「教えの精髄」 概要解説&各節紹介

「オンライン・ラマナ・サットサンガ」プログラムAで詠唱されている、「教えの精髄(ウパディーシャ・サーラム)」の概要解説&各節紹介シリーズです。

「教えの精髄」概要解説 ~柳田侃翻訳 「ラマナ・マハルシの言葉」96年東方出版刊より

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かつてダルカの森にリシたちの集団が共同で住み、超自然力を身につけようとして祭式を行っていた、という古い伝説がある。その同じ手段によってリシたちは究極的な解放を得ようと望んでいた。

しかしここで彼らは思い違いをしていた。というのは、行為はただ行為に帰着することができるだけであり、行為の停止をもたらすことはできない。祭式はもろもろの力を生み出すことはできるが、しかし祭式や力やすべての形態の行為を越える解放の平安を生み出すことはできないからである。

彼らの誤ちを彼らに納得させようと決心したシヴァは、そのために、放浪のサードゥとして彼らの前に姿を現わした。 シヴァと 一緒に、ヴィシュヌが美しい貴婦人の姿をしてやってきた。

すべてのリシたちはこの貴婦人への恋にかられ、そのために心の平静が妨げられ、祭式によって得た力は衰えてしまっ た。その上、森の中でリシたちと共に住んでいた妻たちは、みなその未知のサードゥへの恋におち込んだ。これに激怒したリシたちは、魔法の儀式によって象と虎を呼び出し、サードゥに襲いかからせた。

しかしシヴァは、たやすくそれらを殺害し、象の皮を外衣にし虎の皮を肩掛けにした。そこでリシたちは、自分たちよりいっそう力をもった人が
前にいることを理解し、彼に頭を下げ、教えを乞うた。

そこでシヴァは、人が解放に到達するのは、行為によってではなく、行為の放棄によってであることをリシたちに説明した。

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詩人ムルガナルは、この主題について百連の詩を書きたいと願っていたが、七十連を越 えた後、容易に先に進むことができなかった。彼は、バガヴァーンがシヴァの教えに関係する詩を書くにふさわしい人物であることに気がついた。

そこでムルガナルはバガヴァー ンにそれを書いてくれるよう懇願した。それに従ってバガヴァーンは、三十連のタミル語の詩を書いた。かれは後に、
自分でこれらの三十連の詩をサンスクリット語に翻訳した。 これらの三十連の詩は、続いてバガヴァーンによって、最初、アヌブーティ・サーラム、 後にはウパデーシャ・サーラムという名前でテルグ語に翻訳された。バガヴァーンはさらにそれをマラヤラム語の詩に翻訳した。 

ウパデーシャ・サーラムとして知られるサンスクリット語の頌は、バガヴァーンの前でヴェーダと共に毎日詠唱されたが、それはバガヴァーンの聖堂の前での詠唱に引き継がれている。

言いかえれば、それは聖典として取扱われている。 バガヴァーンは解放へのさまざまな道に言及している。そして有効性と卓越さの順にそれらを等級に分け、真我の研究を最高のものとして示している。


次回からはこの「教えの精髄(ウパディーシャ・サーラム)」各節の、

「ローマナイズド・サンスクリット文」「日本語かな振り文」「柳田訳文」「福間訳文」

を一回ごとに3節づつ紹介していきます・・・ので、詠唱の際の参考にして下さい。

原則として「毎週月曜」更新予定です。





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