体を脱ぎ捨て、アルナーチャラと共にある今日では、バガヴァーンから発してかれを頼りにし、かれの援助を求める人びとに向けられる恩寵と指導は、以前にもましてアルナーチャラに集中されている。

(略)

これの賛歌が書かれた文語体のタミル語は、極度に隠密な様式で使われることがあると言われており、(「文字の結婚花輪」)は、とくに多様な理解が可能な節を多く含んでいる。そのような場合には、別の読み方が与えられている。

(管理人注記・・上記異稿については福間訳は無く、柳田訳のみの紹介となる。)


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Sri Arunachala Akshara Mana Malai  文字の結婚花輪

序説

タルナー ルナ マニ キラナー ヴァリ ニガ  
Tarunā runa-mani kiranā vali-nigar

        タルマ クシャラ マナ マギル マーライ
        taruma kshara-mana magizh-mālai

テルナー ディヤ ティル ヴァディヤ テル マラ
Terunā diya-tiru vadiyār teru-maral

        テリヤッ パラ ヴダル ポル ラーガ
        teliyap para-vudal poru-lāga

カルナー カラ ムニ ラマナー リヤ ヌヴァ
Karunā kara-muni Ramanā riya-nuva

        ガイイ ナー ソリヤドゥ ガティ ヤーガ
        gaiyi-nāl soliyadu gati-yāga

アルナー チャラ メナ アハメー ヤリ ヴォドゥン
Arunā chala-mena ahamē yari-vodum

        アールヴァー シヴァ ヌラ ガー ヴァーレー
        āzhvār Siva-nula gāl-vārē


【 柳田訳 】

昇る太陽の光の輝きにも似た、この喜びに満ちた文字の結婚花輪は、慈悲の大海、高貴なる賢者ラマナによって、かれの恩寵を求める帰依者たちの妄想を取り除く目的で歌われた。

かれの恩寵を唯一の頼みの手段と見なす人びとは、かれらがアルナーチャラであり、シヴァの世界の中に身を浸すであろうことを自ら悟るだろう。


【 福間訳 】

朝陽のきらめくような喜びに満ちたこの『文字の結婚花輪』は、慈愛の海のごとき崇高な賢者ラマナによって、恩寵を求める帰依者の迷妄を取り除くために詠われた。

彼の恩寵を唯一の救い主と見なす帰依者たちは、彼らがアルナーチャラであることを悟り、シヴァ神の世界に達するだろう。


祈り

アルナーチャラ ヴァラ ケーットラ
Arunāchala varar-kēttra

        アクシャラ マナ マーライ サーットラ
        akshara-mana mālai sāttra

カルナー カラ ガナ パティイェー カラ マルリ カーッパーイェー
Karunā-kara Gana-patiyē kara-maruli kāppāyē


【 柳田訳 】

恵み深いガナパティよ、あなたの(愛の)手によって私に恵みを与えたまえ。私がこれを、シュリー・アルナーチャラ、花婿に相応しい文字の結婚花輪にすることができますように!


【 福間訳 】

慈悲深きガナパティよ、この『文字の結婚花輪』が、わが花婿アルナーチャラにふさわしきものとなるように、あなたの愛の手で私を祝福したまえ!


繰り返しの句

Arunā chala-Siva Arunā chala-Siva Arunā chala-Siva Arunā chala!
Arunā chala-Siva Arunā chala-Siva Arunā chala-Siva Arunā chala!

アルナーチャラ・シヴァ アルナーチャラ・シヴァ アルナーチャラ・シヴァ アルナーチャラ!

アルナーチャラ・シヴァ アルナーチャラ・シヴァ アルナーチャラ・シヴァ アルナーチャラ!

(このリファレイン句はこの後は各節ごとに繰り返して歌われる)

☆次回からはこれに続く108節を各回2節づつ紹介していきます。

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