この1年を振り返って

この1年は特に①事業構造改革②人手不足問題、の2点に関して模索を続けた一年だった。

以下、その具体的内容を述べていきたいと思う。

1.①事業構造改革について

年明けの大仕事である契約更新を無事に終え、ひと段落ついた4月あたりから新社長である自分の新体制作りに着手。

その新体制作りの最大の難関が事業構造を変えることだった。

その目的は経営の安定(あとは社会保険対策もあるが…)。

スポットメインの事業構造を長期・年間契約の仕事メインに変えることで、経営が安定し、隊員も安心して仕事に取り組めるようになる。

結果、それは業務の質の向上につながり、本物の警備の実現につながるのではないかという仮説の下、4月あたりから本格的に着手した。

具体的には交通誘導の仕事を減らし、セコム関連の仕事を増やすこと。

いろいろ反発もあり、当初の予定通りにはいかなかったが、なんとか秋口あたりに落ち着き、新体制が始まった。

その結果、当初の予定通り施設警備と交通誘導の比率を逆転させることに成功した。

ただ、いままで交通誘導しかやれない、やりたくない主力を含めた隊員数名が辞めてしまった。

その結果、辞めないまでも会社の経営方針に反発する隊員を数名生み出してしまった。

このような仕事の比率を変えるという隊員の生活にも影響が出ることをやる時、話せば分かるみたいな綺麗事では話は進まない。

だから嫌われてでもやり抜く逞しさが要求される。

だから基本的に自分の措置は間違ってなかったと思う。

ただ、いままでの交通誘導隊員の態度から、言葉で説明しても無駄だから、説明がほとんどないままに強引に断行してしまったことは多少配慮に欠けたのではないかと少し反省はしている。

今後、この新体制を軌道に乗せるには、より多くの年間仕事を増やし、スポットの警備料金を上げていく努力を続けなければならない。
結局、日々の仕事をしっかりやっていくこと、苦情数を0に近づけることが必要だということ。

特にまだ一部の隊員がやらかしているらしい基本的な礼式やマナー違反は絶対にやってはいけない。

まして現場責任者レベルの人間は尚更。

今まで性善説でやり過ぎた反省もあるので、今後はそういった苦情等に対しては徹底的に隊員に対し厳しく対処したい。

2.②人手不足問題

この問題に対しても試行錯誤を続けた1年だった。

今の時代、人手不足問題は弊社のみならず、ほとんどの会社が抱える問題。

大企業や中堅企業ならば、人材を集めるため、豊富な資金力を使って、リクルートを使ったり、人材紹介サービスを使って対処するのだろうと思う。

でも弊社にはそんなお金もない。

なのでお金を掛けずに人材を確保する方法を考えていくしかない。

具体的には、a 求職者に対するアピール、b 離職率を下げること、である。

(1)a について

まず求職者に対するアピールに関しては、昨年から施工している月給制の一部導入である。

これをやるには、さまざまな工夫が必要となる。

そもそも平の警備員で月給制を導入している会社は少なくとも自分の知っている限りはウチしかない。

これを維持するのは大変だ。
でも、弊社が本物の警備を提供するためには、現場の警備員が安心して自己に課せられた仕事に励んでいただく必要がある。

そのためには待遇をよくする必要がある。

なので今年もこの制度を維持した形となった。

ただ、その隊員の一部に月給制にしたことで安心してしまって気が緩んだのか、基本的なマナーを欠いた行動を行い、取引先から顰蹙をかっている者がいるときく。
そんな隊員に対しては、今後改善の余地がない場合、しかるべき措置をとろうと思う。

次に、昨年に引き続き、フェイスブックページやこのブログを使った広報活動を行った。

弊社の業務、社長である自分が何を考えて会社経営を行っているかを知っていただくことで、求職者の方々によい判断材料を提供することは中小零細の警備業者といえども今や必須だと思う。

今後もこういったことは行なっていきたい。

(2)b について

警備業は人を現場に派遣してお金をいただく仕事。
でもこの人手不足時代、人を集めるのは難しい。
このような時代に警備業を営み続けるには、人を採用するだでなく、採用した人を定着させる必要もある。

そのためには、自社に帰属意識を持ってもらい、その上で警備仕事に対し、やる気になってもらう必要がある。

そこで各部門の隊長にミーティングやパワーランチの主催をお願いし、していただいている。

これにより、各隊員が日常業務の中で疑問に感じたことや分からないことを教えあったり普段職場で言えないことも忌憚なくいい合える環境を作り、仕事をやりやすい環境を作った。

確かにこの試みにより、隊員間のコミュニケーションが促進され、隊員の会社に対する帰属意識が強まった。

ただ、中には会社の業務とは関係ない、もっといえば会社の方針に反するようなことを話し合い、隊長が上司である自分に対し、嘘の報告を続けていた事態が今年発生した。

なのでその隊長に対し、しかるべき措置をとらせていただいた。

改めて隊長に対する管理者教育の必要性を感じた一年だった。

また、昨年作成した警備マイスター制度の改正を今年の年末に行った。

この制度が上手く機能すれば、公平な評価が可能になる。

でもその評価を行うのは隊長である。

その隊長の評価スキルをいかにアップさせるかに悩んだ一年だった。

年末に決めた巡察制度がその解決の糸口になるか、今後見守っていきたいと思う。

今年は昨年と違い、「静」の年だった。来年もそれは続くだろう。
それが「動」に変わるかどうかのキーワードはイズムの確立。

それについては明日述べようと思う。

みなさん、よいお年を!

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