綴り01
いつしか、私は宵闇や夕焼けよりも朝陽が好きになった。
きっかけは、朝まで大好きな人たちとお酒を飲んだ後に坂を上がるといつもあたたかく、眩しい太陽が私の背中を押すように……力強く、押すように照らしてくれていたからだ。 そんな時、私はそのあたたかさに母親が抱き締めてくれた時のようで安心していたのかもしれない。
今ではそれよりも、朝のパリッとした空気の方に惹かれる。 死ぬならば、大好きな星空の下よりも、流れゆく雲を眺めるよりも、はたまた綺麗なグラデーションを成す夕焼けよりも、朝焼けの頃がいい。
それも雲ひとつない冬の日に。
夜が明けて、明日が来ればあなたに会えて私は笑っていられるのだろうか。
曽祖母が亡くなったのも早朝だった。
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