明石営業所を開設した理由

 明石営業所開設してから1週間以上が経過した。さっそく明石営業所所属の1名の新任教育・研修を終わらせ、昨日の午後よりATMの保守点検立会警備に従事していただいた。自分としては指教責として初めての教育業務を無事果たす事ができた形だ。

 営業所開設にあたり、多くの方々より激励のお言葉を頂く一方、この開設を危惧する声も少数だが聞かれた。恐らく新しい営業所が採算に合わず結果としてそれが会社の財務を圧迫するのではないか、というものであると考えられる。

 それでも自分としては営業所開設という選択は正しいと考える。理由は但馬の人口減少による苦境を打破するためである。

 2015年国政調査によると但馬主要市町村である豊岡市、朝来市、養父市の人口増減率がそれぞれ−3.9%、−6.1%,−8.4%といずれも全国平均の−0.7%を大きく下回った。(ちなみに兵庫県の人口の多い街ベスト5である神戸市、姫路市、西宮市、尼崎市、明石市の人口増減率はそれぞれ−0.4%、−0.1%、1.1%、−0.3%、0.8%であり全国平均を上回る)。そして「日本の地域別将来推計人口」(国立社会保障・人口問題研究所)によると2040年の豊岡市、朝来市、養父市の人口増減率はそれぞれ−27.5%、−32.6%、−35.4%と兵庫県平均の−16.4%より大幅に下回る形となる。

地元を深く愛し、地方再生を信じてやまない親父には悪いがこの状況はモーゼの海割りレベルの奇跡が起きない限り、変わらないと思う。そのことは実際但馬で働くといやというほど実感させられる。人が減る。しかももともと絶対数が少ない兵庫県北部で。これはお客さんが減ることによる仕事の受注数の減少、求人面においても有効求人倍率6倍の苦境に立たさている兵庫県北部の警備業者にとっての死を意味する。

そんな折、セコム様より兵庫県南部での仕事の御依頼があった。でも人口減少は但馬に限らない。とはいっても県南部の人口減少の影響は但馬と比べたらマシな方だろう。座して死を待つよりは外に出て行って生き残りの道を模索する。だからその依頼をお引き受けする形で南部進出を決定した。これが明石営業所開設の主な理由である。

 もちろん、弊社は公立豊岡病院、城崎旅館、大林組、モリモトなど但馬地方内においても重要な顧客を抱えている。それはそれで今後も関係性維持に最大限努めるつもりである。

 当面は財務に余裕がない弊社の現状を考慮して貧乏学生の1人暮らし並に費用を押さえながらセコム依頼の仕事をこなすのがメインとなるだろう。500以上の業者がひしめく兵庫県南部でまともに戦っても価格競争による消耗戦に巻き込まれるのは目に見えている。ここは実績を積み上げつつ、商機を伺うのが賢明と考える。

 また但馬程でないにせよ、人の確保という大きな問題もあるのでそれにも対処していかなければならない。

 ただ、いつかは大きなビジネスチャンスを掴みたいものだ。それまではひたすら我慢、我慢、我慢!

 


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