本当のイノベーションは理念に宿る

イノベーションには持続的イノベーションと破壊的イノベーションの二種類あるとされている。

前者は製品やサービスの品質や業務プロセスの向上といった改善的な部分にフォーカスしたものであり、後者は製品やサービスそのものを大きく変えるといったいままでの製品・サービスそのもののパラダイムや考え方といった部分に焦点をあてるものであると自分は理解している。

バブル以降の失われた20年、最近の人口減少・少子高齢化時代、それに世界的な経済競争の過熱化による日本製品のコモディティ化(同質化)の流れを受けて、特に最近の日本経済は多くの業種で後者の破壊的イノベーションの必要性が叫ばれている。それは警備業とて例外じゃない。

昨今のAI・ロボットや高性能監視カメラを使った警備になるのか他の何かになるのか分からないけれど、基本的に自分は警備における破壊的イノベーションが起きることに反対じゃない。というか今その流れを見極めようとしている最中である。

一見関係のない、無駄と思われるところに破壊的イノベーションは潜むという。それはそうなのだが、だからといってとりあえずハチャメチャなことをすれば破壊的イノベーションが起きると考える一部の流れには反対である。

例えばラップ的な警備が流行ったから警備業者はみんなそれを参考にすべきだとか、踊る警備が流行ったから、みんな付近住民みなを楽しませるべきだとか、それをしない・考えない業者は頭の固い時代遅れな人達だからこの難局を乗り越えられないとか…。そういった意見に凄い違和感を感じてしまう。

僕はむしろ破壊的イノベーションは会社の純度の高い理念とそれが浸透している組織に宿ると思う。

例えば、お客様やユーザーを楽しませて満足度を上げる業者は自然に現場から踊る警備やラップする提案が出てくるだろう。それはそれでとてもいい事だと思う。むしろその路線に純粋になればその先に他では思いもつかなかったサービスの創出が待っていると思う(まあ僕にとっての警備のシズル感は地味な縁の下の力持ちというイメージだからむしろ自分が客だったらいい意味で固くきっちりした方が安心できると思う。むしろ茶髪・ピアスの兄ちゃんに踊られたら引くわ。)。


その一方、ウチのようなお客様に安心・安全を提供してお客様に安心感を与えるといった警備原理主義的な路線を行こうとする業者についていうと、むしろラップや踊りが現場組織から出てくるはずがない。またそんな組織にラップや踊りを命令してもただモチベーションを下げるだけだと思う。

なのでウチとしてはランチェスター戦略に則り、とりあえずそんな当たり前を究める方向にいくことで業務の質を上げて行こうと思う。とりあえずは持続的イノベーションの促進といったところだ。その観点からホームページ動画を作ってもらったし、フェイスブックページの文体も固くしている(とはいえ、本当の意味で「警備」をしている業者が少ない現在、警備を突き詰めて行けば案外、ものすごい独自性あるサービスが出来上がって行くようにも思えるが…。)。

まあとりあえずその先のことは後で考える。今出来る事を一生懸命現場の方々にやっていただく。ただその過程でウチの理念にあった面白いものが出てくればそれを育てて行こうと思う。こんなスピードの早い今だからこそ、自分たちにとっての本質を常に考え続けて行きたい。

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